序章最終話 第二章・新規登場人物
バンドリー=ボルニコフ
ONLY YOUから出演。
元はロシアの暗殺者だが、ロシアが魔族に滅ぼされた為、
生き残ったロシア国民を率いてトノリストに亡命する。
今はGX{ジェネックス}の一員である。
李飛孔
ONLY YOUから出演。
元は仲国協賛党の暗殺者にして幹部だが、
仲国の大半が魔族に滅ぼされた為、
生き残った仲国国民を率いてトノリストに亡命する。
今はGX{ジェネックス}の一員である。
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5秒CM
姫之宮華苑
「今日はイメチェンを致しますわ。
ロウくんってば、大好きよ!(棗秋奈風)」 |
<九州同盟本部>
(ORISINAL SONG02.make me funkyA)
ところは九州同盟の本部の一室、
そこでオルレアンのなにわ大二郎が
何やら外出の用意をしている。
目的は全学連の総長である斬真狼牙と
オルレアンの総長であるエクレール(表向きはジャンヌ)の
折衝の為の打ち合わせ、である。
「用意は出来たのか?」
「おう、用意はバッチシグーや。」
外出の用意を整えている大二郎にかけられた声……
その主・蛇王院空也に対し、既に用意が整っている事を伝える。
「で…オメェらは承知の上なのか?」
「(゚Д゚)ハァ?藪から棒にナンジャラホイ?」
空也の突然の質問に少し怪訝な顔をする大二郎、
というより、何を承知の上なのか、質問の趣旨が理解らないので、
怪訝な反応をするのは当然の事である。
「オメェらの大将の嬢ちゃん……
というより、ホーリーフレイムの連中が
俺達日本人を『汚れた者』呼ばわりして
皆殺しにしようとしていた事を知っとるケのケ?」
「なんじゃいな、その事かいな。無論知っとるケのケ。
んな事やったらエクレール本人からとーの昔に聞いとるがな。」
<回想>(回想なので、場面はセピア色)
(ORISINAL SONG31.Dash! To
Future〜unpluged〜)
ところは、大二郎の回想の中、
そこには大二郎とエクレールとまりもがいた。
どうやら、エクレールはまりもと大二郎に
何がしかの大事な話が有るらしい。
「んで、ワイらに話があるっちゅう事やけど?」
だが、話しづらい内容なのか、
エクレールは中々話を切り出せないでおり、そして……
「すいません。やっぱり……
私にはオルレアンの総長になる資格なんて…有りませんわ……。」
「そりゃナンジャラホイ!?どうゆうこっチャイナ!?」
「そうだ!何を言い出すかと思ったらっきょ!」
いきなりのエクレールの総長就任の辞退に、
驚き桃の木山椒の木のまりも&大二郎
まあ、それも当然の事、
いきなり理由も告げずに総長就任を辞退されて
驚くな、というほうが無理である。
「まあ……それは判ったけどよ。
でもな、理由はナンなんだYO!?
理由が判らなかったらおれ達だって
『ハイ』そうですか、なんて言えやしねえよ。」
「私は……旧ホーリーフレイムにいた頃は……
この国の皆さんを『汚れた者』呼ばわりして
滅ぼそうとしていた者の……一人ですわ。
そんな私が総長になるなんて……。
と、申し訳なさそうな口調で
就任辞退の理由を告げるエクレール。
だが……
「素晴らしい!感動したぜ!
流石はエクレール!
おれ達の見込んだ事だけはあるぜぃ!!」
その理由に対し、想定外のリアクションを取るまりもに、
エクレールは無論、となりの大二郎までもが
余りの想定外の答えに唖然としている。
「ちょい、まりも、どういう事や?
