序章その五 「九州同盟 成立す」

序章その五・新規登場人物

杜若直樹

ONLY YOUから出演。杜若あやめの実の父。
現時点では、魔神勇二の鉄拳で性根を叩き直され済みという設定。

ドストン司祭
魔女の贖罪から登場。本編でもやはり私利私欲に走っており、
法皇省の教皇の座を狙っている。


キシラル司祭
魔女の贖罪から登場。法皇省の中では穏健派で、
ドストン司祭の悪企みを何度も未然に防いでいる。


グレッド司祭
魔女の贖罪から登場。本編では、法皇省特殊任務庁局
第007課・暗殺団の元締という設定。
「代行者{ジョーカー}」と呼ばれている。
5秒CM
スパパーン
「この後は、大番長AAの予定ですね。
 よろしく頼みますよ。」
<熊元 杜若家にて>
(ORISINAL SONG31.Dash! To Future〜unpluged〜)
「そうですか……お嬢さんが一組織の総長になられましたか」

 ところは熊元の杜若家。

 ジャン神父がその家……といっても質素極まりない家ではあるが……
 の主人、杜若直樹に整体を行っている。

 感じは、丁度直樹がうつ伏せとなっているところに
 ジャン神父が按摩をしている、といった感じである。

 元々、この杜若直樹と言う男は元は平凡な男だったが、
 貧乏暮らしのせいで心がすさみ、女房に逃げられ、
 挙句の果てに博打に手を出して大損をこいてからは
 妻に良く似た娘・あやめに辛く当たる様になり、
 毎夜淫らな欲望を持つ輩共に体を売らせていたが、
 魔神勇二という熱血漢に拳にて性根を叩きなおされてから
 心を入れ替え、額に汗を流して真面目に働く様になる。

 そして、親娘二人の平穏な生活を送っていたが、
 ある日、あやめが魔族に襲われているのを身を以って庇い、
 瀕死の重傷を負う事になる。

 ジャン神父の必死の治療と介護により、
 何とか一命は取り留めたものの、
 その代償として首から下が殆ど麻痺状態になってしまう。

「杜若さん、いいですか?手を離しますよ。
 手が柔軟な絹で出来ていると想像して下さい。」

 とそういうと、直樹の右手のツボを按摩していた
 指を離し、手を動かす様に促す神父。

「ううっ……。」

 手を寸部でも動かさんと、額に脂汗を浮かべてまで奮起する直樹。

 だが、その努力に対し、体は中々実を結ぶ事を許さない。

 一度麻痺した四肢を動かすというのは、それ程までに
 困難が伴う行為なのである。だが……

「頑張って下さい。大丈夫です、きっと動きます。」

 との神父の激励の後押しも有り……

「ううっ……。」
「う、動いた……。」

 と、長きに渡って動かなかった手が動く様になる。

「そうですか……いよいよお嬢さんが神威軍団と戦うんですか。」

「はい。」

 ここで言うお嬢さんとは、無論エクレールの事である。

 直樹は、治療の最中、ジャン神父からエクレールの事を聞いており、
 一人娘を持つ父としてかけた気遣いの言葉である。

「これから生死を賭けた戦いに身を投じようというのに、
 私などの為に貴重な時間と体力を割いていただいて
 申し訳ないと思っています。」

「気になさらないで下さい。
 我々は常に死を覚悟して日々を生きているのです。
 明日死ぬかもしれない。そう思うからこそ、
 この世に悔いを残したくない。
 今この瞬間……一瞬一瞬を精一杯生きようと思うのです。」

 一心不乱に額に汗を流し、
 心意気を語りながらも整体を続ける神父。

「大丈夫です、杜若さん。きっと治ります。いや、絶対直して見せます。」

「体に負担がかかり過ぎますので、今日はこれまでにしておきましょう。」

 とそう言い残すと、帰り支度に入る。

 そのジャン神父に対し、直樹は

「神父……。」
「止めさせるべきです。お嬢さんを私の二の舞にさせない為に……。」

 と忠告をする。

 それは、身を以って魔族の恐ろしさを知っている
 直樹なりの心遣いであった。

「御忠告、いたみいります。」

 その忠告に対し、肯定もせず、
 さりとて否定もせず、頭を下げる神父。


<NAGASAKI>
(ORISINAL SONG02.make me funkyA)
 学聖暦1X年X月X日の事である。

 この日、スカルサーペントの面々や旧ホーリーフレイムの面々を
 初めとする九州の大小を問わずの特体生勢力の面々が
 会談の為に有栖亭という料亭に集まっていた。

 会談の最終目的は魔族に対抗する為に全学連とは別に
 九州勢とその周辺の勢力だけで構成する独自の連合
 『九州同盟』の締結である。

 発起人はジャン神父、肝煎り兼呼びかけは
 元旧ホーリーフレイムの小隊長であり、
 現・新ホーリーフレイム・オルレアンの
 総長であるエクレール、幹事は同組織の
 副総長を務める阿寒湖まりもである。

