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其処は闘神都市コロシアム内、闘神大会出場者控え室である 部屋の扉を叩く音がすると扉が開き、案内係であるシュリが言った「葉月さん、時間です」 「はい」葉月は一言答えると、小瓶を机の上に置き、部屋を出た 「葉月さんを応援したいけど正直複雑だな」シュリは話す 「え・何故?」葉月は闘技場へ続く通路をシュリと歩きながら答えた 「だって、私、臥路様のフアンだから」シュリは正直に答えた 「此処に来てる女の子って皆そうみたいだね」葉月は闘技場から漏れる声を聞きながら答えた 「でも、僕は負ける訳にはいかない」葉月はきっぱりと答えた 「解ってます、何故葉月さんが負けられないかを」シュリは少し寂しげに答える 「ごめんね、」葉月はシュリに告げる 「良いんです、気にしないで下さい、御免なさいこれから闘うのに」シュリも素直に詫びた 歩きながら話ている内に二人は闘技場の扉の前に着いた 「じ、じゃあ、頑張って下さい」シュリは少し罰が悪そうに葉月に告げるとその場を去った 「有り難う」普段と変わらない口調でシュリに礼を述べた、葉月の前の闘技場の扉が開く 場内は割れんばかりの喚声だった、その殆どは葉月の対戦相手、臥路への女性の声である 「臥路様〜、素敵〜」「臥路様〜こっち向いて〜」 葉月が場内へと歩を進めると女性の喚声の一部は葉月への罵倒へと変わった 「臥路様にさっさとやられちゃいなさいよ」「何よあの格好、臥路様を誘惑するつもり?」 葉月は自身に罵声を受けながら臥路の前に立った 「すまぬ」臥路が予想だにもせず、葉月に対し頭を下げ続けて言った 「おなご達が好きな様に叫んでいるが気になされるな、それよりもそなたが女とは云え 同じ場に立つ武人同士一切遠慮はせぬ」臥路は静かに言った 「解っています、僕も全力で貴方と闘います」葉月が臥路の意気に応える 「闘神大会、準決勝戦第2試合開始」レフエリーが告げると合図のドラが鳴った 二人は静かに鞘から武器を抜き取るとゆっくりと構えた、暫しの間が空いた 「うおおおおっつ」先に動いたのは臥路であった、鋭い斬撃が葉月を襲う 「はあああっつ」葉月はその場を動こうとせずに臥路の剣を受け止める 剣が幾重にも放物線を描くその度切っ先は火花を散らした 数度の打ち込みをすると臥路は葉月から一定の距離を置いた (シードの言ってたとうりだ、この人、本当に強い)葉月は内心焦った 臥路が取った距離は葉月にとっての剣の間合いの一歩外である 一年前、シードは闘神大会で臥路と闘ったその一連に起きた事件に葉月も絡んでいた (あの時、臥路さんは怪我をしていた、万全の調子だったら勝てたかどうか解らない) シードの言葉を思い出す、だが、今は立場は逆で有った、臥路は見た所万全の調子であるが 葉月は迷宮に於いて更なるレベルアップを目指し無茶な戦いを続けていた結果 今迄に受けた傷は完治には程遠い状態である 更に3回戦で貫かれた太股の傷は塞がっておらず、歩行に松葉杖を使う有様であった 傷口は頑丈にテーピングされてるが何時、傷が開くか解らない状態である 傷に依る痛みは日々際限無く襲い、葉月も痛み止めを飲んで耐える日々が続いたが、 準決勝戦を前に飲む事を止めた、痛みを押さえる事は出来るが動きが緩慢になってしまう事が 要因だった、命のやり取りともなる闘いで痛み止めを使う事は無謀とも言える行為と言えた 無論、普段以上の痛みに襲われる事は覚悟の上だった、 平穏を装うがヘッドギアに隠れた額に脂汗が浮かぶ 「そなた、怪我をしてるようだな、だが遠慮はせぬ」葉月の状態をよんだ臥路は刀を鞘に終う 「奥義・鼬」臥路は刀を鞘から素早く抜き取った、疾風が葉月を襲う 