その素晴らしいッちゅうんはどういう意味で言っとるんや?」
「いやな……おれがいいたい事はだな、
『良くぞおれ達に打ち明けてくれた』って言いてぇんだ。
つまりはだ、そういった話を打ち明けてくれる程
おれ達に心を許してくれているって事だろ。
人間誰だってスネに傷の一つや二つくらいあるってもんさ。
おれ達なんて、傷にスネがある様なもんだしな。」
「なーるヘソのゴマラー油。そういう事やったんかいな。
さすがはまりも、ええ事言うやんけ。
これで益々総長に相応しい人やと判ったわ。」
まりもの言葉を要約すると、『おれ達は信用されている』
であり、その事に対し、『感動した』と言っているのである。
その発言の真意を知って、感心を隠せない大二郎はエクレールに対し、
腰を落として右手を前に伸ばし、敬意を表す。
「まりも…大二郎さん…わがままを言ってすいませんでした。
これからもよろしくお願いいたしますわ。」
「「応!!」」
<九州同盟本部の一室>
(ORISINAL SONG02.make me funkyA)
「てな事が有った和気清麻呂。
それでワイらはより一層エクレールを
総長として尊敬しとる訳や。」
「そ…そうか。ま、経緯は解った。」
「エクレールはな、ワイらはな、
仲間であると同時にや、家族{ファミリー}でもある訳や。」
「家族?」
「ん、もうすぐ電車の時間や。じゃあ、言ってくるわ。」
「あ、ああ。」
<列車「ゆめいっぱいままにょにょ号」内>
(27 All The Time)
場所は変わって、有栖鉄道(株)の所有する列車
「ゆめいっぱいままにょにょ号」に移る。
ままにょにょ号は、元々は要人の移動用に製作された列車であり、
内外共に外的からの襲撃に
十二分に配慮した耐久性や構造になっており、
更に補給が止まっても半月は持つという、
まさに『走る要塞』呼ぶに相応しい超弩級列車である。
大二郎はここで全学連総長・斬真狼牙と
今後の会見の打ち合わせをする為に来ていた。
そして、約束の熊元駅に着くや否や、
その狼牙が一人で入ってきた。
「アンタが全学連総長、斬真狼牙さんやな?」
「ああ、そうだぜ。で、オメェらは?」
「ワイは新ホーリーフレイム・オルレアンのなにわ大二郎や。
よろしゅう頼むわ。
さて……今回の会見の打ち合わせについてなんやが……」
挨拶もそこそこに済ませ、用件である会見の打ち合わせに入る。
「新ホーリーフレイム・オルレアンの総長は……
聞く所によると、ジャンヌらしいな。
確か、ジャンヌは行方不明と聞いたんだが……?」
ふと浮かんだ疑問を率直に問いかける狼牙。
それもその筈、先刻の九州勢の闘争で、
ジャンヌは破滅をもたらす者・ルシェルドと共に
行方不明となっており、
しかも旧ホーリーフレイムの総長という立場をほったらかして
新組織の総長に就任するとは考えにくいからである。
「ん…あ、ああ。その事かいな。それやったらな、
一応は戸籍上や公式の場での名前は
ジャンヌっちゅう事になっとるらしいけどな、
ワイらの御大将の名前はエクレールや。」
「へぇ、あのエクレールがねぇ。
でもよ、何でわざわざジャンヌの名前を名乗らなきゃなんねえんだ?」
「そりゃ〜なぁ、アレや。聞く所によると、
ジャンヌっちゅうお人はNAGASAKIの外国人社会の中でも
絶対の信頼を得ていたって旧ホーリーフレイムの連中から聞いとる。
いわゆる…なんや、外国人社会の大黒柱やろ。
その大黒柱がおらんてバレてみいや。
NAGASAKIの外国人社会は統制が取れずにしっちゃかめっちゃか、
外敵もこれ幸いとわんさか攻め込んでくるのは火を見るより明らかや。」
確かに、NAGASAKIの外国人社会は
ジャンヌ一個人のカリスマという一枚岩の上に乗っかって
何とかその統率が取れてきた様な累卵に似た社会であり、
その一枚岩が存在しないと判明すれば、
社会は根底から崩れかねず、
また、その混乱を附いて