 まあ、当然ながら長年相争っていた間柄であるだけに、
 魔族と云う共通の敵を持つにも関わらず、
 会議の議定書はぎくしゃくした雰囲気どころか
 異様な圧迫感と殺気に包まれており、
 とても同盟締結の為の場とは思えない
 殺伐極まりない空気に包まれている。

「え〜、これより、九州地方を拠点とする特体生勢力による、
 対魔族同盟『九州同盟』についての議題を始めたいと思います。」

 まずは議長であり、肝煎りであるエクレールが
 勤めて明るく振舞いながら議題の開始を宣言するが、
 思惑とは裏腹に、場の空気は益々重くなる一方である。

 特にスカルサーペントと旧ホーリーフレイムの
 面々の間の殺気は、素人目に見ても
 容易に察する事が出来る程顕著なものであり、
 エクレールは開始宣言以来、
 気まずくて一言も話せない状況下に在る。

 やっと旧ホーリーフレイムの大隊長兼臨時総長である
 バイラルが口を開いたかと思うと……

「我々は魔族と云う不倶戴天の仇敵を滅ぼす為に、
 止むを得ず一時的に斬真狼牙と手を組んだ覚えは有るが、
 スカルサーペントとまで手を組んだ覚えは無い。
 スカルサーペントが入るなら我々は降りる。」

 とあからさまな発言をし、そして、
 スカルサーペント総長・蛇王院空也も
 これ又負けてはおらず……

「奇遇じゃあないか。俺達もお前さん方みたいな
 石頭連中と一緒に戦うつもりは毛頭無い。」

 正に売り言葉に買い言葉、水と油、
 犬と猿、陰と陽、北斗と南斗……
 ヲイヲイ……おまいら、本当に同盟の為に
 ここにいるのかよ、と言いたくなる様な
 やり取りである。

(32 terrible beat A)
「我々は我々だけで魔族と戦う。
 野卑な海賊共と共闘するつもりは無い。」

「狂儲共と一緒になったら俺達までイカレちまう。
 こっちから願い下げだ。」

 と、口喧嘩は益々ヒートアップし、
 会場の空気は益々荒れ、
 最早手の付け所が無い状態となる。

「あのなぁ……おめェいい加減にしとけよ。
 今はそんな仲違いしている場合ぢゃねえだろうが!!
 現に世界中で魔界孔が開いて魔族の奴らが……。」

 と子供の口喧嘩並の二人の口喧嘩を
 窘{たしな}めに入るまりもだが、
 二人は全く仲裁に耳を傾けようとしない。

「ダメだ、こいつら全然聞いちゃいねえ……。」

 いまや、会場は二人の口喧嘩の戦場と化しており、
 議会の進行どころか、同盟の『ど』の字も
 切り出せる状態では無かった。

「アホくさ……こんな茶番、付き合ってられんわ。
 小五郎、ウチは寝るから、後はよろしゅうまかせたで。
 おやすみ。」

「勇美タソハァハァ……」
「早月タソ萌え萌え……」

 と、客分の香辺五十嵐組の総長・五十嵐紅美は
 馬鹿馬鹿しくなって居眠りを始め、
 同じく客分の毛利兄弟に至っては、携帯のNBSで
 ギャルゲーをしている始末である。

 これではとても会議どころでは無い。

「しゃあねえな、まあ、丁度スキッ腹も空いてきた頃だし、
 ちょっとメシにするわ。
 大二郎、大二郎、買い置きの『豚兵衛』が沢山有ったろ。
 あれを人数分用意してきてくれ。」

「おう、任せといてくれや。ちょちょいのちょいで作ってきたるわ。」

 会議どころではない会場にウンザリしたまりもは、
 半ば投げやりな声で大五郎を呼び、
 即席うどんの『豚兵衛』を人数分用意する様指示する。

 そして……

「それとだな、ゴニョゴニョ……」

 と大二郎に何か秘密の指令を指示する。

「は?……あ、ああ、わかったわ。」

 その秘密の指令に、一瞬怪訝な顔をする大五郎だが、
 瞬時に其の発言の趣旨を理解し、相槌を打つ。

《10分後》
(ORISINAL SONG02.make me funkyA)
 豚兵衛が参加者全員の前に運ばれてくる。

 それは決して豪奢なものでも何でもない、
 ただの十把一絡げの安物即席うどんだが、
 長丁場のさっきだった会議の最中に出されるそれに、
 会場の面々は皆一様に無意識のうちに
 視線が釘付けになり、誰もが垂涎を禁じえない。

