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第一話
第二話
第三話
第四話
最終話

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スーパーマドカ列伝 第一話
“はぢめてのしゅつげき“


<プロローグ>

地球外からの侵略者ダイラスト。突然現れた敵に日本は恐怖し混乱していた。
街中を我が物顔で暴れ回るダイラストの怪人達。
だがそれに完全と立ち向う正義のヒロインが現れた。
その名は超昂天使エスカレイヤー。
彼女の超人的な活躍でダイラストの基地は壊滅し、幹部達は逃げていった。
奇跡的な勝利に民衆は喚起し、エスカレイヤーを褒め称えた。
ダイラスト壊滅から既に2週間の時が過ぎようとしている。
だがまだ騒ぎは起こっていた。ダイラストの残党達の仕業である。
今日もまた街の片隅で怪人達が騒ぎを起こしていた。

食事も終わった気だるい午後の街で、交差点に仮設ステージを設け巨大スピーカーを
使ってル○ン3世の物まねをするバカがいた。
手足にビラビラすだれの付いたピンクのラメスーツに身を包んだ頭がテレビの怪人、
物まねフロストだ。
ご丁寧に背中に“物まね世界一”と書かれたのぼりを2本挿している。
栗○○一よりも忠実な物まねにギャラリーのフーマンはおろか通行人まで歓声を上げる。
今度はケン○ロウの物まねをやってみせた。
テレビ画面の顔も眉毛が太くなるほどの熱演だ。

「あーったたたたたたたたっ!お前はもう死んでいる!」

見事に懐かしの決め台詞が炸裂する。“彼の物まねは本物だ“そう思わせる出来だった。
フーマンや通行人から惜しみない拍手が送られる。

「え〜では次に・・・」

そう言いかけた時何処かからともなく声が響いた。

「待ちなさい!」

声の主を探してきょろきょろしていると空から誰かが降りてきた。
仮設ステージの左端にスタッと着地する。

「青い地球を守るため、胸の鼓動が天を衝く、超昂天使エスカレイヤー、
悪の現場にただいま参上!」

ピンクの髪をなびかせて決めポーズと共にいつもの台詞が見事に決まる。
世界を救った正義のヒロインの登場に通行人から“おおっ!“と言う歓声があがった。

「お前がエスカレイヤーか」

物まねフロストは、マイクを握り締め、芝居がかった物言いをする。

「その通り!こんなところで物まねをするのは通行の邪魔です。
そんな街の平和を乱す行為は、この私が許しません!」

ビシッと指差しそれに応えるエスカレイヤー。
それだけ見ていると何かのアトラクションのようだ。

「ふっつまりは俺を倒すっていうのか」

顎に手を当てなにやら意味ありげに喋る。

「そうです」

エスカレイヤーはきっぱりと応える。

「ちっちっちっ!エスカレイヤー、あんたは物まねの恐ろしさがわかってないな。
 俺はお前さえもまねることができるんだぜ。こんなふうに」

そう言うと物まねフロストは、さっきのエスカレイヤーの決めポーズをとった。

「青い地球を守るため、胸の鼓動が天を衝く、超昂天使エスカレイヤー、
悪の現場にただいま参上!」

エスカレイヤーそっくりな声だった。またギャラリーから歓声の声が上がる。
物まねフロストは得意げに勝ち誇ったような笑みを浮かべる。

「だから?」

最初は驚いていたエスカレイヤーが冷静にツッコむ。
物まねフロストは、冷静なツッコミに一瞬固まるが気を取り直して喋りだす。

「くっ、これで降参しないとはさすがはエスカレイヤー!
しかし物まねの本当の恐ろしさはこれからよ!」

そう言ってマイクを握り締める物まねフロストの顔がディフォルメされた
エスカレイヤーの顔になる。

「あん、やめて、お願いよ、そんな所を指で掻き回されたら変になっちゃう」

いきなり色っぽいエスカレイヤーの声が巨大スピーカーによって街に響き渡った。

「な!」

エスカレイヤーの顔が一瞬で真っ赤になる。
おおおおっ!と言うさっきまでの歓声と違う低く唸る様な声が男性ギャラリーから
発せられる。
エスカレイヤーは、男性ギャラリーの視線を感じながら、どうしていいの解らず、
やめて欲しくておたおたする。
その反応を見た怪人の顔がにやっと笑う。
そして物まねの嬌声は止まるどころかさらにエスカレートしていった。