魔族を初めとする外敵に攻め込まれかねない。
今回、エクレールが敢えてジャンヌの名前をかたったのは
その様な事態を防ぐ為の半ば応急処置の様なものである。
「ちょっとすいません。」
その時、ある若い男の声が二人に掛かった。
二人がその声の主を見ると、年齢は二十歳そこそこ、
外見は同見てもこの列車の乗務員、つまりこの若い男は
列車の乗務員である。
「おう、何の用だ?」
「はい、一応規則という事で、
お客様の切符を拝見させてもらっても宜しいでしょうか?」
「ああ、いいぜ。」
男はキセル防止の為に切符を確認していたらしく、
狼牙達の切符を確認している。
「じゃあ、三日後の今頃の時間、という事でいいな?」
「ああ、ワイらは構わんで。」
その間にも日時の段取りは着々と進んでいき、
査収的な会談の内容が纏まったところで
打ち合わせは終了する。
「「じゃあ、三日後にまた。」」
(ORISINAL SONG42.Tonorist Pope Ministry)
場所は変わってままにょにょ号の一室。
そこには何故か先刻狼牙達に対して
キセルの確認をしていた若い乗務員が
ステテコ一丁でふん縛られてした。
そして、その側には乗務員と瓜二つの男がいたが、
その男が顔をうつむけると、
その顔はピノキオの様な鼻に禿頭という特徴の有る、
目つきからして品相の卑しい男の顔に成っていた。
『トゥルルルルル……トゥルルル…ガチャ』
「こちら李飛孔{リー・フェイコウ}、どうぞ。」
男の名前は李飛孔といい、
元々は仲国協賛党の幹部にして暗殺者であったが、
その仲国領土の大半が魔族によって支配されてしまった為に、
止む無く難民を率いて欧州で魔族に対して独立を保っていた
トノリスト公国に避難し、そこで法皇省最強の秘密部隊である
ジェノサイドエックス・通称GX{ジェネックス}の非常勤隊員として
抜擢されたという。
「こちら本部グレッド、どうぞ。」
「ジャンヌ卿は3日後の正午ごろにこの列車で
斬真狼牙と会見を開く予定ですぞ。」
「そうか。では我々も二日後のそっちに到着する。
くれぐれも準備を怠らぬ様にな。」
<死魔根の駅>
(27 All The Time)
そしてあっと言う間に三日が過ぎ、
死魔根駅にままにょにょ号がやって来た。
駅にはオルレアンの特体生……つまりエクレールの舎弟達が
会合に臨んで出発するエクレール、美亜子、まりも、扇奈の
四人を見送るべく列を成して駅で待機している。
「どうだ!?」
「おう!姉御達がこられたぜ!!」
「全員、静粛に整列ーつ!!」
舎弟頭がそう号令すると、駅の入り口から
列車までの道に満ちていた舎弟達が
まるで海を二つにわったかの如く割れ、
その中をエクレール達がままにょにょ号まで
進んでいくといった形になった。
「それではみなさん、
後の守りはよろしくお願い致しますわ。」
「ヘイ、姐御!!宇宙戦艦ダイワに乗ったつもりで
どーんとお任せ下せぇや!!」
「おうおう、頼もしいじゃねえか、おめェら。」
アイキャッチ
臥路義竺(闘神都市U)
「只今、雫姫の保釈金を支払って螻蛄中……。」 |
アイキャッチ
無銘あいくち(大番長)
「FDが出たらHシーンが有るかなぁ……?」 |
<ままにょにょ号>
(27 All The Time)
ところは再びままにょにょ号の車内。
休日という事も有って、車内は閑散としており、
余り明るい雰囲気とは言えるものでは無く。
そして、今回の会合の為にこの列車に乗った
エクレール一行の為の個室が有った。
「へぇ〜、中々豪華じゃねえか、扇ちゃん。」
「予約するのに一苦労したんですよ。」
部屋にはいるや否や、
高級ソファーでトランポリンみたいに遊ぶまりもに対し、
扇奈はままにょにょ号の個室を取る事が
如何に大変な事かをアピールする。
実際、自由席や他の指定席と比べ、
この個室を予約する事は遙かに難しく、
