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華麗な曲がメドレー形式で続いている。全ての宮廷人が見守る中、王子とシンデレラは、一対の花のように舞った。
シンデレラは、夢見心地で、王子の腕の中で笑った。「まるで……夢みたい……」
「僕もですよ」柱をよけて、ステップを踏む。
シンデレラは、すこしふらついた。「大丈夫ですか?」
「だ……だいじょうぶです」義姉達の折檻と、沙由香との激しい行為が、シンデレラの下半身をふらつかせていた。
びっしょりと額に汗を浮かべながら、シンデレラは、根性で踊り続けた。今倒れたら、地獄の家に逆戻りだった。
沙由香との、拷問に近い……いや、拷問そのものの行為も、無駄になってしまうのだ。
『ここが正念場……っ
あと1時間、
いや30分でいいっ。このボンボンをたぶらかす間だけ、
保ってくれ、オレの体っ!』シンデレラは自分を励ましながら、足を進めた。
「おっと」
王子が、巧みにリードする。
そのリードにのろうとしたシンデレラの腰が、破滅の音色を奏でた。
びき・びき・びき・びきぃっ!
「っつあっ!」
真っ白な顔でぶるぶると震えるシンデレラを、王子は怪訝そうに見つめた。
「……お加減が、悪いのでは?」
シンデレラは、無理矢理微笑んだ。
「な……なんでも、ありませんわ……」
「しかし顔の色が……」
『しつこいっ、このぼんぼんっ!』
シンデレラは舌打ちした。
『やむをえん!
いちか、ばちか!
この大技で押し切るっ!』シンデレラは、王子の首を抱き寄せると、その唇を奪った。
むっちゅううううううううぅぅぅぅぅぅっ!!!
周囲から、黄色い歓声が上がった。
「いや〜〜〜〜〜っ!」
「きゃ〜〜〜〜〜っ、大胆っ」
ざわめく中、王子もシンデレラを抱きしめる。
衆人環視のなかで、若い二人は情熱的なベーゼを交わした。
『やった!
既成事実の成立っ!
オレの人生、勝ったも同然だあっ!』
シンデレラは、心の中でVサインを出した。
『さらば、鬼ばばあ。
さらば、地獄の義姉たちよ
オレは、幸せになってやるっ!』
勝利に酔いしれる耳に、敗者達の声が快かった。
「あああああ、ショック〜〜〜〜!」
「あんな、馬の骨にかっさらわれるなんてぇっ!」
「ああ……あたしのエスカ王子様……」
「……は?」
シンデレラは、ふと息を止めた。
『エスカ王子?』なんだか不吉な予感がする。
閉じていた目を、おそるおそる開ける。
唇を離すと、震える手で、王子の仮面に手を伸ばす。
仮面が、はずれた。
「ばあっ!」
仮面の下から、沙由香の輝くような笑顔が現れた。
紅い髪が、ほどけて流れ落ちる。
沙由香は、そのままシンデレラの首に飛びついた。
笑顔で、ささやく。
「恭ちゃん、おめでとう。
夢が、叶ったね」
先ほどの臨死体験の相手が、再び抱きついていた。
胸で窒息しそうなほどの巨乳がつぶれる。
「ね……結婚して、
この国を守っていきましょうね。
魔法の力で」
「ま……魔法のちから?」
「そう。
この国で、一番、相性がぴったりなの。
あたし達。
運命なの。
あたし達の愛が、この国を守るの」
沙由香は嬉しげにシンデレラの頭を抱きしめた。
「あ……あい……って?」
沙由香との行為が、脳内にフラッシュバックする。
腰が、がくがくと震えた。
蒼白になった。
「うわっ……うわわわわわわわわあっ!!!!」
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