「まあ、それでも喰ってスキッ腹を何とかしてから話し合おうや。」

 と、全員に即席うどんを勧めるまりもだが……

(32 terrible beat A)

 全員がそれを食べ終えた時、図ったかの様に
 スカルサーペントと旧ホーリーフレイムの面々が
 次々と全身に痺れを覚え、動けなくなる。

 どうやら、大二郎に指示した秘密指令と言うのは、
 スカルサーペントと旧ホーリーフレイムの面々に
 出された即席うどんに痺れ薬を盛ることだったらしい。

「こ…これは…どういう事だ……!!?」

 全身を襲う以上に真意を問いただす二人。

 その問いに対し、まりもは……

「どうもこうもねぇよ。大二郎に指示してだな、
 ちょっと痺れ薬を盛ったんだよ。
 おめェらがいつまでもいがみ合って
 反発ばっかやって好き勝手かましてたら、
 いずれは魔族の奴らに全員殺られちまうんだ。
 その前におれっちが殺っちまっても同じ事じゃねえか。」

 と、何の悪びれも無く、あくまで傲然と、
 そして怒りを込めた口調で静かに言い放つ。

「何だと!!?」

「何が何だと、だ!!このスットコドッコイ!!
 おめェら、もしかして単独で戦って
 魔族に勝てると思っていたのか!?
 全くお目出度ェ奴らだぜ。」

 つまるところ、このまま魔族に殺られる前に、
 「自分の手で殺る」と、はっきり言って
 滅茶苦茶強引極まりない主張しているのである。

「止めて下さい、まりも!いくらなんでもひどすぎますわ!」

「そうよ!やりすぎなんじゃないの!!?」

 このまりもの暴挙を止めるべく、
 エクレールと美亜子がまりもに抗議する。

 だが、まりもの目はキレまくっており、
 既に説得が利く状態ではない。

 てうか、半分目がイッちまってんでやんの。

「止めねえでくれ!!こいつらは幾ら口で言っても
 全然わかりゃしねえんだ!!
 おめェら、良く聞けよ!!今おれ達が力を合わせて
 戦ったとしても勝率は20%になるかならねぇかだ!
 なのにてんでばらばらに戦ってみろ。
 おれ達ゃ仲良く雁首揃えて魔族の食卓に
 彩を添える事になっちまうんだぜ!!
 いや……女衆はその前に女体盛りに
 されちまうかも知れねえ!!」

 言い終わるや否や、痺れ薬でしびればびれぶーな
 バイラルに向かって以下の事を言い放つ。

「やい、バイラル!!おメェ、近々アイレーンと
 祝言を挙げるそうぢゃねえか!!?」

「祝言?何だ、それは?」

 バイラルが祝言と云う言葉の意味を問う。

 まあ、それも当然と言っちゃあ当然で、
 欧州では普通祝言なんて言葉は使用しない。

「結婚式の事だよ、結婚式の。
 おメェは祝言を挙げたばかりで新婚ホヤホヤの
 てメェの女房が女体盛りにされてもいいのか!!?え!!?」

「そ……それは……。」

 そして、返す刀で空也にも同じ内容の質問を叩き付ける。

「空也、おメェもだ!!おメェも美潮やシャイラがブサ面の魔族に
 女体盛りプレイをされてもいいのか、いいのかよ〜!!?」

「い、いい訳ねぇだろ!!」

 当然の答えである。

 自分の女{スケ}が魔族なんぞに女体盛りの
 屈辱を遭わされて漢{おとこ}なら黙っていられる訳が無い。

 まあ、こういう風になる様に仕向けるのが
 まりもの狙いではあるのだが。

「だったらだ!!今は力を合わせて魔族を
 魔界孔の中に叩き込むのが先決なんじゃねえのか!!?
 下らねぇ事でアホやってねえで、互いの愛する者の為に
 一致団結して魔族の奴らをいてこますんだよ!!!!」