「何がやめてだ!こんなにビンビンに乳首おったててるくせに!
そうら!ここだって大洪水だぞ!」

「いや!そんなこと言わないで!ああっそんなに強く吸ったら、あひぃ」

「見かけによらず淫乱だな、無理やりされてるのに感じてやがる」

「あっああっ、やあんっ、だめぇ、そんなとこ擦り上げられたら、あああん・・
お願いもう許して・・・」

「なあに言ってやがるこれからが本番だぜ。これからこいつをお前にブチこんで
ヒイヒイ言わせてやる。」

物まねフロストはそう言うといやらしい笑いを浮かべた。
次の言葉を期待して男性ギャラリー達の喉がシンクロしたようにゴクリと鳴る。

「いいかげんにしなさい!!」

耳まで真っ赤になったエスカレイヤーの鉄拳が怪人の顔面にめり込んだ。
不意の攻撃に顔を押さえて後ずさる。

「痛てえじゃねえか!いいとこだったのに!」

物まねを中断させられ物まねフロストが激しく抗議する。
男性ギャラリーも賛同した。彼らはみな前屈みになっている。
おそらくは妄想の虜になっていたのだろう。男の悲しいサガである。
しかし男たちのささやかな抵抗は、周りの女性の軽蔑の眼差しによって
あっという間に沈静化した。
やっと目をあけることが出来た物まねフロストは、エスカレイヤーが怒りに
震えていることに気が付いた。
乙女の尊厳を傷つけられたのだから怒るのは辺り前だ。しかも白昼堂々と。
物まねフロストの中に、もしかしたらやってはいけない事をしたのではないか
と言う考えが今ごろ湧き上がった。
顔中に冷や汗がだらだらと流れ始める。
エスカレイヤーがゆっくりと腰の剣パルシオンを抜いた。

「もしかしてお仕置きですか?」

おびえた怪人の問いにエスカレイヤーは答えない。
しかし怒りに燃えるブルーの瞳が“YES”と言っていた。

「もしかしていきなり必殺技ですか?」

“YES、YES、YES”

「いーやあぁーっ!!」

ムンクの叫びを上げる怪人に容赦のない必殺技が炸裂する。

「乙女の怒りを受けなさい!サブリミット!エスカレーション!」

必殺の一撃を受けて倒れ伏す物まねフロスト。

「最後に武○哲也の物まねがやりたかった・・・・ショーテ―――ン!!」

爆発する怪人。
それを見るとフーマン達は蜘蛛の子を散らしように逃げていった。
後味の悪い勝利に憂鬱な顔をしながらため息をつく。

「マドカ、大丈夫かな?」

エスカレイヤーは、仲間のことを思い空を見つめていた。


<はぢめてのしゅつげき>

物まねフロストが暴れていた所とは別に街にはもう一人の怪人が現れていた。
道端でいきなりどつき漫才を強要する怪人漫才フロスト。
物まねフロストとは対照的に黒のタキシードに身を包んでいた。
タキシードなのになぜか手足にビラビラのすだれが付いている。
頭は物まねフロストと同じでテレビだが背中にあるのは巨大なハリセンだ。
街は新たな怪人の出現により困惑を極めていた。
また一人サラリーマンが捕まりボケを強要させられている。

「人事部の課長、浮気が凄いんやってな」

漫才フロストのフリにサラリーマンが戸惑いながらも対応する。

「ウワキだったら俺の方が凄いぜ」

「ほんまかよ」

「ああ」

そう言うとサラリーマンは後ろを向いてもぞもぞと服を脱ぎ始める。

「ウーーーーーーッ、ワッキーーーーーッ!」

手を高々と上げ脇毛を見せるサラリーマン。
案の定、そこには寒い空気が流れた。
ギャラリーのフーマン達のブーイングよりも早く漫才フロストのツッコミが空を裂く。

「なーーーーーんやそれ!!」

強烈な裏拳を顔面に受けてサラリーマンは10mほど吹っ飛び鼻血を拭きながら気絶した。

「まあまあやな。ほな次行ってみよか!」

渋い顔をしながらも気持ちを切り替え手をギャラリーに上げると、
仮設ステージ前のフーマン達も歓声を上げる。

「待てい!!」

お祭りムードの怪人達に水をさすようにその声はあたりに響き渡った。
突然の謎の声に一同がきょろきょろと辺りを見渡していると空から何かが降って来た。
ドカンと轟音を響かせ、ギャラリーのフーマン達の中心に落下する。
落下の衝撃でモウモウと土煙が舞い上がる。

「なんや!」

何が起こったのか注意深く見ていると土煙の中から一人の少女が現れた。
緑色の髪の可憐な女の子、この登場におよそ不釣合いな少女だ。
華奢で小柄な体にメイド服を着こなしている。
ちょっと他とは違うところは重火器を装備している事ぐらい。
背中から生えた2基のミサイルポッドと重そうな左腕のガトリング砲が
ちょっとと思えないのは気のせいだ。
見慣れた人から見れば、額に付けた月○仮面のお面の方が断然怪しい。
さっきの声の主はおそらく彼女であろう。
フーマン達に囲まれていると言うのに臆する気配は微塵も無い。
一同が注目する中、彼女はすっと右手で漫才フロストを指差した。

