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ななかの出現から、最初に立ち直ったのは、長兄のイプシロンだった。
「へっ、小娘を助けに来たのが小娘たぁ、笑わせるぜ」「小娘と侮ると、痛い目を見るわよ、おじさん」
「へっ、そこのそいつも、そう言ったぜ。
お前も、そうなる運命さ
お前の味も、調べてやるぜ」
イプシロンの挑発に、ななかはふっ、と笑った。
「悪いけど、あたしはお姉さまほど優しくないわ」「減らず口をっ!」
怒声と共に、3方からロープが飛んだ。
見事にななかの四肢を拘束する。
間髪入れず、叫んだ。
「「「エレクトリック・シューッ」」」電撃が、ななかを襲った。
しかし、ななかは、平然と立っていた。
「なにぃっ?!」3人が驚愕する。
「貴様、電撃が効かないのか?」
「馬鹿じゃない?」ななかは冷たく答えた。
「あれだけ手の内みせといて、まだ通じると思う方がどうかしてるわ」
イデアの空間の特性により、この空間は、ある程度ななかの思うとおりになる。
今、ななかの戦闘服は、耐電性の物質に変化していたのだ。
「イデアの壁を操るとは……
お……お前、ダイラストの裏切り者だなっ!」「ふん!」
ななかは答えず、四肢のロープを断ち切った。
そのまま3人に向かって突進する。
「うおおおおおおおおおぉぉぉぉっ!!!」「馬鹿め、3対1で、勝てるとでも……」
その時、天から正確無比な射撃が降ってきた。
派手な破壊音と共に、ラムダの全身が蜂の巣になる。
「ら、ラムダ……」必死に銃弾をおしだし、回復しようと焦るラムダを、ななかの冷たい目が刺した。
一瞬で近づく。
「さよなら」身動きとれないラムダを、股間から頭頂まで、ななかの爪が一気に切り裂いた。
「ディーペスト・スカー!!」
フラスト怪人には再生不可能な傷をつけられ、ラムダは絶命した。
「ら、ラムダ兄貴ぃ!!」駆け寄ったパイに、上空からホーミングミサイルがたたき込まれる。
「ぎゃあああああっ」パイは吹っ飛んで、動かなくなった。
爆風が収まると、ななかは緑の目でイプシロンを見据えた。
「さて……」
イプシロンの背後に、フル装備のマドカが舞い降りる。
「残るは、あんただけよ」
じり、と近づく。
イプシロンが、にやりと笑った。
「おいおい、俺を甘く見てねえか?」笑顔が、凶悪なものになる。
危険を感じて、マドカが、機関銃を発射した。
無数の銃弾が、イプシロンに向かっていく。
しかし、突然現れた、無数の赤い壁によって、全ての弾が受け止められる。
「イデアの壁ってのは、奥が深いんだよぉっ」叫んで、イプシロンは消えた。
「ええっ?
なにっ?」
驚くななかの背後で、イプシロンが実体化した。
振り向きながらたたき込まれた、ななかのエルボーを受け止めると、関節の逆を極める。
そのまま、地面に押さえつける。
「味方同士で戦った経験は、あまりねぇようだな
裏技に、面白いように引っかかる」
「く……くっそぉっ」勝ち誇るイプシロンに向け、マドカがマシンガンを向ける。
「おおっと」
素早く抜いたイプシロンの拳銃が、マドカの肩関節を破壊した。
重い音を立てて、マシンガンが転がる。
ななかとマドカの戦闘力を奪ったイプシロンは、下卑た笑いを浮かべた。
「へっへっへ。
ざまぁねぇなぁ」
言うと、ななかの戦闘服を一気に破る。
形の良い乳房が、さらけ出される。
ななかが悲鳴をあげた。
「いやあっ!」
乳房をこねながら、イプシロンはにやにやと笑った。
「悔しいか?
だがこっちも、弟妹の仇だ。
味を見てから、あの世へ送ってやるぜぇ」
「…………かしら?」「なんだと?」
「あんたに……できる……かしら?」
「なにおぅ?」
怒声と共に、イプシロンはななかの乳房を握りしめた。
苦痛をこらえて、ななかは口をひらく。
「あんたは……もう……負けているのよ」
「なんだと?」
「周りを……見て……わからない?」
「なにぃっ!」慌てて周りを見回したイプシロンは、周囲の空間が、キラキラと煌めきはじめたのに気づいた。
生存本能が、イプシロンを突き動かした。
『や、やべぇっ』イプシロンの体が、再び消えた。
その時、凛とした声が、空間に響いた。
「ビート・エンド・エスカレーション!!!」無差別に異空間を発生させ、攻撃を加えるエスカレイヤーの最終必殺技が炸裂した。
『ぎゃああああああああああああああああっ』
どことも知れぬ異空間から、イプシロンの断末魔の悲鳴が聞こえてきた。
「おわった……」
つぶやくと、ななかは身を起こした。
剥き出しの乳房を手で隠す。
「お姉さま……」その視線の先には、ぼろぼろの戦闘服を着たエスカレイヤーが、パルシオンを握りしめて気絶していた。
その体を、背後から恭平が支えている。
沙由香の安心しきった表情に、ななかは胸のおくが、ちくりと痛んだ。
「…………泣いているのですか?」マドカが聞いたとき、ななかははじめて、自分が涙を流していたことに気づいた。
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