 まさに、文字通りまりもの血を吐くが如き熱弁が続く。

 ここで引いてしまっては九州同盟は成立しない……
 まりもはまりもなりに必死なのである、

 その何の飾り立ても糞も無い赤心を
 顕わにしまくったまりもの熱弁は……

「分かった……確かにお前の言う通りだ……。」

「フ…負けたよ。アンタ、中々熱い女だな。
 俺の女(スケ)にしたいくらいだぜ。」

 と、ようやく両勢力の間に一応の和解をもたらす事に成功する。

「ところで……早く解毒剤を飲ませてくれないか?」

「あ…あ、ああ、そうだったな。」
アイキャッチ
綾之后寺雅(ぷろすちゅーでんとG)
 「みーちゃんを出すの!!絶対に出すの!!」


アイキャッチ
今里[旧姓・北大路]さやか(さやかちゃん物語)
「さやかちゃん物語……いつ発売されるのかしら?」

(ORISINAL SONG02.make me funkyA)
「ところで、議題を再開する前に一つ
 要求した事が有るのだが。」

「要求?何だ?」

 突然の要求に一瞬怪訝な顔をした後、
 警戒するが如く険しい顔になるまりも。

 バイラルは、議長席のエクレールを
 一瞥した後、傲然とこう言い放つ。

「その黒い翼の力の事だ。
 我々はその様な汚れた力に染まった者を
 容認する訳にはいかん。
 我々は即刻エクレールの九州同盟からの
 除名を要求する。」

「あ?今何て言った?」

(32 terrible beat A)

 一瞬、不快感を顕わにした表情の後、
 信じられない事を聞いた、と云う顔つきで
 バイラルの要求の内容を再度確認するまりも。

「今言った通りだ。汚れた力に染まった者の
 除名を要求する、と言っているのだ。」

「っ……。」

「何か申し開きがあったら……何でも言ってみろ。」

「オイ、角刈り……おメェ……
 自分で何を言っているのか分かってんだろうな……!!?」

 その余りにも無神経で無慈悲な要求に対し、
 当のエクレールは申し訳無さそうな表情で
 何も言えずに下を向いてこっちこちに固まっており、
 隣のまりもは瞬時に顔や声色に臨戦体勢を
 顕わにした表情でバイラルを睨む。

「無論。」

(
SEドンガラガッシャーン)
「無論やと!!?誰ぁれが汚れた力じゃ!
 この
マフィアの親分ヅラがぁ!!!!

 その余りにも明け透けな一連の発言に対し、
 いても立ってもいられないくなった大二郎は、
 いつになく激昂の意をあらわにし、
 握り拳で机を叩き割ってそれを表現する。

 それもその筈、総長であり、仲間であり、
 朋友でもあるエクレールに対する非難の意見に
 任侠気質であり、かつ血の気が多い王阪人である
 大二郎が黙っていられる訳が無い。

「マフィアの親分……だと!?」

「そうやないケ!!
 ヤー公御用達のスーツにグラサンかけて
 王阪の三十三{ミナミ}を練り歩いてみぃ!!
 誰も彼もおどれを騎士やのうて、
 八九三かマフィアの親分にしか思わんど!!
 そのくせに言うに事欠いて………
 エクレールの黒い翼を汚れた力やと!!?
 鼻ん穴手ェ突っ込んで脳味噌吐き出させるぞ、ゴラ!!」

(
SEポキッポキッ)
 そう言うや否や、大二郎指を鳴らして
 バイラルに喧嘩を売るが如くずいずいと近づいていく。

 その大二郎の態度に対し、
 バイラルも腰の剣の柄に手をかけ、臨戦体勢を取る。

「何だと、このチンピラ風情が!!」

「やる気かい、このマフィア面!!」

 と、折角同盟締結が纏まりかけた時にまたも問題が勃発し、
 会場はまたまた一触即発の空気に満ち溢れてしまう。

 そして、オルレアンの一般特体生からも……

「エクレールの姐御を侮辱するな!!」
「そうだそうだ!!姐御を侮辱する事は俺達が許さねぇ!!」

 と発言を批判する声が続出する。

「姐……御?」

 エクレールが姐御と呼ばれる事に、
 少し違和感を感じている顔の空也。

 何故なら、『新』とは言え、曲がりなりにも
 ホーリーフレイムの名を冠する組織である。

 空也も知っての通り、旧ホーリーフレイムの特体生達は
 総長のジャンヌに対して『様づけ』で呼んでいた。

 エクレールに対しても『様づけ』で呼ぶだろうと
 半ばそう思っていたのに、何故か事もあろうに
 任侠団体の如く『姐御』という呼称を用いたからである。

「なあ、まりも……。」

「あんだよ?」

「おメェら、いつも嬢ちゃんの事を姐御って言っているのか?」

「ああ。エクレールの事か?おうよ、そうだぜ。」

 まあ、オルレアンの構成特体生は、
 元を考えればまりもや大二郎の舎弟とか
 そういった連中なので、エクレールを姐御と
 呼ぶ事もおかしい事ではない。

「確かに……マフィアの親分面って言われれば
 満更間違っているとも言えないねぇ。」

 アイレーンが苦笑しながら感想を述べる。

「ア・・・アイレーンまで……」

 少し心傷気味で『ガーン』な顔のバイラル。

「まあ、もまいら、もちつけ。おれが今から
 何故エクレールがこの力を手に入れたのか、
 その経緯を聞かせてやっからよ。」

 と、やや落ち着いてきた頃にまりもは周りの衆を制し、
 エクレールがこの黒い力を手に入れた経緯を説明する。

「ある日、エクレールはマリーシアという女と一緒に
 Bストーンを採取する任務に就いていたんだ。
 ところが、マリーシアは黒い翼の力が
 大きくなりすぎて、ぶっ倒れちまったんだ。
 丁度だな……普通車にF1カーのエンジンを
 搭載する様なもんだ。」