「この世に正義がある限り悪の栄えた試し無し、己の所業の愚かさを、
死してあの世で悔いるがいい」

静かだが良く通る声が見事に啖呵の迫力を増していた。

「なっ何を偉そうに!おまえ何もんや!」

啖呵にビビってうろたえる漫才フロスト。
少女はその問いに凛として言い放つ。

「月○仮面!!」

ザ・ワー○ドの仕業のように時が止まった。
また寒い風が街中を吹いていく。
放心状態からいち早く立ち直った漫才フロストが静かにツッコむ。

「・・・・・おまえ・・・・恥ずかしないんか?」

そのツッコミに我に帰ってフーマン達も不満の声を上げる

「ブー!ブー!(そーだ!そーだ!)」

容赦の無いブーイングが巻き起こった。
ブーイングの中少女は下を向いて出撃前のことを思い出していた。

「マドカ、これを着けていきなさい。これさえあればお前は正義のヒーロー月○仮面だ。」

満面の笑みを浮かべる高円寺博士。
マドカと呼ばれた少女は戸惑いながらもお面を受け取った。
今にして思えばその笑みを前に断りきれずにお面を着けて来た自分が恨めしい。

「だから私はいやだって言ったのに」

そうは言うもののあんなにはっきりと名乗っておいて今さらである。
マドカがぶつぶつと文句を言っている間にもブーイングはいっそうエスカレートしていた。
周りで小躍りしているフーマン達のさまはまるで小学生のいじめっ子のようである。
しかしその小躍りはそう長くは続かなかった。
バリバリバリバリッというガトリング砲の咆哮がブーイングをかき消していく。
次々と銃弾を食らって倒れていくフーマン達。
突然のことにあっけに取られていると漫才フロストを残してあっさりと
フーマン達が全滅した。

「それ以上ツッコむと酷い目に遭いますよ」

まだ白煙が立ち上るガトリング砲を怪人に向けながら静かに警告する。
マドカの頬が僅かながら朱に染まっていた。

「ガトリング砲で撃つんは酷うないんか?」

あまりのことにぽかんと口を開けながら弱々しく質問する
照れ隠しに撃たれたフーマンも最後の力を振り絞って“そうだ!そうだ!”と
目で抗議する。涙にぬれた瞳が痛々しい。

「中の下くらい」

はにかんだ仕草を見せるマドカ。その仕草一つで何人も下僕が出来そうな可愛いさだ。
もっとも構えられたガトリング砲が怖くなければの話だが・・・
銃口に脅えながらも相手の弱みにはツッコまずにはいられない芸人の魂が
漫才フロストの口を動かす。

「しかし芸人にツッコむなっちゅうんは無理な注文やで。本能なんやから。
まあ登場もやる事も無茶やから、今さら無茶いうても驚かへんけどな。
ついでに言わしてもらうと、お前月○仮面言うけど仮面なんか着けとらんやないか。
実は○光仮面だけに“けっこう”アバウトなんやないか?はっはっはっは・・・・」

笑いはそこで止まっていた。マドカの全武装が漫才フロストに向けられたからである。
目が笑っていなかった本気で撃つ気だろう。白銀の装甲が怪しくキランと光る。
額に汗が浮かんでいるのが分かる。その一滴がつつーーっと重力の力で流れ落ちた。

「ごっついツッコミやなぁ、それはどの位酷いんや?」

漫才フロストは、今さらやめときゃ良かったと後悔しながらそれでも最後に聞いてみた。

「特上」

冷たい声と共にマドカの全ての武装が火を噴いた。
大量の銃弾とミサイルが漫才フラストに襲い掛かる。

「ぎゃあああああああああああああああああああ!!」

銃の咆哮とミサイルの炸裂音、それと断末魔の悲鳴が入り混じった大音響が
お昼時の街に響き渡った。
カタカタとガトリング砲が全ての弾丸を撃ち尽くして止まる頃、
あわれな漫才フロストは肉片一つ残さず消え去っていた。
爆発の煙が収まるのを待って怪人の消滅を確認するとマドカは基地に通信を開く。

「任務完了、これより帰還します」

いつもの淡々とした口調でそう言うと自称月○仮面は街中に大きなクレーターを
残して去っていった。
基地のモニターを見つめながら予想以上の結果に高円寺博士は満足げな笑みを
浮かべていた。

「次はレ○ンボーマンかな」

大真面目で呟く博士だった。

つづくかな


ケーン・ワカバマークです
BBSの書き直しが多くてすみません。2話はちゃんと書きますので許してください。
でもってこの話はマドカエンドの後という設定になっています。
ですからミストレーヌもななかも仲間にいません。
どうして?と問われれば“だってマドカ萌えなんだもーん!”と答えるしかありません。
こんな不純な動機の作品ですが、読んでみてください。
尚、文章が変だったり、誤字脱字があったりすると思いますがご容赦ください。

以上