STORY
神へ捧げる余興の、一方の主役として作られた最強の存在「魔王」。
地上で最高の戦闘力を持ち、無敵で不老不死。
自身の血を他に与え、強大な力を持つ「魔人」に変える能力を有した破壊と殺戮の権化。
それは誰か一人を指す言葉ではない。
魔王となる期間は1000年と定められており、それは他に継承される。
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まだこの世に人類も存在しないほどの昔。
その小さな生き物は、魔王の血を与えられ、魔人ケイブリスとなった。
しかし彼は弱かった。弱かったが、諦めることをしなかった。
彼に血を与えた者から、別の者に「魔王」は継承され、そしてまた次の者へ。
ケイブリスはその様子を見ていた。幾代もの魔王に仕えた。
ただ「最初に魔人になった存在」というだけだった彼に、長い時は力を与えた。
その間、彼はひと時も、力をつける努力を忘れなかったのだ。
それは積み重なり、大きな力となった。
最強最古の魔人。
この世にはもう、自分より強い相手など魔王しか存在しない。
年月は過ぎ、魔王が継承される時が来た。
今、この世で魔王に最もふさわしいのは自分だ。
彼はそう信じて疑わなかった。
魔王になったのは、少女だった。
少女はそれを望まない。しかし魔王は継承されてしまった。
破壊も殺戮も好まない少女は、その力を捨てる方法を求め姿を消す。
魔王になれなかったケイブリスは、やはり諦めなかった。
無敵であるはずの魔王がなんらかの手段で殺された時、殺した者に魔王は継承される。
彼は知っていた。実際にその様子をそばで見ていたのだから。
魔王がその力をふるおうとしないのならば、殺すことも出来るはずだ。
動き出すべき時が来たと彼は悟った。
少女を玉座につかせようとするものと、玉座を奪おうとするもの。
王不在の魔物界で、魔人達は2つにわかれ、熾烈な争いを繰り広げた。
戦いは終わり、魔人ケイブリスは魔物界の王となる。
逃げた魔王を求め、全魔物軍による人間界への進撃が開始された。
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少女は逃げる。魔王の力から。魔王の力を欲するものから。
魔王を殺して人類を救おうとする者から。