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『ちょっとマドカ、いったいどういうこと?』沙由香のクレームに、マドカは即答できなかった。
ここは水着コンテスト控え室。
沙由香は、審査員席のマドカと体内無線で連絡をとっていた。
その目の前で、他の出場者達と恭平が談笑している。
『……恭平さんは、何をしてるんですか?』
『知らないっ』
恭平が控え室に現れたのは、ワンピース審査が終わり、ビキニ審査が始まるまでの休み時間だった。
このコンテストは、伝統的にワンピース、ビキニ、フリースタイルの3種目を競う。
控え室は、露出度の高いビキニの女性があふれていた。クーラーは効いていたが、女性の体臭でむせ返るようだった。
その中心に恭平がいた。
普通なら、審査員が入れるところではなかった。
しかし、マドカの工作のせいか、なぜか恭平は見とがめられることもなく侵入できた。 そして、沙由香の目の前で女性達と談笑を始めたのだった。
アイドル志望の出場者は、思いがけなく現れたこのチャンスに飛びついた。
「ねえ、今、誰がトップなの……」
「それを言うわけには、いかないね……」
「ああん、いじわるぅ」審査員を籠絡しようと、アイドル予備軍の女性は、集団で恭平を取り囲んだ。
嬌声をあげながら、恭平の体に触れてくる。
恭平は周囲を見回した。
色とりどりの布につつまれたふくらみが、前後左右で揺れている。
乳、乳、乳、乳、ちち……
恭平は、火であぶったチーズのように、でろりと溶けていた。「いやあ、甲乙つけがたいねえ」
「そんな事言って、もう誰にするか、決めてるんでしょう?」赤のビキニが、恭平の肩にしなだれかかった。
恭平の肩の上で、球体が変形する感触。
『おおお〜〜』
鼻の穴をふくらました恭平を見て、沙由香の歯が、きりきりと鳴った。
恭平は気づかないかのように、女性との会話を楽しんだ。「ね、例えば、アタシなんてどう?」
「オレは、いち審査員に過ぎないからね……」
「謙遜しちゃって、このぉ……」背後から、ピンクの布に包まれたふくらみが、恭平の後頭部におし当てられる。
沙由香の手が、持っていたコーラの缶を握りつぶした。
しゅわしゅわと、炭酸が沙由香の手を濡らした。「あら、いち審査員さんは、どんな女の子が好みなの?」
「そうだな、胸の形が……」
「こんなのはどう?」女性の一人が、いきなり恭平の手を掴んだ。
そのまま、黒のビキニに包まれたふくらみにおし当てる。「ちょっ!」
沙由香が立ち上がろうとするのを、マドカの声が止める。
『沙由香さん、やめてください』
『でも……』
『沙由香さんと恭平さんが、知り合いと気づかれてはマズイです』動きを止めた沙由香の様子に、事情を察したのか、恭平がにんまりと笑った。
沙由香にむかって舌を突きだす。
「…………っ!!!」沙由香の頬が紅潮した。
文字通り、切歯扼腕する沙由香の前で、調子に乗った恭平は、手をにぎにぎさせた。
黒い布につつまれた白い球体が、指の形に変形し、戻る。
「あんっ!」尖った乳首をなでながら、恭平は感想を言った。
「なかなか、張りのある、いいおっぱいだ。
そういえばこのおっぱいを、みんな誉めていたよ。
もうちょっと前屈みになってくれないかなってね。」
恭平は適当な事を言いながら、更に大胆に揉みしだいた。
「あぁ、やっぱりおっぱいは女性の優しさの象徴だね。
どこかの意地悪な根暗女の、たれる寸前のとは大違いだ」
びびびびびびびびび。
沙由香の椅子のあたりで、合成皮革を引きむしるような音がした。
沙由香の頭の中で、マドカの声が響く。
『沙由香さん、気持ちはわかりますがもう少し抑え……』
『わかってる!』マドカを一喝すると、沙由香は目を血走らせて恭平を睨んだ。
その視線の先で恭平は、沙由香とは異なる乳房の感触を、じっくりねっとり楽しんでいた。
いつまでも手を離そうとしない。
『恭ちゃん!』レーザーのような沙由香の視線が飛ぶ。
しかしバイオボディの目に、レーザーは装備されていなかった。
恨みがましい目が、恭平を見つめる。
恭平は、気づかないふりをした。恭平の別の手を、黒ビキニの女性がヒップに導いた。
「ここは……どう?」
「いいねぇ」恭平は大胆になでながら言った。
それだけではなく、水着と肌の境目につつっと指先を這わしてみる。
「あっ……えっちぃ」
「だっはっは」
「……えっちな悪い人は、おしおきよっ」手の甲を軽くつねられて、恭平は上機嫌に笑った。
懲りずに再び尻を撫でまくる。「お姉さん、いいお尻してるね。
きゅっと締まって、形もいい。
上位に入るのは間違いないよ。
どこかの暴力的な妄想女の、でかくて不格好なのとは大違いだ」
きぃぃぃぃぃぃぃぃ。
沙由香の椅子のあたりで、まるで合成皮革の下の板を、むりやり爪で引っ掻いたような音が響いた。『沙由……』
『うるさいわねっ!!』脳内でマドカに絶叫すると、沙由香は立ち上がった。
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