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第十章

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 「わたしが……このレイミアフラストが……
  エスカレイヤーを倒したのだ!!!」

 レイミアは高笑いを放った。
 

 悪が勝利し、
 正義の敗北が決定され、
 神すら顔を背けたであろう、その時。

 
 小さな奇跡が起こっていた。


 高笑いを続けるレイミアの声が、不意に途絶えた。
 震えるように、膝をつく。
 
 「……あっ」

 切なげなため息と共に、レイミアは胸を押さえて前のめりになった。
 豊かな乳房がまろびでる。
 その先端が、意識のない恭平の口に含まれていた。
 
 「ああっ……」

 形のよい眉を八の字にひそめ、レイミアは切なげに恭平の頭をかき抱いた。
 虚ろな目をした恭平は、まるで指が勝手に動いているかのように、女体の感じるポイントを次々と発掘していった。
 
 人間の体は神秘に包まれている。
 例えば、気絶した筈のボクサーが、そのまま無意識に戦い続け、見事に対戦相手をKOしたという実話がある。
 厳しいトレーナーの元で、何千回と繰り返した技は、ボクサーの体に刻まれて残る。
 その機能は、危機に際して自動的に発動する。
 訓練次第で、人間の体は、自動機械と化すことができるのだ。
 その瞬間、人の身に、神が宿る。

 
 ああ。
 なんということだろうか。

 
 気絶した筈の恭平の手は、そのまま無意識に熟れた女体をはい回っていた。
 マドカの厳しい監視の元で、何千回と沙由香をイカせた技が、体に刻まれて残っていたのだ。
 その機能が、身近に女体を検知した時、自動的に発動したのだった。
 自動機械と化した恭平の身に、神が宿っていた。
 
 快楽に貪欲になった沙由香の躰さえも、日に2回、瞬く間に絶頂に導く凄まじい技が、うぶなレイミアを相手に炸裂した。

 「あっ……あああああああっ……あああああああああああああっ……」 
 
 誕生したばかりで経験のすくないレイミアフラストにとって、恭平の指は信じられないほどの快感を呼び覚ます麻薬だった。
 
 「あっっ……こっち……」
 
 レイミアは積極的に、恭平の指を導いた。
 欲望の化身たるフラストの本能のままに。
 
 「あっ……そんなっ……そこっ」

 恭平の指が乳房をほぐし、谷間の湿地を求めてはい回った。
 
 「あぁっ……ぁぁぁぁっ……」
 
 口から涎を垂らしたレイミアは、固いものが自分の入り口をなでたのを感じた。
 神の宿った恭平の躰は、正しくレイミアの急所を貫いた。
 快感が、レイミアの脳天を直撃した。

 「ああああっ!!」

 ピン、と背筋を伸ばして達したレイミアは、風の鳴る音を聞いた。


 
 「ディーペスト・スカー!!!」

 ぶしゅうっ!!!
 
 レイミアの首が宙に飛んだ。
 首を失っても、レイミアの体は快感にしばらく痙攣し、やがて
 
 どう
 
 と恭平の上に倒れた。
 
 
 
 「ななか、びくとりぃ!!」
 
 レイミアの死と、恭平の無事を確認すると、手甲をはめた少女は、紅い髪の少女の方へ振り向いた。
 
 「終わりました、お姉さま。
  これからどうします?」

 紅い髪の少女は、答えなかった。
 青い目が、未だに女体をまさぐる恭平を射抜いていた。
 首のない女体の背中を優しく撫で、脚を絡めて腰を押しつける。
 
 「……恭ちゃん……っ!」
 
 引き結んだ唇が、わなわなと震えていた。
 稲光が閃いて、沙由香の顔を照らし出した。

 「ひぃぃぃぃぃぃっ!!!」 

 沙由香の形相に、ななかは腰をぬかした。

 「……莫迦っ」

 つぶやく沙由香を残し、ななかは、はいずって逃げ出した。
 ダイラストの戦闘員を全滅させた少女が、恐怖に震えていた。

 「ぎゃああああああああっ」

 恭平の悲鳴が聞こえてきた。
 沙由香がまだ変身したままなのに、ななかが気づいたのは、その時だった。


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