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第三章

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 「最低ですね。恭平さん」
 
 恭平の頬に薬を塗りながら、マドカが無表情に言った。
 
 「ななかさんにまで手を出すとは……
  恭平さんのスケベっぷりについて、認識を改める必要がありますね」

 「オレはっ……」
 
 恭平が反論する。
 
 「……オレは……何にも覚えていない……」
 「統計によると、有罪となった男性のほぼ9割が、そう証言するそうです」
 「有罪って、あのな」
 
 恭平は立ち上がってななかをびしっと指さした。
 
 「だいたいこいつが、なんでオレのベッドに入っていたんだ」
 「ですから無理矢理」
 「こいつが人間の力でどうこうできるタマか!」
 「それもそうですね。
  まさか……」
 
 マドカが恭平とななかを交互に見つめる。
 
 「……合意の上でしょうか?」
 
 「「違うわあっ!!」」
 
 恭平とななかの声が、見事にハモった。
 マドカはそれを無視して、突然立ち上がった。
 
 「……私は用事を思い出しました。失礼します」
 
 恭平とななかは、パタパタと階段を下りる音を呆然と聞いていた。
 
 「……どーすんのよ」
 「何が?」
 「お姉さまに、誤解されちゃったじゃない」
 「オレが悪いのか?!」
 「あったりまえじゃない!」
 
 ななかは声を張り上げた。
 
 「いやよいやよと言う私をベッドに押し倒し、無理矢理抱きしめてキスしたのは誰?」
 「…………」
 
 「調子にのって舌までいれちゃって」
 「…………」
 
 「どさくさに紛れて変なもの押しつけてさ」
 「…………」 
 
 「最低に卑劣な強姦魔が、哀れな愛らしい美少女のおっぱいを揉みしだいて、
  汚らわしい手で女の子の大事なところをさんざんもてあそんだあげく、
  かわいい乳首にいやらしい唇をぶっちゅぅぅっと……」
 「まてまてまてぃ!!」
 
 恭平はななかの話をさえぎった。
 
 「ホントか? お前、話を作ってないか?」
 「うっ……つ、作ってないわよ……」

 「なんだよ今の『うっ』は?」
 「ホントよぉっ! マドカだって信じたモン」

 「なにぃぃぃぃ?!」
 
 恭平の顔が、先ほどの沙由香よりも白くなった。
 
 「……マドカに……言ったのか? それを?」
 「うん。
  あんたが寝てる間に。
  ぜぇんぶ」
  
 どうだ! とばかりに、ななかはVサインを出した。
 恭平は頭を抱えて倒れ込んだ。
  
 「Noぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
 
 恭平の脳裏をマドカのセリフがプレイバックした。
 
 『最低ですね。恭平さん』


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