「フン…汚れた力などを持つからそうな……」

「おメェはちょっと黙ってろい。
 人が話している途中に割り込むな、
 と親に教わらなかったのか?」

「……。」

 嫌味気味な発言をポロリとこぼすバイラルだが、
 まりもの突っ込みじみた一言で口を塞がれる形となる。

「エクレールはそこで色々看病をしたんだが、
 容態は回復するどころか悪くなる一方だ。
 そこでエクレールが取った方法が、
 黒い翼の力の一部を自分に取り込む、という訳だ。」

「それで二人はこの力を共有する事になった訳だ。」
 どうよ。この黒い翼の力は汚れた力なんかじゃねえ。
 ミラクルラブパワーだ。」

 どこがどうなってミラクルラブパワーなのかが分からないが、
 取りあえずはミラクルラブパワーらしい。

「ミラクルラブパワー……ネーミングセンス悪過ぎ……。」

 美潮の率直な感想。

 実際、少々ネーミングセンスを疑うネーミングであり、
 ネミングウェイに弟子入りして来い、と
 言いたくなるネーミングである。

「し……しかし……。」

 その意見に対し、ジョドーが異論を唱えかけるも……

「まだ文句があるのか?イヤならロリコンオヤジのところに
 荷物まとめて帰れ。んでもって偽札作りのバイトでもしてろ。」

 と、異論を許さない強引さで話を進める。

「この黒い翼の力はな、いわば二人の子供みてぇなもんだ。
 てな訳で、なぁバイラルよ……ここは一つ、
 おれの顔に免じて大目に見てやってくれねぇか?」

「わ、分かった……。仕方が無い……。」

(ORISINAL SONG02.make me funkyA)
 そして……議題も漸くまとまりかけ……

「最後に、九州同盟の盟主を決めたいと思います。
 まりも、よろしくお願いしますわ。」

 と、ここで漸く同盟の盟主を選出する議題に入る事となり、
 エクレールがまりもに議題の進行を指示する。

「ああ。てな訳出だ。同盟を組むからには
 一応同盟を取り纏める盟主が必要だ。
 魔族を討ち、人類の未来を切り開く為に
 おれ達はここに立ち上がった訳だ。」

「という訳で、おれ達を束ねる盟主が必要な訳だ。
 誰か立候補する根性の有る奴はいるか?」

 まりもは九州同盟を束ねるのには盟主が必要だと
 衆目に説明し、周囲から立候補者を応募する。

 だが、皆々譲り合って、流石に「我こそは」と
 圧がましく自推をする者もいない。

 結局、まりも自身が誰かを推薦する事になる。

「じゃあ、おれが推薦する事にするぜ。
 とりあえず、スカルサーペントの蛇王院空也を
 推薦したいんだが……どうよ?」

 と、蛇王院空也を推薦するまりもだが、
 旧ホーリーフレイムの面々からは
 疑惑の視線が向けられる。

「何だよ?何か不満か?
 ……もしかして、同じ日本人だからって
 依怙{えこ}贔屓している、って
 言ってんじゃねえだろうな。」

「そうではないのか?」

 その眼差しと口調は、
 明らかに依怙贔屓の疑惑を含ませている。

 その疑惑に対しまりもは……

「あのなぁ……んな訳ねぇだろ。
 もし、おれが依怙贔屓するならな、
 空也じゃなくてエクレールを盟主に選んでるぜ。」

 と、自らの公平性を主張する。

 まあ、エクレールを朋友として、そして総長として
 尊重しているまりもなら、もし依怙贔屓をするなら
 そうするであろう。

 わざわざ縁も所縁も無い空也を
 推薦する必要は微塵も無いからである。

「数日で数百人の人間を味方につけ、剣技も抜群、
 頭脳明晰、そして幼さの残る美少女、とくれば
 依怙贔屓もしたくなるさ。」

「空也を推薦してくれるのは嬉しいけどさ、
 何故空也を選んだんだい?」

 シャイラの率直な質問。

 その質問に対し、まりもは明快にスパッと、
 しかも分かり易く答える。

(30 Big Bang Age)
「そりゃあな、空也は地元と密着して地の利に詳しく、
 地元からの人気も高い、しかも抜群の戦闘力に
 豊富な経験、人脈の広さ……
 これらを考慮した結果、空也にしたんだ。
 でなけりゃ、幼さの残る美少女を差し置いて
 汗臭ぇむくつけき男を盟主に推薦しねえよ。」

