「ども！
アリスソフトの人妻企画担当、風麟です！」

「ここで半熟ブログをご覧の皆様に
重大なお知らせがあります！」

「いやー、長い間、本当にお疲れ様でした！
あとはボクに任せて、安心して休んでください！」

「え？」

「次回からは、近所で見かけたちょっと変わった動物を
古介がレポートする『アニマル古介のぶらりケモノ道』が
始まりまｓ」

バキィ！

「まだまだ続くから！
次の企画は、もう考えてるから！」

「えーっ。いい加減、休んでくださいよー。
風麟さんが休んでくれないと、
人妻ゲーばっかり出ちゃうじゃないですか」

「それなら、前にもお伝えしたように、
おいらのゲームはこれから開発するので、
発売は当分先になるから、安心（？）してください」

「今度は、ゆっくり作ってくださいね。
アリスソフトで年に１本も人妻ゲーは、いらな……」

バキィ！

「というわけで、これから企画を作って、
開発をスタートさせたいと思います！」

「そして、この半熟ブログを、開発の様子を
お見せできる場所にしていきたいと
考えております！」

「いわゆる、開発日記です！」

「具体的な情報を出してしまうとネタバレに
なってしまうので、ぼんやりとしたニュアンスで
お伝えすることになりますが……」

「それでも構わないという方は、是非、
これからもお付き合いくださいませ！」

「生まれ変わった半熟ブログを、
よろしくお願いします！」

「でも、みんな忙しいから、メンバーは
風麟さん１人しかいませんよ」

「背景チームも忙しいので、当分は参加できないなり」

「そうですね。
原画さんだけでも、何とかして
取り込みたいところですが……」

「ようやく、オレにもガチャ運が巡ってきたな。
手持ちの石を、全部突っ込んでやるＺＥ！」

「あ！　原画さん発見！」

「よし、確保だっ！」

「もちー！」

「にゃるぁああああ！」

「ちょ、ま……！
オレの１０連チケットがああああっ！」

交渉中……

「というわけで、風麟の新企画に
参加してみませんか？」

「断る（即答）」

バキィ！

「冗談を言ってる場合じゃありません！
おいらは、ＭＩＮさんの本当の気持ちを
聞きたいんです！」

バキィ！

「だから、本音だって言ってんだＹＯ！」

「まあまあ、２人とも落ち着いてください。
こういうときは、ＡＶ（アニマルビデオ）を
観て、心を和ませましょう」

「それはちょっと」

「アレ？」

「まあ、頭ごなしに拒否するのも何だから、
企画書を見せてくれＹＯ」

「わかりました。
これが企画書です」

「…………」

バキィ！

「文字が多すぎて読む気にならねぇＹＯ！」

「企画書は、そういうもんです！」

「オレが理解できるように、要点をまとめてくれ！
３行以内に！」

「３行以内……」

「人妻！
ロリっ娘！
浪漫！」

「ですね」

「…………」

「え？」

「にゃる？」

「もち？」

「ほほぅ」

「今、何て言ったんだ！？
特に２行目！」

「人妻……ですか？」

「それは１行目だ！
２行目だよ、に・ぎょう・め！」

「ええっと……ろま……」

バキィ！

「ロリっ娘だ！
とうとう、人妻路線はやめるのか！？
それなら参加してもいいＺＥ！」

「おいらの考えるロリっ娘は、
全く別な何かになると思いますが、
それでもいいですか？」

「全く別な何か？」

「はい。
何しろ、人妻好きが考えるロリっ娘なので、
違う何かが出来るかと」

「まあ、それはそれで面白そうだが……」

「では、ここに企画参加のサインを
お願いします」

「ここでいいんだな？」

「…………」

バキィ！

「危うく騙されそうになったじゃないかＹＯ！」

「観念して、うちの企画に入ってください！」

「ダメだ！
ロリっ娘１人だけじゃ、まだまだオレの心は
動かないＺＥ！」

「もう１人、若いヒロインを出してくれ！」

「うーん、今回もミドルプライスを想定しているので、
あまりヒロインは増やしたくないのですが……」

「差分地獄の風麟企画に参加するんだ！
それくらいの要求は通してもらうＺＥ！」

「……わかりました。
では、熟女とロリっ娘の間くらいのヒロインを
１人追加しましょう」

「よし！　いいだろう！
熟女ばかり描いていたら、ユーザーさんに
熟女絵師だと思われてしまうからな！」

「ピッチピチの娘っ子が描けることを、
アピールしておくＺＥ！」

「あ、今回も人妻企画なんで、
メインヒロインは人妻ですよ」

バキィ！

「うちはアリスソフトだぞ！
ワイフソフトじゃない！」

「それなら大丈夫ですよ。
このゲームが発売されるのは当分先ですし、
もう連続で出ることはありませんので」

「そ、そうか。
うちのブログのバナーが人妻ばかりで、
どうなることかと思ったＺＥ」

「色々と新作が控えてますから、
アリスソフトＢｌｏｇも賑やかに
なっていくと思いますよ」

「オレも、そっちに参加しｔ……」

バキィ！