「くう」身動きすらままならない葉月は避けようも無く受けた 全身を鋭利な刃物で切られたように傷口が開き血が流れた 更に、第2第3の疾風が葉月を襲う、その度に全身を刻まれ、血にまみれた 「うあわああっつ」葉月は溜まらず倒れた、息を荒げ天を見上げる 臥路は葉月の元へ近寄ると言った「降参されよ」 「それは出来ません」葉月は断った 「御免」一言述べると臥路は葉月の太股を軽く踏んだ 「ああああああああーっつ」痛みに絶叫を上げる葉月 「そなたの強い思いには敬服する、但しこの様な体で勝ち上がれる程、この大会は易しい物では無い 降参されよ」臥路は葉月の太股から自身の足を退けると念を押す 「嫌です」葉月は剣を手に取ると痛みを押して立ち上がると剣を振り下ろした 一撃は臥路が首からぶら下げていた数珠の様な物を断ち切った、闘技場に数珠が転がり落ちる 「し・しまった、何て事を」臥路は慌てたようにすると葉月に言った 「わ・悪い事は言わぬ、は・早く、この場から立ち去られい、せ・拙者が拙者で居られる内に」 臥路は胸元に手を充てると何かを押さえるような身振りをした、全身が震えている 「臥・臥路さん、大丈夫?」葉月は臥路の言葉の意味も解らずに臥路の身を案ずる 臥路の震えが止まり、顔を上げたその表情は目は吊り上がり、口は裂け、鬼の如き形相である 「・・」葉月は臥路から発せられる殺気に体が固まる 「があああっっっ」臥路が刀を振り回すそれは突風を産み葉月を襲った 「きゃあああっつ」剣圧に吹き飛ばされ葉月は床から伸びている鉄杭に背中を打ち付けられる 「ああああっつ」そのまま床にへたり込んだ葉月に臥路が切り込む 「ガシイイイッツ」葉月は剣で何とか受け止め、臥路に訴えた 「臥路さん、どうしたの?しっかりして」 葉月の言葉も届かないのか臥路は刀を力任せに打ち込み続けた先程の流麗な太刀捌きが嘘の様に 臥路の攻撃を何とか凌いでいた葉月もその力任せの攻撃に耐えきれなくなっていく 「し・しまった」臥路の猛攻に剣を弾き飛ばされてしまう 臥路は刀を突き立てると切っ先を葉月の胸目掛けた 「くっ」葉月は左腕に装着していた盾で凌いだが、臥路の剣圧は凄まじく盾に罅が入っていく 「臥・臥路さん」攻撃を耐え葉月は臥路に対して訴え掛ける その、臥路の背後に白い靄のような物が見える、それを見て葉月は確信する 「ま・まさか、ヒューイ?」 臥路は精霊ヒューイにとりつかれ狂戦士・パーサーカーとして操られていた (な・何て事に臥路さんを救うには)葉月には方法が解っていたがそれは賭でも有った 臥路は一端、刀を引くと再び刃を葉月目掛け突き立てた 葉月は意を決し立ち上がると盾で防ぐ事無く、臥路の斬撃を受けた 「ズブオウッッッ」切っ先は葉月の腹部を貫いていた 「ぐわああっっ」葉月は吐血しながらも臥路の刀の柄を握ると思い切り捻った 「があああっっ」痛みに気を失いそうになるが、葉月は自ら後ろに退り身を貫いている 刀を抜き取った、途端傷口からはシャワーの如く鮮血が溢れ出した 葉月の血は臥路の体をも血に染めた、途端、臥路にとりついていたヒューイは霧散して逝く 「せ・拙者は」臥路は己を取り戻した 「よ・良かった・臥・臥路・さ・ん」葉月か細く呟くとそのまま倒れ込む 臥路は葉月を抱き寄せると言った「そ、そなた、拙者を助ける為に」 葉月は瞳を閉じた侭、何も応えなかった 「勝者、臥路義笠」レフエリーが勝ち名乗りを上げたが 「違うぞ、本当の勝者はこの娘だ」臥路はそう告げると葉月を抱え闘技場を後にした 協議の結果、この勝者は臥路の申し入れどうり葉月となり 葉月は懸命の手当により一命を取り留めた 終わり PS:今回はゲーム版で無くOVA版が元になってます、臥路がパーサーカーになったのは 自分のオリジナルです、 |