| 前へ | 次へ |
「うわわわわっ!」
恭平は、飛び起きた。
冷や汗が、脇の下をじっとりと濡らしていた。
「おはようございます」
マドカが、恭平をのぞき込んだ。
「ヴァーチャルマシンの具合は、どうでしょうか?」
「ヴァーチャルマシン?」
恭平は、全てを思い出した。
沙由香のエネルギーを充填するため、ヴァーチャルマシンを使った事を。
しかし、なぜ?
「オレがセットしたのは……もっと違う奴だったけどなあ」
不服そうな恭平に、マドカが説明する。
「さきほど、ななかさんが、なにやらいじっておられましたが……」マドカが、設定をチェックする。
「ああ、やっぱりそうですね。
童話をベースに、アレンジしてます。
体験者の深層の願望については、沙由香さんの希望を最優先にしてるようです」「…………ななかのやつぅぅぅぅぅ!!!!」
恭平は、高円寺家の地下を飛び出した。
すぐに、地上でののしる声がした。
「ななかぁっ!
今日という今日はっ……」
「へへん。
なによ、お姉さまに変なことしようとしたから、ばちがあたったのよ」
「なにぃっ、あんな無茶苦茶な設定しやがって。
グリムさんとオレに謝れぃっ!」
「誰が謝るモンですかっ!」
「この野郎っ!」
「野郎じゃないっ!」
「だったらこのクソアマっ、ぎたぎたに犯ってやるっ!」
「できるもんなら、やってみなさいよっ!」
「必殺、バストクローっ!!!!」
「ぎゃああああああああっ、
ばかっ、変態っ、ホントにすんなあっ!!」
「わはははは、油断した方が悪い」
「やったアンタが悪いに決まってるでしょ!
あったま来た!
ななかスープレックス!」
「ぐわあああああああああああ」
マドカはため息をつくと、ヴァーチャルマシンのカプセルをのぞき込んだ。
沙由香は、まだ眠っていた。
その顔は、幸せそうに微笑んでいた。
「……もう少し、そっとしておきましょうか……」
マドカは、そっと、部屋から出ていった。
−完−
| 前へ | 次へ |