「我々が作らなければ、誰が人妻ゲーを
作るんですかっ！？」

「そもそも、うちが人妻ゲーを開発すること自体が、
イレギュラーじゃないかＹＯ！」

「おいらの存在自体がイレギュラーなので、
無問題です！」

「このやり取り、懐かしい感じですね」

「止めないでいいなりか？」

「開発初期は、いつもこんな感じなので、
放っておきましょう」

「ゼェ、ゼェ……
まあ、今までやったことがない感じだから、
やってみるか」

「よろしくお願いします！」

「で、この企画は承認されてるのか？」

「まだですよ」

バキィ！

「企画を通してから声を掛けろＹＯ！」

「それじゃ遅いんですよ！
発売日は、既に決まっているんです！」

「マジか！？」

「今、ナベさんが上層部と
交渉しています。
その後の進捗はどうかな？」

「…………」

「てへ」

バキィ！

「『てへ』じゃない！
早く交渉を進めてくれっ！
間に合わなくなるぞ！」

「しかし、本当にこの人数で企画を進めるのか？」

「やるしかありませんよ。
こうしている間にも、発売日は刻々と
迫っています」

「それじゃ、キャラクターデザインから取り掛かるか。
まずはロリっ娘でテンションを上げていくＺＥ！」

「というわけで、指定をくれＹＯ」

「こんなイメージです」

「…………」

バキィ！

「ぶっ飛びすぎだろっ！
こんなロリっ娘、いるはずがないＺＥ！」

「だから、違う何かと言ったじゃないですか！」

「なんなんだ、このロリっ娘は……？
いや、そもそも本当にロリなのか、これは？」

「うーん、違うと言えば違いますね。
見た目は貧乳で、背もちっちゃいですが、
中身はＢＢ（ｒｙ」

バキィ！

「下りる！　オレは企画を下りるＺＥ！」

「あ、無理ですね。
つい、今しがた、ナベさんが上層部に
原画をＭＩＮさんということで提出したようです」

「マジか！？」

「…………」

「てへ」

バキィ！

「フッ……いいだろう。
売られた喧嘩を買うのが、
ＭＩＮ－ＮＡＲＡＫＥＮだ」

「いや、喧嘩じゃなくて仕事ですが……」

「オレがロリっ娘を可愛く描いてやんＹＯ！」

カキカキカキ……

「どうだ！　イメージどおりだろう！？」

「いいじゃないですか！
実に可愛らしいロリっ娘です！」

「まあ、中身はＢＢ（ｒｙ」

バキィ！

「ギリギリ、ロリではないレベルだと思いますよ。
自分は好きですね」

「今のご時勢を考慮すれば、
これが限界だろう」

「ていうか、モザイクがでかすぎて、
何もわからないんですけど！」

「そんなことはない！
こうやって目を細めれば、
薄っすらと見えてくるよ！」

「それは、風麟さんが糸目だから、
何もしなくても見えてくｒ」

バキィ！

「開発が進むにつれて、徐々に
明らかにしていきますので、
ご安心ください！」

「さて、次は、人妻ですね。
こちらもお願いします」

「うっ！？　手が……手が震えるＺＥ……」

「ロリっ娘より手を抜いたらリテイクしますので！」

「オレがそんなことするかＹＯ！
ただ、熟女を描くと手が震えてしまうだけだ！」

「イメージはこんな感じです」

「……ほぅ。
風麟企画では珍しく、控えめな人妻だな。
本当にこれでいいのか？」

「今回は、いつもとは違う感じの人妻を
目指したいのでＯＫです！」

「なるほど」

カキカキカキ……

「これでどうだっ！？
リテイク出したら、踊りかかるＺＥ！」

「グッドです！　グッドですよ、ＭＩＮさん！
この地味な感じがたまりません！」

「自分、タイプです」

「そ、そうか。
オレにはよくわからんが、
気に入ってもらえて何よりだ」

「順調にヒロインたちが出来上がっていきますね！」

「服装は指定にあったように描いてるが、
この世界設定は現代なのか？」

「現代ではありませんが、異世界ファンタジーでもありません。
不思議なことが起こる、どこか懐かしい世界ですね」

「何か良くわからんが、オレは指定されたものを
仕上げるだけだＺＥ」

「ちゃんと世界観を理解してくださいよ！」

「お前の企画の世界観など、
理解不能ＤＡ！」

「同意！」

「にゃるっす！」

「もち！」

「同意せざるをえません」

「……そうなの？」

「まあ、風麟ワールドを理解しろというのは、
無理な話ですよ。
頭のネジは緩んでるし、ぶっ飛んでるし」

「おいっ！　意見がストレートすぎて、
ガラスの心が砕けてしまいそうだよ！」

「アレ？」

「なあ……この企画は、審査を通るのか？」

「１００％大丈夫とは言えませんが……」

「…………」

「迫り来る発売日！
スタッフ間に漂う不穏な空気！
果たして、このゲームは完成するのか！？」

いや、そもそも、企画は審査を通過するのか！？
次回、『風麟、窮地に立つ！』に、ご期待ください！」

「Ｓｅｅ　ｙｏｕ　ｎｅｘｔ　ｍａｍａｎ！」

「……本当に大丈夫なんだろうな？」

「たぶん、いけますよ。
たぶん……」