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1 ここにひとつの大陸がある。ここには人間、動物のほかに、デアボリカなるものが生きている。また一部のデアボリカにより造られた凶なる生き物も生息している。 その大陸の端に1人の男がたたずんでいた。 男はボロ布のような衣服を着ており、背中には大きな斬馬刀を背負っている。 「…また大陸の端まで来ちゃった」 誰ともなしに男―アズライトが呟くと、一陣の風がアズライトの肩まで伸びた髪を揺らして通りすぎた。 「これで3度目の大陸の端…」 アズライトは掛けていた眼鏡をはずすと、空を見上げた。そこには何もいないが、アズライトはそこに向かって微笑んでいる。 「…君は、どこにいるの?」 アズライトは、アズライトの目にだけ微笑んで見える最愛の人に向かって問いかける。しかし、その人は微笑むだけで、返事は返ってこない。そこに見えるものは、アズライトの記憶の目で見ているものであるため、返事が返ってこないのは当然のことであり、アズライトにもそのことは分かっている。 「僕は、君がどこにいても、必ず君を探し出すよ…」 アズライトは決意するように呟くと、手に持っていた眼鏡を掛けなおし、その場を後にした。 2 アズライトは大陸の端を発ってから、ごつごつとした岩が転がる道を、近くの街に向かって数時間歩きつづけていた。 (そろそろ次の街に着くかな?) そのようなことを考えながら歩いていると、目の前に何かが地響きを起こしながら降り立った。 「なっ!?」 アズライトの目の前に降り立ったそれは、全体的にウサギのような姿をしている。しかしそれは明らかにウサギではなかった。まず、なににおいても大きい。伏せているにもかかわらず、2メートルはある。また、その大きな体の表面には爬虫類を思わせる鱗が生え、さらには、本来では小さな前足がある場所には、螳螂のような鎌がついている。 「しゅぅぅぅ」 そしてアズライトを威嚇するその顔は、ウサギの頭部そのものであるが、口元だけが猛獣のものであった。その口元からは、溢れ出すよだれとともに鋭い牙が覗いている。 「まっ、凶!」 アズライトは突然現れた凶に驚きながらも、即座に斬馬刀をかまえる。 「しゃぁぁぁ」 ウサギの形をした凶は、咆哮とともにアズライトめがけて鎌を振り下ろす。 アズライトはその鎌を紙一重でかわし、凶との間合いをとった。 凶は突然目の前から消えた獲物に困惑しているのか、首をかしげてアズライトを見つめている。しかし、アズライトはその瞬間を見逃さない。一気に間合いを詰めると、 「はっ」 斬馬刀を凶の頭めがけて振り下ろした。確実に凶の頭を捕らえたかと思われた瞬間、凶は信じられない跳躍で後ろへと下がり、アズライトの一撃を避けていた。そして、着地と同時に先ほどの跳躍力を生み出した後ろ足を、今度は前進するために地面を蹴り、アズライトへと大きな顎を開ける。 「くっ」 アズライトは咄嗟に斬馬刀をかまえ、凶の鋭い牙に斬馬刀を噛ませる。かなりの衝撃が斬馬刀とアズライトの腕を襲うが、凶の攻撃は防ぐことができた。しかし、なんとか避けたと思われたその時、アズライトめがけて鎌が力強くなぎ払われた。 「しまった!」 顎に気をとられていたアズライトは、迫り来る鎌に気付くが、なす術もなく鎌はアズライトに直撃した。しかし鎌は切れ味は悪いのか、アズライトを切り裂くことなく吹き飛ばし、近くの大きな岩に叩きつける。 「くはっ」 たたきつけられた衝撃からアズライトの肺から空気が漏れた。アズライトはそのまま地面に膝をつくが、吹き飛ばされながらもしっかりと握り締めていた斬馬刀を杖代わりに、すぐに立ち上がる。 凶はゆっくりと近づくと、再び鎌を振り下ろした。いくらアズライトがデアボリカであるといえど、この一撃を食らうとしばらくは動けない。しかし、斬馬刀は杖代わりにしているため、それで防ぐこともできない。 アズライトは覚悟したその瞬間、何かがアズライトの横を通りすぎた。そしてそれは、今にもアズライトに直撃しようとしていた鎌を切り落とすと、空中で旋回し、元の飛んできた方向に戻っていった。 「きしゃぁぁぁ」 凶は切り落とされた傷口から、血を撒き散らしながら大きくのけぞった。 「いまですっ!」 アズライトは突然起こった出来事に呆然としていたが、その言葉により気がつくと、斬馬刀をかまえ直し、のけぞった凶の首めがけて斬馬刀を振り下ろした。 斬馬刀が首にあたる瞬間、そのことに気付いた凶と目が合うが、アズライトはためらいなく一気に切り落とした。 「ごめんね」 アズライトは、今自分が殺した凶に小さく呟くと、先ほど飛んできたものが戻っていった方向に目を向ける。