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エスカ王子の結婚式は、国を挙げて祝われた。
豪華な馬車が、何台も列をなし、市内をめぐる。
華やかなパレードの中心で、沙由香は笑顔で手を振っていた。
笑顔が沙由香を輝かせ、国民は熱狂的に旗を振った。
沙由香が、伴侶を振り返る。
「みんな、あたし達を祝福してくれてるよ」
「…………」
沙由香の背後には、豪華な十字架が立てられていた。
十字架に四肢を拘束されたシンデレラは、黙ってうなだれていた。
沙由香は不服そうな顔をした。
「もう……
どうしたの、恭ちゃん。
もっと、嬉しそうな顔してよ」
「できるわけ、ねぇってんだ………」いきなり、シンデレラの目が裏返り、口から泡がもれた。
スタンガンをおし当てられたかのように、全身が痙攣する。
「あががががががが」
マドカが平然と、機械のダイアルを、0に戻した。
シンデレラの悲鳴が、おさまった。
ぐったりとしたシンデレラに、マドカはささやいた。
「うれしいなあ」
「…………」
無言のシンデレラに、ダイアルをちらつかせながら、マドカは繰り返した。
「うれしいなあ」
「う……うれしいなあっ」
涙を浮かべながら、シンデレラはやけくそのように叫んだ。
「あたしも!」
沙由香が、シンデレラに抱きついた。
嬉しげに、今後の予定を語る。
「結婚式が終わったら……
新婚旅行だからね」
「…………」
「なんと、世界一周だよ!
ふたりっきりで、半年の日程なの!」「は……半年も?」
虚ろな目をさまよわせるシンデレラに、マドカがささやいた。
「ええっ、信じられないっ」
「……ええっ、信じられないっ」
「でしょお?」
沙由香はシンデレラにキスをした。
「今夜は、国で一番のホテルに泊まるの。
当然、ロイヤルスイートなの。
海のそばなの。
きゃあ〜〜〜っ」
頬を染めて抱きついた。
マドカがささやく。
「ああ、楽しみだなあ」
「……ああ、楽しみだなあっ!!」
「いや〜〜〜っ、
恭ちゃんの、エッチ」
「はっはっは」
「は………はっはっは」
シンデレラの頬を、だらだらと涙が流れていた。
それを見て、沙由香が感激してキスの雨を降らした。
「嬉しい……嬉しい!」
教会の鐘が鳴り響く。
巨大なチャペルへと続く道を、若い二人は進んでいった。
「恭ちゃん、
幸せになりましょうね」
「ああ、そうだね」
「あ……ああ、そう………だね……」
そして、シンデレラは、末永く幸せに暮らしたそうです。
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