本来なら何ヶ月も前から
予約を取らなければならない代物であるが、
有栖鉄道(株)のオーナーがマリーシアの大ファンである
スパパーンであった事から
何とか特例という事で取れる事になったという。
ちなみに余談ではあるが、
スパパーンは後にマリーシアが初代学長を務める事となる
ノルアーディ・インターナショナル・ソング・スクール、
通称NISS{ニス}の有力なスポンサーになったという。
「わぁ〜、本当に凄いねぇ〜。
TVや空調機、美味しそうな果物とかも有るし。」
貧困層で育ち、今までこういったものに
全く縁が無かった美亜子は物珍しく辺りを見回している。
「もうそろそろ……だと思いますわ。」
部屋に備え付けられた高級時計を見ながら
エクレールが一言言う。
狼牙との会合は正午から始まる事になっており、
もうそろそろ狼牙の待つ熊元駅に到着する時刻だからである。
「確か、ここだな。(コンコン)ノックしてもしも〜〜〜し?誰か入ってっか?」
約束の時間になった時、外からドアを軽く小突く音がした。
声の主はどうやら男性の様であり、その声は、
エクレール、扇奈、美亜子の耳に聞き覚えの有る声である。
「ええ、入っていますよ。」
と、扇奈は個室のドアを開けに行く。
だが、その仕草は一見極普通の行動の様に見えて、
それでいて機敏かつ油断も隙も無い動きでドアを開ける。
何故ならば、声色を変えて
相手を油断させたり騙したりする手口は、
古くはアカ頭巾、新しくは中身が大人の小学生探偵と、
色々な作品で使用されているからであり、
生き馬の眼を抜くが如き戦場に生きるものにとって、
これ位の用心は日常茶飯事である。
まあ、その心配は幸いにも杞憂に帰し、
ドアの外にはその斬真狼牙が立っていた。
「よぉ、扇奈に美亜子にエクレールじゃねえか。久し振り。」
「ええ、お久し振りですね、狼牙さん。」
「まぁ、魔界孔突入作戦から一ヶ月ってとこよね。」
「こんにちは、狼牙さん。」
互いにめいめい再開の挨拶を交わした後、
狼牙は只一人面識の無いまりもに視線を移す。
「なぁ、オメェさんがエクレールの言っていた斬真狼牙か?」
「ああ、そうだぜ。」
「まあいいや。おれの名前は阿寒湖まりも。
新ホーリーフレイム・オルレアンの副総長だ。
…てゆーか、その髪型……。」
「「「あ……」」」
(32 terrible beat B)
まりもが髪型の話をした途端、
エクレール達の表情が凍りついた。
何故なら、まりもが狼牙の髪形について
触れた事に対してである。
魔界穴が開き始めた頃、
幼い狼牙は自分に流れ込んでくるパワーに体が持たず、
酷い熱を引き起こしていた。
家には誰もいないので、狼牙は一人で病院に行く事となったが、
途中で力尽き、吹雪の吹き荒ぶ道路に倒れこんでしまった。
だが……その時、一人の謎の学生がたまたま生きて通りかかり、
凍えた狼牙に一張羅の学ランを着せておぶり、そのまま10q離れた
県立真田総合病院にまで連れて行ったのである。
やがて病院で目覚めた狼牙はその学生に例を言おうとしたが、
既にその学生は狼牙の命の危機が去った事を知らされると
すぐにその場を去った後だという。
その時に狼牙は薄れる意識の中、
学ランの学生の髪型を覚えており、
狼牙はその学ランの学生の様になりたい、
という思いを込めて今の髪型にしたのである。
その経緯が有ってか、狼牙にとって自分の髪型を卑下される事は、
その学ランの学生を卑下している事と同義であり、
髪形を莫迦にする者には容赦がない事を
エクレール達は知っており、表情を凍りつかせたのである。
「で、髪型が如何したって、あぁ?」
冷静さを装っているが、狼牙の体の震えから
怒りを隠しきれない事が判る。
しかし、空気を読めていないのか
まりもの発言は更に続く。
「ツラはイマイチ特長がねぇんだが、
その髪型はかなりエレガントぢゃねえか。」
「んだとぉ!?誰がエレガ……ん?