そこには、手にブーメランを持ち、バンダナを耳まで覆った少年が立っていた。 「ありがとう、助かったよ」 アズライトが少年にゆっくり歩み寄ると、少年もにっこりと微笑みながらアズライトに近づいていった。 「いえいえ、礼にはおよびませんよ。あなたのためにやったことですから」 「それでも、お礼を言わせてもらうよ、ありがとう。…ところで君は?」 少年はアズライトに尋ねられると、真顔になり頭を覆っていたバンダナをはずした。外見が人間と非常に酷似している。しかし、バンダナの下からあらわれたのはとがった耳。そして、いままでは微笑んでいたためにはっきりとは見えなかった眼球は、今でははっきりと縦長の瞳孔が見えている。 「君はっ!」 「そうです、私はあなたと同じデアボリカです。同族殺しのアズライトさん」 「っ!」 アズライトは咄嗟に少年との距離をとり斬馬刀をかまえる。しかし、それに対して少年は慌てふためいた。 「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。私は他のデアボリカのように、あなたを狙っていません!」 「…本当に?」 アズライトは構えをとかずに少年に尋ねる。 「本当ですって。私はあなたと同じような異色なデアボリカなんです」 「…僕と同じような?」 「ええ」 (ということは、彼も僕と同じ考えってことかな) アズライトが少年の言葉に信じて構えをとくと、少年はアズライトの行動に胸をなでおろし、バンダナを再び頭に巻いた。 「ごめんね、そういう人に初めて会ったものだから」 「いえいえ、お気になさらずに。私も同じ立場だったら、あなたと同じことをすると思います」 少年は開いていたアズライトとの距離を、再び微笑みながら詰めていった。アズライトもその場から動かず、少年が近づくのを待っている。 「そういえば、まだ名前を聞いてなかったね」 「ああ、そういえば。遅れましたが、私はバニカといいます」 少年―バニカはアズライトの前で立ち止まると、右手をアズライトの前に差し出した。アズライトは差し出された右手を握り返しながら、 「もう知っていると思うけど、僕はアズライト。よろしくバニカ」 「ええ、こちらこそ」 アズライトもバニカも互いに強く握り、手を離した。 「ところで、この辺に街はあるの?」 「ええ、この道をもう少しいったところにありますよ。私はその奥にある山に住んでいます」 バニカはその方向を指差しながら答えた。 「そう、ありがとう」 「いえ。あ、そうだ。街にいっても私のことを話さないでくださいね」 「…どうして?」 「山にデアボリカの私が住んでいると知って、不安がらせたくないんです」 「そう。…わかった」 「では、私はこれで」 「うん」 バニカはアズライトに背を向けると、そのまま走り去っていった。 (僕だけじゃなかったんだ) アズライトは感慨深くバニカを見送ると、バニカに教えられた街に向かって歩き出した。 3 「待ってよ〜」 「ははは、鬼さんこちら〜」 「あはは」 街の入り口あたりで子供達が4,5人で鬼ごっこをしている。 「あっ、だれかくるよ〜」 遊んでいた子供の1人が、街に向かって歩いてくるアズライトに気付き指差している。 「ほんとうだ、だれだろう?」 「え、どこ?どこ?」 1人の言葉に子供達は鬼ごっこを中断し、アズライトのほうをみんなで見ている。やがてアズライトが子供達の前までたどり着くと、子供達は無言でアズライトを見上げていた。 「こんにちわ」 アズライトは困惑の表情をしている子供達に、微笑みながら挨拶をする。しかし、子供達は警戒しているのか無言のままだ。 「……」 (困ったな。やっぱり警戒してるのかな) アズライトは困惑の表情を浮かべながら子供達を見まわしていると、いままで目立たないように後ろのほうにいた少女が前に出てきた。 「こ、こんにちわ。お兄さん、誰?」 「!?」 アズライトはその少女を見た瞬間、息を呑んだ。少女はアズライトの最愛の人に似ているのだ。 「…ここに、いたの?」 アズライトはその存在をを確認するようにその少女に手を伸ばした。そのアズライトの行動に、その少女を含む子供達は、アズライトの行動をただ呆然と見ている。 しかし、アズライトの手が少女の肩に触れようとした瞬間、アズライトは手を下ろした。 (違う。似ているけど、彼女の魂のにおいがしない) アズライトは一瞬落胆の表情を見せるが、すぐに再び微笑むと、少女の頭にそっと手を置いた。 「驚かせてごめんね。僕はアズライトっていうんだ。君は?」 「わ、私はフローレン」 少女は多少困惑しながらも、アズライトの手から優しさが伝わったのか、微笑みながら答えた。 