「む…むくつけき男……まあいい。……コホン。」

 むくつけき男呼ばわりされた事に対し、
 少々納得のいかない空也だが、
 そもそもが事実なのでそう強く抗議する事も出来ず、
 空也は盟主に座に就く事を宣言する。

「九州の同盟、ここになる。
 誓って魔族の邪智横暴を鎮め、
 地球人類の未来を切り開かん。
 不肖蛇王院空也、衆望に推され、
 今菲才を以って九州同盟の
 盟主の大任を受く。」 


 そして高らかに宣言した後、
 空也は腰の短剣を天高くかざす。

「万歳!!万歳!!」

「人類の黎明は間近!!」

「魔族の跳梁何するものぞ!!」

 その宣言に対し、衆目は大音響の
 声援を以って同盟締結を祝し、歓迎する。

(18 comical)
「まあ、盟主も決まって一段落付いたんだ。
 NAGASAKIの海の幸で舌鼓でも打とうじゃねえか。
 ……おーい、女将さーん。」

 紆余曲折が有りながら、一応議題も終了し、
 もう一つの目的である親睦会に移るべく
 まりもは有栖亭の女主人である女将を呼ぶ。

「はいはい、今行きますよ。」

 襖を開けて、妙齢の女将がやってくる。

「あら、蛇王院ちゃんじゃないの。」

「ああ、女将か。久しぶりだな。」

 どうやら、空也は馴染みの客らしく、
 一目顔を確認すると、親しげに
 ちゃん付けで話しかけてくる。

「蛇王院ちゃん……?」

「ちょっと空也、『蛇王院ちゃん』って如何いう事よ?」

 女将が空也を『蛇王院ちゃん』と親しげに呼んだ事について、
 美潮とシャイラが空也に対して静かに、そして厳しく詰問する。

 空也を深く愛している二人にとって、
 空也に対して親しく話しかけてくる女性は
 半ば敵の様なものだからである。

「いや、その…何だ、単なる常連客だからな、俺は。」

 その詰問に対し、額にツツーッと汗を流しながら
 必死に弁明に努める空也。

 その弁明に努める姿は一言で言えば、
 『
必死だな』そのものである。

「蛇王院ちゃんが客なら、最高のもてなしをしなきゃね。」

<有栖亭〜野割{のわる}の間>
(ORISINAL SONG
13.Comiket Comical?)
なにわ大二郎
「女中はーん、ビアもう一本追加ー。」

ウナムル
「こっちは大悪事もう一本追加キボンヌ。」

河野美潮
「刺身の盛り合わせも……。」

シャイラ=スタンジュール
「嬢ちゃん、一杯飲まない?」

エクレール
「困りますわ、シャイラさん。私、まだ未成年ですし……。」

阿寒湖まりも
「じゃあ、おれが飲むぜ。」

シャイラ=スタンジュール
「いい飲みっぷりねぇ。空也と張り合えるんじゃないの?」

加賀尾高臣
「ウィー・・・・・・もーいっぱいこーい!!
 じゃんじゃんこーい!!!こいこいこーい!!!!」

加賀尾高臣
「ビアジョッキちょーとくだいキターーーーーーーー!!!!」

蛇王院空也
「高臣、お前・・・酔うと性格が180度変わるな……。」

毛利尊賢
「ふむ、こうやって和やかかつ賑やかに過ごすのも
 また奥深く、そして味わいがあるな。」

毛利尊拳
「難しい事はいいっこなし!
 取り合えず喰って飲んで騒ごうぜ!!」

柴崎小五郎
「ささ、五十嵐さん、一杯どうぞ。」

五十嵐紅美
「おう、すまんな。ンガ、ング……結構イケるで、これ。」

阿寒湖まりも
「なあ、おメェら、近々結婚するんだろ。
 式場とかハネムーンとかは決めてあるのか?」

バイラル
「いや……まだ全然決めていないのだが……。」

阿寒湖まりも
「結婚の時の神父は……ジャン神父に来てもらうとしてだ。
 結婚式はどこでやるんだ?」

アイレーン
「どこでか……考えた事も無かったわね。」

阿寒湖まりも
「じゃあ、HAWAUでやったらどうだ?」

アイレーン
「HAWAUで?」

阿寒湖まりも
「ああ。やっぱHAWAUは結婚式の定番だぜ。
 HAWAUのビーチで小麦色に日焼けした
 イケメンの男女が練り歩くのが絵になるってもんよ。」

アイレーン
「小麦色に日焼け…かい?」

美亜子
「当然じゃない。海に行ったら日焼け、
 温泉に行ったら温泉卵よ。」

アイレーン
「そ……そうかい?」

阿寒湖まりも
「なぁ、エクレール?」

エクレール
「何ですの、まりも?」

阿寒湖まりも
「この戦いが終わったら、エクレールも
 マリーシアと結婚するんだろ?」

バイラル
「ちょっと待った。」

阿寒湖まりも
「あによ?」

バイラル