あ、ああ、この髪型が…エレガントってかぁ。
お、おう……中々、見る目が、あるじゃねえか。」
最初はてっきり自分の髪形を馬鹿にした
台詞が飛んでくると思っていた狼牙だが、
まりもの発言は自分の髪型を賞賛する内容である事から
途端に上機嫌になる。
結構現金なやっちゃな。
(27 All The Time)
「そうか?魔窟堂のじっちゃんも若い頃はそんな髪形をしてたけどよ、
もしかして、今はリバイバルブームなのか?」
「いや…特にそういったわけじゃねぇんだけどよ。」
「へぇ、狼牙は魔窟堂のじっちゃんの事知ってんだ。
ああ見えて結構有名人だな。」
「ああ、千紗から聞いただけなんだけどな。」
どうやら二人を見ると、世間話で結構盛り上がっている事が伺える。
「あの〜、盛り上がっているところをナンだけど……
斬真君、そろそろ会合を始めない?」
今回の会合の趣旨を忘れない様に、と美亜子が狼牙に忠告する。
「あ、ああ、総入れ歯まったり忘れていたぜ。」
忘れてたんかい……。
「まあ、本題に入る前に一つ聞いておきてえ事が有るんだが?」
「あによ?」
「三日前、なにわ大二郎とかいう男に聞いた話によるとだ。
エクレールは戸籍上や公式の催し物に出席する時は
『ジャンヌ』の名義だそうじゃねえか。」
「そ…それは戸籍上とかの話ですわ。
私なんかがジャンヌ様の代わりなんて恐れ多い事……
とても……。」
と、その事に対し、謙遜の意を示すエクレール。
「そうか?俺的には十分代わりが務まると思うぜ。」
そして、会合の話も半ばまで進んだとき……
「(コンコン)ちょいとすいません。よろしいでしょうか?」
ノックの音と共に若い男の声がした。
その声は、三日前の会合の打ち合わせの時に
キセル防止の切符の点検に来ていた乗務員の声であり、
その声に聞き覚えの有る狼牙は、
乗務員を客室に招きいれ、切符の確認をさせる。
「じゃ、これで失礼しました。」
一仕事を終え、客室から出る乗務員。
だが、人一倍動物的勘に鋭いまりもの嗅覚は
何か怪しい、と警告していた。
「おれ……ちょっと用を足しに行って来るわ。」
<車内の通路>
(ORISINAL SONG42.Tonorist Pope Ministry)
場所は変わって車内の通路である、
切符確認の乗務員が移動しているところを
その乗務員が怪しいとにらんだまりもが
抜き足差し足忍び足、尾行を行っていた。
角に身を隠し、そこから覗きつつ、
壁伝いに巧みな尾行をするまりも。
だが、そのまりもの耳に目の前にいて尾行している筈の
男のうめき声が聞こえてきた。
そんなバナナの涙!と耳を疑うまりも。
それもその筈、男はまりもの目の前に確かに存在し、
男の呻き声など聞こえる筈も無いのである。
だが、立て続けに男の呻き声がする事で、
まりもは先入観を捨てて声のする居場所を探査する。
「そこか……!!」
まりもが探査した声の居場所は
通路の掃除用具用の部屋であった。
<掃除用具用の部屋>
(23 silence..)