「良い名前だね」 「うん、私、この名前好き」 アズライトとフローレンが和やかに話していると、 「お、俺はケイト」 「あ、私は…」 子供達は2人のやり取りで安心したのか、次々と名乗り出した。アズライトはそのたびにうなづき、挨拶をした。 「ところで、アズライトはここに何しに来たんだ?」 全員の紹介が終わると、ケイトと名乗った少年がアズライトに尋ねた。どうやらケイトが子供達のリーダー的存在らしい。 「僕は、仕事を探しに来たんだ」 「しごと?」 「うん、だからこの街の偉い人のところまで案内してくれるかな?」 「わかった」 ケイトが先頭をきって歩き出すと、他の子供達がそれに続いた。その後をアズライトはゆっくりとついていく。 しばらく歩くとケイトが街の寄り合い所の前で立ち止まった。 「ここにいるぞ」 「そう、ありがとう」 アズライトが丁寧に礼をいうと、ケイトは気をよくしたのか誇らしげに胸を張った。 「いま村長を呼んであげるね」 フローレンが中に入っていくと、中からかなり高齢の老人と数人の男達が現れた。老人以外は全員なかなか良い体格をしている。 「おぬしか、わしを尋ねてきたのは?」 老人―おそらく村長だろう―が警戒に満ちた目でアズライトに尋ねる。 「はい、僕は…」 「分かっておる。同族殺しのアズライトじゃろう。噂には聞いておる」 「…はい。それで僕の仕事はありますか?」 村長はじっとアズライトを見ると、ゆっくりと首を横に振った。 「残念ながらおぬしの仕事はない。この街は平和じゃからの」 「…そうですか。お騒がせしてすみませんでした」 アズライトは深く頭を下げると、その場に背を向けた。そして歩き出そうとしたその時、アズライトはマントの裾を引かれた。 「?」 アズライトが確認するために振り返ると、今にも泣きそうな顔をしたフローレンがマントの裾を力強く握っている。 「もういっちゃうの?」 「え?」 アズライトが聞き返しながらも子供達を見まわすと、表情は違うものの誰もがフローレンと同じ思いであるということが伝わってきた。 「そうだよ、もういっちゃうのかよ」 「もう少しいてよ」 子供達が口々に自分の思いを言葉にすると、村長のまわりにいた男達が前に出た。 「おい、おまえたち、そんなの引き止めるんじゃねぇ」 「そうだぞ、そいつは人間じゃねぇ。デアボリカなんだ。おまえ達食われちまうぞ」 「うそだ、アズライトはそんなことしないもん」 「そうだそうだ、分かりやすい嘘つくんじゃねぇよ、オヤジ」 「くぅ、ケイト!なんだその口の聞き方は!」 「うるせー、嘘つくほうがいけねぇんだ」 早く出ていって欲しい男達となんとしても引き止めたい子供達が言い争うなかで、アズライトはただおろおろしている。 「ええいっ、静かにせんか!」 村長が一喝すると、男達も子供達も静まり返った。それを確認して村長は咳払いすると、 「ということじゃ。わしらは歓迎しとらん。さっさと出ていってくれ」 村長がアズライトを睨みながらそう告げる。 「…はい、わかり―」 「ちょっと村長。それは横暴なんじゃないのかい?」 アズライトの返事をさえぎるように、今度は寄り合い所の中から声が聞こえた。そのほうに目を向けると、そこにはいかにも主婦といった女達が並んでいた。 「そうだよ、いくらなんでもそれは非道いと、私は思うがね」 「別にいても良いじゃないか。あんな優しそうな顔をしたデアボリカが、人なんか襲うわけないじゃないかい」 女達は口々に子供達の弁護に回る。 「そうはいってもな、相手はデアボリカじゃぞ。何するかわからん」 「疑りぶかいじいさんだねぇ。大丈夫だよ、うちのフローレンがあそこまでなついているんだから」 女達の先頭に立って村長に物言っている女性が、どうやらフローレンの母親らしい。すると、1人の男がフローレンの母親の前に出て行く。 「おいおい、かあちゃんよぉ、もっとちゃんと考えてくれよ。あいつはデアボリカなんだぞ」 「かーっ、こんな心の狭い男だったのかい、私の旦那は」 「なっ、それはねぇだろ」 どうやら今度は夫婦喧嘩になったらしい。もうアズライトにはどうすることもできない。 「もう一度考え直してくれよ。なんかあってからじゃ遅いんだって」 「あーっうるさい!それ以上ぐちゃぐちゃ言うと、もうあんたの飯はつくらないよ」 「おいおい、そりゃねぇよ」 「あっ、いいねぇそれ。うちも反対するようだったら飯抜きだ」 「うちも」 さすが主婦というべきか、旦那の弱みを知っている。自分の妻の言葉にそれぞれの旦那達は、顔色が青ざめている。 「さて最後にもう一度聞くよ」 すべてをまとめるように、フローレンの母親が口を開く。 「あの若者…あんたなんて名前だっけ?」 「え、あ、アズライトです」 突然振られて、アズライトは困惑しながらも答えると、 「そう、そのアズライトをしばらくこの街においてもいいね?」 