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閉会式は、開会式のようにそれほどは盛り上がることは無いのは、どこもいっしょである。 加えて、自分の好意を寄せている相手が、他人のものになるというのに、明るくふるまえる人はいない だろう。 そんな訳で、一部の例外を除いて、閉会式は小規模に、暗澹と進行した。 今は、舞台周囲を鳳凰学園のブラスバンドが音高らかに行進している。 チアリーディング部や応援団なども繰り出して、それなりに華やかだ。 観客席のほうはそれなりに盛り上がっているが、参加者全員のいる舞台上は、どよ〜んとした空気に包 まれている…………。 まゆ「ううっ、勇二君…………」 美咲「はぁ…………センパイ…………」 あやめ「あ、あの…………二人ともそんなに落ち込まないで…………」 おろおろとした風に二人を励ますあやめ。 恵「ううっ、お兄ちゃんが…………」 来夢「そ、そんなに落ち込まないでよぉ、恵ちゃん…………来夢まで哀しくなっちゃう…………」 雪「二人とも、そんなに落ち込まないで…………もう会えないわけじゃないんだから」 こちらでは雪が、べそをかく恵たちをなぐさめている。 そんな風にどこもかしこも似たり寄ったりな状況で、我関せずと言う状況なのも数人いる。 決勝まで勝ち残ったビー3姉妹などがその例である。 ハートビー「やれやれ、優勝賞金、逃しちゃったわね…………」 スタービー「しょうがないよ。ま、準優勝でも賞金が出るんだし、いいんじゃない?」 フラワービー「そうそう、別にヒロインの座なんて、欲しくなかったしねぇ♪」 などと、きゃいきゃい騒ぎ立てて、暗い雰囲気の舞台上の一部を明るくしていた…………。 そんな中で、優勝者である麗蘭は一人、その集団から離れて閉会式の進行を見ていたが、一人の少女が、 そんな麗蘭に近寄って話し掛けてきた。 萌木「いよいよですね…………」 麗蘭「ああ…………。萌木と言ったか…………おまえも気づいているのか?」 萌木「ええ、うっすらとですけど…………」 そういって、萌木は麗蘭と同じ方を見る。 萌木「あなたなら、この状況を打破できるかもしれません…………」 麗蘭「だが、妾とて、幻に飲み込まれるやも知れぬ…………」 萌木「そうなったらその時のこと、あなたの責任ではありません…………」 麗蘭「ふむ…………。まぁ、なんとかやってみるか」 タイガージョー「優勝者、前へ!!」 タイガージョーのその言葉に、観客からの歓声と、参加者からの悲鳴が交錯する。 舞台上で一歩前に出る麗蘭。 そ、日が翳り、一瞬あたりが暗く染まる。 その闇が払われたとき、そこには一人の青年がいた。 麗蘭「勇二!」 勇二「麗蘭か…………」 皆から思いを寄せられる漢、魔神勇二は、麗蘭を見て、苦しそうに顔をゆがめた。 麗蘭「…………勇二?」 麗蘭が怪訝そうに問うと、勇二は困惑した表情で言う。 勇二「すまない…………。こんな大会が開かれることをとめることもできず、俺は、山篭りをして逃げ てしまっていたんだ」 麗蘭「そ、そうか…………」 あまりに勇二らしい言動に、戸惑う麗蘭。勇二は偽者だという懸念をもっていたのだが、いざ本人を目 の前にすると、どう見ても本物にしか見えないのだ。 勇二「正直、俺はまだ誰が好きなのか分からない。そんな状況でお前と付き合うことなど…………」 タイガージョー「まて、勇二よ!!」 タイガージョーが、勇二の言葉をさえぎって叫ぶ。 タイガージョー「それではここまで勝ち残ったこの少女の想いを無にするというのか!?激しい戦いを 勝ち残らせたのは、お前への想いなのだぞ!」 勇二「そ、それは…………」 タイガージョーの言葉に、勇二は迷った。 勇二「麗蘭…………俺は、まだ自分の気持ちを決めかねている…………そんな状況でも、お前は付き合 ってくれるのか?」 麗蘭「…………愚問だな。妾はそんな所が気に入っているのだぞ」 きっぱりと言う麗蘭。 何がどうであれ、彼女の勇二への思いは変わらない。 勇二「そうか、ならば麗蘭!俺は俺のすべてを持ってお前の想いに答えよう!!」 そういって、麗蘭を抱きしめる勇二。 麗蘭「…………勇二」 一瞬、戸惑うような表情を見せた麗蘭だが、結局は抱きしめられるままに、自分も勇二に手を回して、 抱きしめていた。 舞台上で抱き合う二人。大歓声は、いつまでも鳴り止まなかった。 もっとも、参加者の少女たちは、そんな様子を悔しそうに見つめつづけていたが…………。 閉会式 終 あとがき はい、閉会式です。 なにやら色々裏方面で暗躍がありますが、ひとまずは優勝者の麗蘭にとってのハッピーエンドというこ とでまとめました。 麗蘭ファンなら、ここで終わるのも良いかもしれませんが、いちおう物語は、あとちょっと続きますの であしからず。 そんなわけで、続きをおたのしみに。 |