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最終章

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 悲鳴が聞こえた。
 
「…………」

 寝室で寝ていた遼子は、むくりと起きあがると、目の下にクマをつくった顔に、怒りをみなぎらせた。
 
 柳瀬家から、嬌声が続いている。
 
 遼子は枕を掴むと、思いっきり壁に投げつけた。

 
「あ・の・エロガキどもめぇーーーーーーーーーっ!!!」

 はぁはぁと、肩を上下させる。

「毎日毎日、朝から晩まで、
 こっちは独身だってのにもう、
 猿じゃないってのよぉ」

 首をめぐらせて、柳瀬家の気配をうかがった。
 嬌声がやむ気配は、なかった。
 
 遼子は、ため息をついた。

「沙由香ちゃん、おとなしそうな娘なのに……
 やっぱり、男ができると、女は変わっちゃうのかな?」
 
 また、嬌声が聞こえた。

 
 むかむかしながら、遼子は布団をひっかぶった。

 
「もう寝るっ!」


 夏の夜は、始まったばかりだった。
 
 
 −完−


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