フローレンの母親が詰寄ると、男達(村長含む)は渋々うなずいた。 「しょうがねぇ、しばらくおいてやるよ。ただし、俺達の仕事を手伝えよ」 「だとさ、わかったかい?」 アズライトの方に向き直りアズライトに話し掛けるが、当の本人はいまいち話がつかめない。 アズライトは困って子供達の方を見ると、子供達はニコニコと笑っている。 「よかったね、アズライト」 いまだにマントの裾を離さないフローレンが、満面の笑みをアズライトに向けた。 「…うん」 アズライトは、フローレンの笑顔につられて微笑みながら答えた。 4 それからアズライトは、フローレンの家に滞在していた。はじめのうちは警戒していた男達も、アズライトが真面目に仕事を手伝い、暇があれば子供達と遊んだり、家事の手伝いをしたりしているうちに気を許してきたのか、アズライトと馴れ合っていった。 そんなある日、前の日の水遊びが原因なのか、フローレンが風邪をひいた。その日は特に仕事もなく、子供達が遊びに誘いに来たが、アズライトはそれを丁重に断り、フローレンを看病していた。しかし軽い風邪だったらしく、その日の夜にはフローレンは元気になり、アズライトとフローレンの両親とフローレンで夕食をとっていた。 「おいしいですね」 「そうだろ、うちのかあちゃんの飯以外はあまりうまいとは思えねんだよ」 「私、お母さんのご飯大好きー」 「はははっ、そんなに誉められたら照れるじゃないか」 そんな和やかな夕食を食べているときであった。 ドンッドンッ 激しいノックがフローレンの家の扉に響いた。 「おやおや、誰だろうねぇ」 母親が席を立ち、扉を開けると、そこには数人の主婦達が血相を変えて立っていた。 「ど、どうしたんだい。こんな時間に」 普段は強気のフローレンの母親も、他の主婦達の尋常ではない様子にひるんでいる。 「うちのケイトが帰ってこないんだよ!」 「うちの息子も」 「私の娘もだよ」 主婦達は口々に自分の子供が帰ってこないということを訴えた。 「えっ、どういうことだい!?」 フローレンの母親は驚きのあまり目を白黒させている。アズライト達もあまりの出来事に、食事をする手を止めている。 「なら、早く探しにいかねぇと!」 フローレンの父親が立ちあがり飛び出そうとするが、主婦達はそこを動かない。 「お、おいっ、はやくしねぇと!」 主婦達にどくように促すが、何故か扉の前から動こうとはしない。どうしようかと思案していると、主婦の1人が口を開いた。 「もう、十分探したよ」 「そんなこと言ったって、見落としがあるかもしれないじゃないか」 フローレンの母親が主婦達をなだめるように言うが、主婦達は聞く耳持たずといったところである。 「くまなく探したよ。それでも見つからないんだ。そうしたらあとは…」 「あとは、なんだい?」 主婦達はすでにフローレンの両親を見ていない。すべての視線がアズライトに注がれている。フローレンの母親はその視線に気がつくと、 「まさかあんたたち、アズライトがなにかしたって言うんじゃないだろうね」 その言葉に何人かがうつむくが、主婦達の何人かはアズライトを睨みつけている。 「そのまさかさ!これだけ探しても見つからない上に、こんなにいっぺんに人がいなくなるっていったら、他に何があるというのさ!」 「そうだよ、あいつはデアボリカなんだよ!なにかしたっておかしくないさ!」 1人の主婦の言葉に、口火を切ったように次々とアズライトに疑念の思いをぶつける。 アズライトとフローレンの両親はその勢いに、何も言うことはできない。フローレンは、あまりの主婦達の形相に、アズライトにしがみついて震えている。 やがて言いたいことをすべて言ったのか、主婦たちが静かになっていった。それとは反対に今度はフローレンの母親が口を開いた。 「それであんた達は、アズライトをどうしろっていうんだい!?」 「簡単なことさ、子供達を返して、この街からでていっておくれ!」 集まってきた主婦達の中でも、もっともリーダー格の主婦が、フローレンの母親にではなく、アズライトに叫ぶ。 「ぼ、僕は、出て行けと言われればそうしますが、子供達のことは知りません」 アズライトは主婦の訴えに素直に答えるが、それでも主婦達の疑いは止まらない。 「嘘を言うんじゃないよ!うちの子供を帰しておくれ!」 「そうだよ、子供を!」 「うちの娘を返して!」 アズライトの答えに、一度は消えかけていた火に再び強くなった。 「いいかげんにおし!アズライトがそんなことをするわけがないじゃないか!」 それを静めるように、フローレンの母親が大声で叫ぶ。あまりの大きさにフローレンの体がびくっとはねあがった。