掃除用具用の部屋の中は、
一種独特の雰囲気が漂っており、
辺りは一面掃除用具で埋め尽くされていた。
そこでまりもは早速呻き声の主を見つけ……
何と、その主は目の前にいた筈の男であった。
男は猿轡をかまされ、縄で両手首を縛られており、
明らかに何者かによって無理矢理拘束された事が見て取れる。
すぐに『さっきの目の前にいた乗務員は
『この男に化けたニセの乗務員』と、
瞬時に状況を理解したまりもは、
すぐさま乗務員(真)の拘束を解除し、事情聴取に入る。
「おい!!ここで一体何が有ったんだ!?」
「わかんねぇだ……ただ……後ろから頭を殴られて、
気が付いたらこんなところで三日間もこんな状態で……。」
まりもが乗務員(真)を見ると、疲労困憊の状態にあり、
その証言にウソ偽りの無い事がはっきりと判る。
「じゃあ、これでも喰って空腹を癒しな。
おれはちょいと急いでっからよ。」
というと、まりもは懐から台湾バナナ1房と
バナナジュースを取り出す……っていうか、
まるで未来の四次元的ポケットみたいである。
<別の車両>
(ORISINAL SONG42.Tonorist Pope Ministry)
思わぬところで時間を食ったまりもはスーパーダッシュで
乗務員(偽)の後を追いかけ、ギリギリでまい合わせる。
乗務員(偽)の目の前には二人の屈強な男……
一人はグレッド、法皇省最強の戦闘部隊GX{ジェネックス}の
bPと言われた強靭な肉体を誇る武闘派司祭であり、
もう一人の巨漢の名はバンドリー=ボルニコフ、
かつてはロシアの凄腕の暗殺者として知られていた人物である。
「ん……ありゃナンジャラホイ!!?」
まりもが目を凝らしてよく見ると、
乗務員(偽)の顔が見る見るメタモルフォーゼしていき、
元の素顔である李飛孔に戻っていく。
「いかがであった?ジャンヌ卿とはいかな人物であった?」
「いやはや、まだ若輩も若輩ですが、
あれはかなりの傑物と見受けましたぞ。」
「我々の使命はジャンヌ卿が
取るに足りぬ小物であった時は捨て置き、
後の脅威になりそうな時はトノリスト法皇省に拘束し、
処刑出来る様な手筈を整える、という事だ。」
『な…何だってー!!?』
とある少年誌のミステリーリサーチのメンバーみたいな顔で
驚き桃の木山椒の木を隠せないまりも。
自分達の与り知らぬところでジャンヌ卿、
つまりエクレールの謀殺の密議が進行しているという事は、
まさに寝耳に水、晴天の霹靂である。
「もし万が一抵抗してきた時は如何する?」
「乱心をきたして襲い掛かって来たとして
討ち果たしてしまえばよかろう。」
もし拒否してきた時の為の対処法を求めるバンドリーに対し、
理解り易い方法を提示するグレッド。
一言で言うならば、所謂「死人に口無し」を
地で決め込もうという訳である。
「それに……どうやらジャンヌ卿は《ガタンガタン》の
《ガタンガタン》んを持っている可能性があるらしい。」
「「な、南斗!!?」」
『こりゃあ、どえれえ事を聞いちまったぜ……!!』
と、話しの一部始終を聞いていたまりもは、
一刻も早くその事をエクレール達に知らせようと
その場を離れようとするが……
「では、作戦を実行に移すぞ。」
いきなり、トリオ・ザ・GXが車両を移動し始めたので、
咄嗟の機転で横につんであったマネキンの振りをして
やり過ごそうとする。
一時はグレッドに怪しまれるものの、
無事マネキンであると思われ、
とりあえずの危機は乗り越えられると事になる。
<個室>
場所は再びエクレール達のいる個室の中に戻る。
そこでは、グレッドが偽装された告発状を
エクレールに手渡している最中である。
「トノリスト法皇省の司祭、グレッドと申す。
ジャンヌ卿、貴殿にはカクカクシカジカの義で
背教と謀反の嫌疑が掛かっており、
法皇省から諮問会への出廷の命令が下されている。
無実を証明したいならば我々と共に法皇省に来ていただこう。」
無論この嫌疑は確たる証拠が有る訳でも何でも無く、
ろくに確認もしていないいい加減な証言によるものである。
「おい、テメー!!何寝言を言ってやがんだこのスットコドッコイ!!
そんな事言われて『ハイそーですか』と言う訳ゃねぇだろうが!!」
まあ、当然の事ながら狼牙がこの理不尽極まりない要求を
素直に受諾する訳は無かったが……
「判りましたわ。諮問会に出廷して
無実を証明してくれば宜しいのですね?」
と、当のエクレール本人が渋々ながらも
この要求を受け入れる積りでいる。
「よれでよろしい。賢明な判断だ。
さあ、我々に同伴していただこ……」
(ORISINAL SONG22.After Age)
「そーは烏賊の姿焼き!!」
「誰だ!!?詰まらぬ駄洒落をはく奴は!!?」
呆気無く悪企みが成就しかけたその時!!である。
そこに颯爽とグレッド一味の密談を
隠し聞きしていたまりもが姿を現した。
「やいやいやいやい!!オメェら!!