「いや……そのだな、女同士で結婚と言うのは……。」

阿寒湖まりも
「世の中にはな、常識と云うメガネをつけていては
 計り知る事も覗く事も出来ない世界も存在するってこった。」

バイラル
「では我々は夢を忘れてしまった古い地球人だというのか!?」

阿寒湖まりも
「おお、中々ノリがいいじゃねえか。」

こうして、有栖亭での一時は過ぎていくのであった……。

<九州同盟本部>
「ごめん、ジャンヌ卿はおられるか?」

 九州同盟が設立した翌日、
 とある牧師風の男が九州同盟の本部にやってきた。

 右足は義足で、常に杖を所持しているが、
 眼光は鋭く、常ならぬ人物と伺える。

「はて、どなたかな?」

「私は法王省より派遣された司祭、キシラルと申す。」

 ジョドーの訊ねに、男はキシラルと名乗る。

 その物腰は、あくまで柔らかく、
 そして、油断ならぬ雰囲気を備えていた。

「な、何と…。それで司祭様とあろうお方が
 この様なところに何の御用でしょうか」

 思わず謙{へりくだ}るジョドー。

 どうやら、このキシラルという司祭は
 ジャンヌと同格くらいの存在らしい。

「いや、二ヶ月程前、トノリトスが魔族に襲われて、
 法皇様を含め、幹部の殆どが魔族によって
 殺されてしまい、ジャンヌ卿を初めとする
 諸卿を知る者がいなくなってしまったのだよ。
 それで私が諸国に点在する諸卿の詳細を
 調べに来た、という訳だ。」

「はっ、ならしばしお待ちを。

「……という訳でだ。司祭のキシラル様が
 ジャンヌ様に会いたがっておられる。」

「キシラル様が?」

「ジャンヌ様はいずこにおいでか?」

 と、今までの経緯を全て話す。

「誰だそりゃ?」

「キシラル様というのはね、法皇省の中でも
 中枢に存在する司祭のうちのお一人さ。
 うちのジャンヌ様とはほぼ同格の方だよ。」

 当然ながら、法皇省の事など何も知らないまりもに、
 アイレーンが懇切丁寧に説明する。

「…ちょっと待った。」

「何だ?」

「確か、ジャンヌ様は現在行方不明中のはずだが…」

 今更ながら、ジャンヌが不在である事を
 念頭の外に置き忘れたジョドーに
 バイラルの突っ込みが入る。

「しまったー!!」

 年寄りの冷や水か、ジョドーは
 その事をすっかり忘れてしまった様である。

「何やってんだが……。」

 半ば呆れ顔で頭をボリボリ掻き毟るまりも。

「やれやれだぜ。で、どうすんだ?」

「どうする、と言われても……。」

 対応策を聞くまりもに、
 何の答えも出ないジョドー。

 無論、まりもも両界山高校すら
 卒業出来なかったおツムで
 答えを出せる筈も無く、
 頭からは煙が上がっていた。

「ん?あいつ……何やってんだ!?」

 ふとキシラルの方を見て、
 まりもは一瞬呆気にとられた。

 何故なら、エクレールが一人で
 キシラルと交渉しているからである。

「お初にお目にかかります、キシラル司祭。」

 優雅に、そして何の悪びれる事も無く
 堂々と挨拶を済ますエクレール。

「ほう…・・・して、貴殿はどなたかな?」

 キシラルは、その堂々たる態度を一目見て、
 これは只者ではない、と判断する。

 だが、流石に己の才覚一つで司祭にまで
 叩き上がったキシラルだけあって、
 その態度に動ぜず、落ち着いた口調で
 問い返す。

「私ですか?私はジャンヌさm…ゴホン、ジャンヌ…ですわ。」

「貴殿がジャンヌ卿……ですか。
 噂に聞いていたよりかなりお若そうで……。」

 咄嗟にジャンヌの名前を口にするエクレール。

「あんだよ?」

 まりもがふと後ろを見ると、
 納得いかない、といった表情のバイラルが立っていた。

「どういう了見だ!!?あいつ、ジャンヌ様の名前を……!!」

 どうやら、エクレールがジャンヌの名前を語っている事に
 疑念の意を抱いているらしい。

「なーるへそのゴマラー油。」

 その事に対し、まりもは一瞬で
 エクレールの意図を察知したかの如く相槌を打つ。 

「はぁ?」

 まりもの相槌の意味を察知出来ず、
 阿呆の様に口をポカンと開けっ放しのジョドー。

「わかんねぇのか?鈍いオジン‘Sだぜ。」

「いいか。今現在、おメェらも知っての通り、
 ジャンヌはここにはいねえ。
 けどジャンヌはいる事にしておかなきゃマズい。
 だったら『今だけ』あいつをジャンヌの代わりとして
 扱えばいいんだ。
 一言で言えばだな……即席ジャンヌだ。」