しかしそれにより、再び強くなりかけていたものが静まり返った。 「だいたいねぇ、今日1日アズライトは、フローレンと一緒に家の中にいたんだよ」 「…それでも…」 「なんだい?」 「それでも、疑わしいことには変わりないよ!」 「まだそんなことを―」 「それに!あんたはまだフローレンが無事だから、そんなことが言えるんだよ!あんただってフローレンがいなくなればわかるさ!そこにいるデアボリカが、どれだけ疑わしいかってことが!」 「!!」 この言葉にさすがのフローレンの母親も口を閉ざしてしまった。主婦達は無言でアズライトを睨みつけている。そんな重苦しい時間が数分間経った。これが永遠に続くのかと思われたとき、いままで、事の成り行きを見ていたフローレンの父親が重々しく口を開いた。 「…とりあえず、今日のところは帰ってくれ。子供達を捜すには暗すぎるし、あんた達もあまりのことに冷静な判断ができねぇんだろ。だから今日は休んで明日、街全体で子供達を捜すことにしよう」 それだけ言うと、フローレンの父親は扉を閉めてしまった。その後主婦達が納得できないながらも、それぞれの家に帰っていくのが、気配から感じ取れた。 「…というわけだ。今日はもう休もう」 「…はい、分かりました」 フローレンの父親はアズライトの返事に満足したようにうなずくと、いまだに口を閉ざしている自分の妻と娘の手をひき、寝室に行ってしまった。 残されたアズライトは、夕食の片づけをすると、自分に割り当てられた部屋のベットに横たわり、習慣となっているお祈りをすると、まぶたを閉じた。 (そろそろこの街をでて、旅に戻ったほうが良いのかな?) 考えるアズライトの顔を、窓から入る月の光だけが照らしている。 (でもその前に、子供達を捜さないと) アズライトは子供達が何か危険なことにあいそうな場所をあげていく。しかし、そのような場所は思いつかない。前日と同じように川で遊んでいたとしても、川は浅く、流れも緩やかだ。 (…そうなると山に行ったのかな?…山?) そのときアズライトに何かが引っかかったが、すぐには思い出せない。しかしアズライトはすぐに別の可能性を考えて、そのことを忘れてしまった。 それからどれくらい過ぎたのだろうか、突然アズライトの部屋に誰かが飛び込んできた。 「アズライト、起きとくれ!」 フローレンの母親の声にまぶたを開くと、窓から朝日が差し込んでいた。どうやらいつのまにか寝てしまっていたらしい。 「はい、なんでしょう?」 アズライトは体を起こしながら尋ねると、母親の顔色が青ざめている。アズライトもただ事ではないことに気付いた。 「フローレンがいないんだよっ」 「フローレンが!?」 「そうなんだよ、朝起きたらフローレンの部屋にこんなものが」 母親はアズライトに1枚のメモを渡した。アズライトは受け取りながら目を通すと、 『みんなをさがしてきます』 字を覚えたてなのか、たどたどしい字でそう書かれていた。 「これは―」 「多分、あんたの疑いを晴らすために…」 「そんな」 アズライトはベットから降りると、部屋を飛び出した。 「ちょっと、どこいくんだい!?」 「フローレンを捜してきます!」 アズライトはそれだけ告げると、家の扉を開けた。するとそこには、フローレンの父親が待っていた。 「よお、おまえも捜しに行くのか?」 「ええ」 「そうか、…じゃあ、俺と一緒に行動してもらおうか」 「えっ?」 「おまえは疑いの的だからな。これ以上疑われたくなければ、俺と一緒に行動することだ」 「…はい」 アズライトは父親の言葉に素直に従った。確かに疑われないようにするには、誰かに見張ってもらうしかない。 それからアズライトとフローレンの父親は、街中を捜しまわった。もちろんフローレンだけでなく、他の子供達も捜す。そうしているうちに、子供達の捜索に大勢の人々が加わったが、それでも子供達を発見することはできなかった。 そうしているうちに、日は昇り、昼を過ぎていた。 「おいっアズライト」 「は、はいっ」 必死で捜しているところに突然話しかけられ、アズライトは驚いて返事をした。 「…一旦家に帰るぞ」 「えっ、どうして?」 「山に捜しに行く準備をしにいくんだ」 「山に…」 アズライトはなんとなく山に目を向けた。するとその時、何かを思い出しそうになったが、やはり昨晩と同じように思い出すことはできない。 (山に何かがあったような…) アズライトとフローレンの父親が家に帰ると、家の前でフローレンの母親を含む主婦達が待ち構えていた。 「おい、かあちゃん、こんなところでなにしてるんだ?」 「…ちょっとアズライトに用があってね」 「僕に?」 アズライトがフローレンの母親の前に歩み出ると、母親はアズライトにアズライトの荷物を渡した。 