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第一章

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 「いくわよ、ななかちゃん!」
 「わかったわ、お姉さま!」
 
 一瞬、青と緑の瞳が見つめ合う。
 
 それで充分だった。
 
 「「とおっ!!」」
 
 見事にハモったかけ声とともに、紅と紫の影が宙に跳ぶ。
 空中で一回転し、形の良い脚をすらりと伸ばした。
 
 「な、なにいぃぃぃ!!」
 
 同時に迫る攻撃に、フラストは対処できなかった。
 棒立ちになった怪人に、二人が攻撃をたたき込む!
 
 「「ダブル・エスカレイヤー・キィィィィィック!!!」」
 
 「ぐわああああああっ! ダイラストばんざーい!!!!」
 
 吹っ飛ぶフラスト。
 怪人は、バラバラになって爆発四散した。
 
 「ショーーーーテーーーーーーーン!!!!」
 
 爆風に髪をなびかせ、二人のヒロインはゆっくりと立ち上がった。
 
 「やったわ、お姉さま!」
 
 エスカレイヤー2号ことななかは、エスカレイヤーの腕に抱きついた。
 エスカレイヤーこと、沙由香が微笑む。
 
 「ななかちゃんが、私に合わせてくれたからよ」
 「そんな……」
 
 沙由香の笑顔に、はにかむななか。
 
 「お姉さまの目を見れば、ななかは、お姉さまの考えている事がわかるんです」
 「そうなの?」
 
 沙由香は悪戯を考えついたように、ななかの顔を覗き込んだ。
 
 「じゃあ……わたしが今、何を考えているか……わかる?」
 「えっ?」
 
 沙由香の瞳をみた瞬間、ななかは硬直した。
 
 「……いや……そんな……お姉さま……」
 
 沙由香の瞳に浮かんだ桃色の光が、ななかの肢体を拘束した。
 
 「……何がいやなの?」
 
 含み笑いをしながら、沙由香の瞳は、ななかから離れない。
 ななかは1歩、後ずさった。
 沙由香が、素早くその距離を詰める。
 
 「だって……ここは……」
 「誰もいないわ」
 
 壁に追いつめられ、震えるななかの肩を、沙由香が両手でつかんだ。
 
 「さあ……わたしは何を……考えているのかしら?」
 
 沙由香はななかの顎を、くいと持ち上げて覗き込んだ。
 甘い吐息が、ななかの意志を溶かしてゆく。
 
 「お姉さまは……お姉さまは……」
 
 無意識のうちに、ななかは沙由香の首に手を巻き付けていた。
 
 「私は……なに?」
 
 獲物を追いつめた牝猫の笑みが近づいてくる。
 戦闘服の合わせ目から、するりと手が忍び込んできた。
 
 「ああ……」
 
 ななかは目を閉じ、唇を上に向けた。
 
 「はい、よくできました……」
 
 含み笑いと共に、唇に柔らかいものがおし当てられ、暖かいものが侵入してくる。
 ななかは自分から唇をねじ込むようにして、それに舌をからめた。
 
 「ああ……お姉さま……」 

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