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『うるさいわねっ!!』脳内で絶叫すると、沙由香は立ち上がった。
「恭ちゃ……」不意に沙由香はめまいを起こしてふらついた。
頭を振って、意識をはっきりさせようとするが、うまくいかない。
壁に寄りかかった沙由香の頭に、マドカからの通信が入った。
『沙由香さん、息を止めてください!』
『なに?』
『睡眠ガスです!』慌てて沙由香は息を止めた。
バイオボディの強靱な代謝機能が、ガスの影響を排除していく。
あたりを見回すと、眠らされた女性があちこちに倒れていた。人数が足りないことに、沙由香はすぐに気づいた。
「……恭ちゃんは?」
恭平と、黒ビキニの女が消えていた。
『隣の部屋に、恭平さんの反応があります』マドカの情報に従って、沙由香は隣のドアを細く開けた。
中を覗き込む。
沙由香の目が、険悪なものになった。
その部屋では、恭平と黒のビキニの女が抱き合い、口づけをかわしていた。思わず入ろうとした沙由香を、背後の手が止めた。
『入ってはいけません』
『……マドカ』いつの間にか控え室に来たマドカは、恭平と女を見るよう促した。
納得しがたい様子で、しかし沙由香は二人を覗き込んだ。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
黒ビキニの女は、恭平から顔を離すと、つぶやくように言った。
「あなたは、7番の美奈子に満点をつける」虚ろな目の恭平が、同じ言葉を繰り返す。
「オレは、7番の美奈子に満点をつける」女は笑うと、更につぶやいた。
「あなたは、他の審査員をここへつれてくる」
「オレは、他の審査員をここへつれてくる」「一人ずつ」
「一人ずつ」女はニヤリと笑った。
「いい子ね……はい、ご褒美」
女がロケット型の乳房をはだけた。
その先の尖った部分に、恭平はむしゃぶりついた。
いつの間にか、女の下半身は無数のうねる蛇と化し、恭平の体を巻いてのたくった。
沙由香が無線でつぶやいた。
『もしかして……ダイラスト?』マドカがやはり無線で囁く。
『間違いないですね。
アイドルになって、ダイラストに都合のよい活動をさせるつもりなのでしょう』『そんな』
『偶然とはいえ、たくらみを発見できたのは好都合でした
沙由香さん、倒しましょう。
変身です』『うん!』
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ばきぃっ!!!
控え室の扉が吹き飛んだ。
「そこまでです!」部屋に入ったエスカレイヤーは絶句した。
下半身が無数の蛇という、異形の女怪人は、騎乗位で恭平にまたがろうとしていた。
うねくる蛇に包まれて、恭平が快感に恍惚となっている。
エスカレイヤーは、いつもの口上を忘れ、わめいた。
「な、な、な……なにをしてるんですか!」あわてたのは怪人も同様だった。
「お前は、エスカレイヤー?!
くそっ、このレイミアフラストの計画を邪魔しにきたのだな?」
「そ、そうでした……とにかくその人から離れなさい!」「なに? そうか……ふふん」
レイミアフラストは蛇で恭平の体を縛めたまま、抱き上げた。
恭平の頭を、豊満な乳房の間に抱える。
「どうだ、一般人を巻き添えにできるか?」
「くっ、卑怯なっ」エスカレイヤーの動きが止まった。
レイミアが笑みを浮かべた。
「そう、この人間を殺したくなかったら、動くんじゃないよ……」そう言うと、いきなりレイミアは身を翻した。
恭平を抱え、下半身の蛇をうねくらせて、驚くほどのスピードで外へ逃げた。
そのまま海へ飛び込む。
「あっ……待ちなさい!」エスカレイヤーは、レイミアフラストの後を追って、海へ飛び込んだ。
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