「これは、僕の…」 「そうだよ。すまないけど、今すぐ出ていってくれないかい?」 「え?」 「おいおい、どういうことだよ」 「あんたは黙っといて!」 フローレンの父親が意味がわからないといった感じで前に進み出るが、一喝されると黙ってしまった。 「昨日まではあんたのことを信じていたさ。けどね、昨日言われたように自分の身に起こるまで分からなかったのさ。フローレンがいなくなって気付いたよ。あんたが、デアボリカのアズライトが、この上なく疑わしいってことにね!」 「…そんな」 「私だって疑いたくないよ。けどね、あんた以上に怪しい人物はいないんだよ。あんたが犯人だとは言わない。だからせめて、この街から出ていっておくれ!」 フローレンの母親は、憎しみと悲しみが入り混じった顔でアズライトを見つめている。 アズライトはしばらくの間うつむいていると、意を決したように顔を上げた。 「…分かりました。どうもいままでお世話になりました」 アズライトは頭を一度だけ下げると、主婦達に背を向けて歩き出した。それにたいして主婦達はなにも答えない。 「しかたがない。俺が街の入り口まで送ってやるよ」 そのあとをフローレンの父親が追いかける。 2人が無言のまま街の入り口まで行くと、今度は街の村長を含む男達が待っていた。 アズライトとフローレンの父親はその場に立ち止まった。 「おいおい、最近は待ち伏せが流行っているのか?それともアレか、おまえ達までアズライトが疑わしいって言うのか?」 「…そうではない。むしろわしらはアズライトを信じておる。お主も知っておろう、アズライトには常に監視がついていたことを」 「あ、ああ。…その通りなんだアズライト。すまなかった」 フローレンの父親が謝罪をすると、アズライトが微笑みながら答えた。 「いえ、お気になさらずに。僕も気がついていましたから。それで疑われずにすむならと」 「…そうか。確かにそれは良い判断だった。それで確実に俺達には疑われてないからな」 「はい。」 「まあ、街のことは気にすることはない。後のことはわしらにまかせておけ。子供達はおおかた山で迷子になっておるのじゃろう」 「そうですか、…では、あとはよろしくお願いします」 「うむ、達者でな」 アズライトは男達の横を通りすぎ街の入り口を抜けると、次の街を目指し歩き出した。 5 アズライトはしばらく歩きつづけると、不意に立ち止まった。 (…そうだ) そして来た道を振り返り、 (フローレンとの生活が楽しすぎて忘れていたけど…) 一気に駆け出した。 (あそこには彼がいる。あの山には―) アズライトは街を迂回して山に向かう。 (デアボリカがいる!) アズライトが山に入ると、とたんに血の匂いがする。山を登りはじめてしばらくすると、いやに開けた場所に出ることができた。そしてそこには―。 「そんな」 一面に広がる血。あたりに転がる死体。そしてその中心で襲われるフローレンの父親と、それを襲うずんぐりとした巨体の凶。 あたりを見まわすと、転がっている死体は、先ほどアズライトを送り出してくれた街の男達のものだった。どうやら山まで子供達を捜しに来て、凶に襲われたようだ。あたりを見まわしても息をしている者は、もう、いない。 そして、最後の生き残り―フローレンの父親が、足元に落ちていた棒切れを手に、凶へと向かっていく。 「ちくしょぉぉ!!」 渾身の力で放った一撃も、凶には通じない。むしろ棒の方が折れてしまったくらいだ。 「しゃぁぁぁぁ」 凶は威嚇するように息を吐き出すと、フローレンの父親の頭めがけて、大きな手を振り下ろした。 「だめ―」 アズライトが助けにはいろうとするが間に合うことはなく、いやな音とともに頭が潰れる。そして、頭を失った胴体が、ゆっくりと地面に倒れた。 「ああっ」 アズライトがその光景に呆然としていると、凶がアズライトの方へと向き直った。 「っ!」 それに気付いたアズライトは斬馬刀をかまえ、凶を睨みつける。 凶はほとんどが肉塊にしか見えないが、それの下には申し訳程度に短い足がついている。さらには、先ほどフローレンの父親の頭を潰した大きな手が、上の方でうねっている。そして、ほとんど肉塊に埋もれるようについている頭は、 「ケイト!」 獲物を威嚇するように息を吐き出しているのは、確かにケイトの頭であった。 アズライトが呆然としていると、凶は、巨体には似合わないすばやい動きで間合いを詰め、巨大な手をアズライトの頭めがけて振り下ろしてきた。 「くっ」 アズライトは紙一重でそれをかわす。そしてそのまま間合いを取ると、意を決したように斬馬刀をかまえ直した。 (凶になってしまった者を戻すことはできない。