おれ達の大将騙くらかして何しようってんだ!!
お天道さんは見逃してもな!!この俺の耳は誤魔化せねぇぜ!!」
まるで時代劇の様な口上で登場して、
グレッド一味の行為を非難する。
「貴様、一体何者だ!!?」
「人様に名前を聞くときは自分から名乗れと
親御さんに教わらなかったのかテメェら!!」
「トノリスト法皇省の司祭、グレッドだ。」
「李飛孔です&バンドリー=ボルニコフだ。」
以外に素直だな、こいつら。
「おれは新ホーリーフレイム・オルレアンの副総長、
阿寒湖まりもだ!!
やいやいやい、悪党共!!テメェらの悪企みはな、
このまりもさんが一部始終聞かせて貰ったぜぃ!!」
「悪企み?ん〜、何のことかな?フフフ……
一体何処のその様な証拠が有ると言うのだ?」
グレッド一味の悪企みを全て聞いたと主張するまりもに対し、
グレッドは証拠を出せ、と飽くまでシラを切り通そうとする。
このところは、時代劇の主役と悪役のやり取りに似ている。
「へ、そう言うと思ったぜぃ!!
だがな!!悪党共!!テメェらが幾らシラを切ってもな、
こっちにゃあちゃんとした証拠が有るんだよ!!
こいつをしかと見やが…いや、聞きやがれ!!」
飽くまでもシラを切り通そうとする一味に対し、
まりもは録音テープを取り出し、動かぬ証拠を聞かせてみせる。
「こ…これは……!!」
「どうでぇ悪党共!!ぐうの音も出めぇ!!」
動かぬ証拠を盾に、強気な姿勢を崩さないまりも。
「で……それが如何したと言うのだ?
では、乱心を起こして我々に襲い掛かってきたところを
討ち果たした、と言う事にして報告しておこう。」
だが、グレッド一味は何の動揺も見せず、
むしろ開き直った表情で死人に口無し作戦に移行してくる。
「こいつら、開き直りやがったな!!
で、如何するよ?」
「仕方が有りませんわね。
降りかかる火の粉は払わなければなりませんわ。
参りますわよ、まりも!扇ちゃん!みっちゃん!狼牙さん!!」
「応!!!!」×4
予告
バンドリー「GXの凶牙がエクレール達を急襲する!
果たして、エクレール達はGXの刺客達の
凶牙を退ける事が出来るのか!?」
李飛孔「襲うのは我々なんですがね。」
グレッド「次回大番長AA『序章最終話 第三章「激突!」』」
狼牙軍団全員「立てよ人類!!」 |
今週の特体生
凰火朱鷺(よくばりサボテン)
| 体力 |
経験 |
距離 |
信頼 |
気力 |
攻撃 |
命中 |
回避 |
治安 |
収益 |
給料 |
| 56 |
85 |
近 |
普通 |
8 |
34 |
177 |
60 |
70 |
70 |
30 |
| スキル |
属性 |
対属性 |
| 裏汰{りた} |
白魔 |
機械・黒魔 |
※裏汰{りた}(気力4)〜相手の攻撃を無効にして、
攻撃力分のダメージを与える |
|
後書き
今回の話は、三部作の構成で、第一部です。
次々回で、やっと序章が終了します。
作「まあ、次はバリバリバトルもので行こうかと思うんだが。」
狼「へっ…腕が鳴るぜ。」
作「よっ、カッコいいぜぃ、主人公!!」
苦情などの感想はここへどうぞ。
また私の妄想に満ちたサイトは
http://homepage3.nifty.com/shin-yaminokai/
となっております。
よろしかったら是非遊びに来て下さいませ。 |