ならばいっそ楽にしてあげたほうが…) アズライトは高く跳躍すると、凶の頭めがけて斬馬刀を振り下ろした。しかし、凶の頭のまわりの肉がうねるように盛り上がると、すっぽりと凶の頭を覆い尽くしてしまった。そして、胸のほうに頭が移動している。 「なっ!?」 アズライトはそのことに気付くが、跳躍して振り下ろした斬馬刀の角度を変えることはできない。斬馬刀はいまやただの肉塊と化したところにめり込むと、アズライトの体ごと弾き飛ばされた。 アズライトがなんとか着地した瞬間、凶がアズライトの胴体めがけて、殴りかかってきた。 「っ」 アズライトはそれをバックステップでかわす。 (頭の位置を自由に変えられるみたい。…だったら!) アズライトは斬馬刀をかまえると、一気に間合いを詰めた。そして、凶の胸にあるケイトの頭めがけ、下から凪ぐように、斬馬刀を振り上げる。 凶はまたもや頭周辺の肉をうねらせると、頭を覆い、今度は右肩のあたりに移動させた。 斬馬刀はむなしく空を切るが、アズライトが腕に力をこめ、そのまま上に行こうとした斬馬刀の軌道を、凶の頭が移動したところ、右肩の方向に無理矢理変える。そして、斬馬刀は凶の首を完全にとらえた。 凶は叫び声を上げる暇なく頭を落とされ、残された肉塊は仰向けに倒れた。 「……」 アズライトは、地面に無造作に転がるケイトの頭に哀れみの表情を浮かべると、山の奥へと歩きだした。 獣道を数分歩くと、一軒山小屋見えてきた。 山小屋はほとんど廃墟とかしており、とても人が住めそうな様子ではないが、どのような環境にも適応できるデアボリカには関係がない。 アズライトは山小屋の扉を開けると、中へと入った。 中は荒れ果てており、埃のにおいが充満している。そのにおいに入り混じって、血のにおいが漂っている。小屋の一番奥、そこにアズライトのほうに背を向け、何かをピチャピチャとすすっている人影があった。 「…バニカ」 アズライトがその人影に話しかけると、その人物はピクリと動きを止めるが、再び何かをすすりだした。 「…ああ、アズライトさんですか。お久しぶりです」 バニカはアズライトに背を向けたままであるが、アズライトは気に留めない。 「君に聞きたいことがあるんだ」 「ええ、私はかまいませんよ。…あ、食事しながらでもかいませんか?」 「…率直に聞くけど、君がケイトを凶にしたの?」 アズライトはケイトを信じていたかった。違うと言って欲しかった。他にもデアボリカがいて、そいつがケイトを凶にしたといって欲しかった。しかし、返ってきた答えは―。 「ええ、私がやったんですよ」 答えは無常なものであった。アズライトはショックを受けるが、なんとか話を続ける。 「き、君は、僕と同じ考えのデアボリカだったんじゃ…。それは嘘なの?」 「……ふっ、ふふふ、私はそんなことを言っていませんよ。あなたと同じような異色のデアボリカだと言ったんですよ?ああ、でも嘘はつきましたね。人間がいくら不安がろうと、私の知ったことではありませんし」 「じゃあ、僕を襲う気はないといったのは?」 「私には他にしたいことがあるので、あなたが私の敵に回らない限りは、そんなことをするつもりはありませんよ」 「…人間を殺すということは?」 「なんとも思いませんよ」 バニカは即答する。そんな質問はばかばかしいといった感じだ。 「ぼ、僕と同じようなっていうのはいったい?」 「ああ、私はね、デミデアボリカなんです」 「えっ、24デアボリカじゃ…」 「確かに、凶を作り出せるのは24デアボリカと、あなたのようなロードデアボリカ。その中に私の名前はないでしょう?あ、バニカって言うのは一応、本名ですよ。偽名とかじゃありません」 「そんな、だったらどうして…」 「さあ?ただ確実なのは、私は月に1、2度程度しか変性できないということと、私が凶を作り出せるということです。だから私はあなたと同じような異色なのですよ」 「……」 バニカは当然のようにアズライトに告げる。本来、デミデアボリカが持っているのは生殖能力と変性能力。しかも変性は月に1、2度しかできない。しかし、バニカはその能力のほかに、凶を作り出す能力を持っている。これは確かに異色である。 そう告げられたアズライトにはいまだに信じることができない。 「…まあ、そう言われても簡単には信じられないでしょう。でも、事実は事実なので。ああ、そういえばあなたも闘ったでしょう?ウサギのデアボリカ。あれも私が作り出したものなのですよ」 「どうして…」 「何度いいますが、私にも分かりません。まあ、確率的に言えば、デミデアボリカにはモノデアボリカと24デアボリカとは違って、生殖能力があるからじゃないですか?それが原因ゆえの突然変異ってところでしょう」 アズライトには、バニカの言うことをありえないと否定することはできない。確かに、もっとも限りなくゼロに近い数パーセントの確立でならば、そのようなことが起こるのかもしれない。 「そんなことが…」 「まあ、世の中にはいろいろあるということでしょう。…そういえば、アズライトさんはここへは何をしに?」 「えっ」 「ああ、街でいなくなった子供を捜しにですか?それなら、もういませんよ?私が食べましたから」 「た、食べ…」 「昨日、子供達が山で鬼ごっこをしていたのでね、私がリアルにするために、1人を本当の鬼にしたのですよ。凶という鬼にね。…で、その時に比較的損傷の少なかったものは、私が食べました。なかなかおいしかった」 「なっ!…で、でも、デアボリカは本来食べなくても…」 「ええ、そうですね。でも、私は人間を食べるのが好きなんですよ。特に子供の肉をね。アズライトさんは、女を犯しながら、子供の肉を食べたことがありますか?これが最高に良い」 バニカの言葉に、アズライトは口元を押さえた。想像しただけでも気分が悪くなる。 「あ、そういえば、私ばかりが食事をしていましたね。失礼しました。アズライトさんも食べますか?今朝、新鮮な肉を手に入れたんですよ」 「今朝?」 バニカは何かをすすっていた手を止め、アズライトのほうに振り返った。振り返ったバニカの口の回りは、血で真っ赤に染まっている。 バニカはその口で微笑むと、アズライトに何かを投げて渡した。 アズライトはなんとかそれを受け取ると、それがなにかすぐに理解する。 「フロ…レン…」 なんとかそれだけを口にするが、絶望の顔をしたフローレンの頭を落とさないようにするのが精一杯であり、アズライトの膝はがくがくと揺れている。 バニカはそんなアズライトの様子に微笑みながら、手にした紐のようなものを口に運んだ。それは人間の腸であるが、フローレンの顔を凝視しているアズライトは気がつかない。 「今朝、その子供が山に入ってきたのでね、私が捕まえたのです」 「…ぁ、ぁ…」 アズライトはうめき声ともつかない絶望的な声をあげている。バニカはアズライトの様子に、気付いているのか気付いていないのか、恍惚とした表情で話しつづける。 「いや〜良かったですよ。生きたまま内臓を取り出して、目の前で食べたときの表情といったら。それはもう」 「…ぁぁぁあああ」 「その時の表情が、その顔です。いい顔でしょう?ああ、その子が一番おいしかったなぁ」 バニカがその時のことを思い出して舌なめずりをしたとき、アズライトの中でなにかが弾けた。 そこで繰り広げられる光景は、一方的な、サツリク。 それを見るのは、絶望の表情をしたフローレンの目のみ。 あたりに響くのは、肉が硬いものに潰される音と潰されたものが飛び散る音、そして獣に似た咆哮。 それを聞くのは、絶望の表情をしたフローレンの耳のみ。 …そして それを止められるものは……ここには、いない。 すべてが終わったあと、その山小屋に立っていたのは人間の姿となったアズライト1人であった。 アズライトは変性の際に落としてしまった眼鏡を拾い、掛け直した。そして、フローレンの頭を丁寧に拾い上げると、山小屋をあとにする。 来た道をしばらく戻り、ケイトの頭を拾い上げると、今度は山の中を歩き出した。 そして、街を見下ろせる場所を探し出し、2人の頭を埋めた。 (本当は、全員を埋めてあげたいけど、多分、見つからないと思うから) アズライトはまぶたを閉じて、何かを呟くように祈ると、哀れみ表情を浮かべながら、その場所を見つめる。 「今度生まれ変わったら、幸せになってね」 アズライトは、再び歩き出す。 この旅がどんな道のりであろうと。 最愛の人を見つけるために。 この旅に苦難が待っていようと。 レティシアに再び出会うために―――。 REISE おわり あとがき 今回は前の2本とは違い、デアボリカです。 話の位置としては、1章と2章の間ぐらいですが、しっかり表現できているでしょうか?3章と4章の間でも、アズライトが同じように旅をしているので、書き分けが意外と難しいです。 アズライト以外はキャラクター、ストーリーともに完全にオリジナルなのですが、それがデアボリカにあっているかどうか。すごく不安です。 今回もいつものごとく、表現がおかしかったり、誤字脱字があるかもしれません。それでも楽しんでいただけたらと思います。 いつも載せていただいてから読み返すと、自分で表現のおかしいところや誤字脱字を発見するあたりがすごく悲しくなりますが、気がついたときには後の祭だったり。 最後に、感想または苦情などございましたら、以下にお願いします。 9jep1223@keyaki.cc.u-tokai.ac.jp それではこの辺で失礼します。 イノスケ |