「成程。ジャンヌ様の替え玉、という訳ね。」

 エクレールの意図を察したアイレーンが
 即納得する。

「それは分かった。だが……ジャンヌ様を
 ラーメンやうどんと一緒の扱いにするのは止めてくれんか?」

 オジン‘S(笑)が即席という呼称に難色を示す。

 どうやら、『即席』と云う言葉が即席ラーメンを
 思い起こさせるのが嫌らしい。

「じゃあ、臨時ジャンヌでどうだ?」

「あ…ああ、それなら構わんが。」

 どうやら、臨時なら構わないらしい。

「そう言えば、あやつ、ジャンヌ様の事を
 呼び捨てにしておるぞ……。」

「たりめーだろ。自分を紹介する時に
 様付けでする奴がどこの世界にいるってんだ。
 ンな奴はさん付けにこだわる決闘者くらいのもんだ。
 それにジャンヌを呼び捨てで呼ぶ事に
 抵抗を感じているのはあいつも同じだろ。」

 一応正論である。

 自分を紹介する時に様付けする様な事をすれば、
 少なくとも多少人格が疑われるであろう事は間違いない上……

「そうだね。あの子はアタシ達の中でも
 特にジャンヌ様を尊敬していたからね。」

 尊敬する人物を呼び捨てにしなければならない苦痛は
 エクレール自身が一番良く知っているからである。

 数時間後、一応確認作業という用事を済ませたキシラルは、
 帰国の途に付く事になる。

「すいません、ジョドー。」

「な、何でしょうか……ジャンヌ様?」

「司祭御一行を駅までお送りして下さい。」

「は…はい。」

 後の用事をジョドーに一任し、
 エクレールは踵{きびす}を返し、奥に戻る。

「流石はエクレール。力ソヌ映画祭に出たら
 主演女優賞間違い無しだぜ。」

「そ…そんな事はありませんわ……。」

「それで、これからどうするんや?」

 今後の対応を訊ねる大二郎。

 一時凌ぎで使節一行を誤魔化せたのはいいものの、
 エクレールがジャンヌと認識された今、
 再度の使節一行の来訪等に備え、
 早急な対応が必要になってくる。

 その時になってから対応したのでは
 後の祭りである。

「エクレールがジャンヌとして認識されてしまった以上、
 法王省から使節とかが来る度にエクレールを
 ジャンヌとして扱えばいいんだ。」

 その問題に対し、まりもは直接的で
 効果的な対策を提案する。



<九州同盟本部>
(08 Make me funky)

「ちわーっす、尾張屋です。」

 九州同盟締結の数日後、
 何の脈絡もなく謎の酒屋が現れる。

 よく見ると、狼牙軍団の二階堂光弘だった。

 どうやら、酒屋に変装しているらしい。

「み…光弘クン!?何故こんなところに……?」

「いや、その、狼牙さんから言づてが……。」

「狼牙さん……から、ですの?」

「『○月 ○○日、熊元鉄道の列車の中で待つ』と
 伝える様にって言われたんだ。」

 というと、上記の内容のメモをエクレールに手渡す。

「分かりましたわ。承知しました、とお伝え下さいまし。」

 と光弘に二つ返事をした後、後のまりも達に
 呼びかける。

「「さあ、参りますわよ、まりも、みっちゃん、扇ちゃん。」

 その呼びかけに、まりもと美亜子と扇奈が応える。

「オッケー。」

「いつでもいいですよ。」

「応。合点承知の助よ。じゃ、おれ達ゃ漢見物に行ってくるわ。」

<法王省のある教会>
 ところはトノリトス公国。

 この国では、現在、法王省の法皇を含めた幹部が
 ほぼ全員魔族に殺されてしまい、法皇省内の水面下で
 熾烈、かつ陰湿な権力闘争が繰り広げられている最中である。

「戻られたか、 キシラル司祭」
 ジャンヌ卿とやらはどうであった?」

 悪知恵が働きそうな老司祭、ドストンが
 日本から帰ってきたキシラルに早速問い尋ねる。

「ええ。生きておりました。
 若輩も若輩ですが、中々の俊才かと。
 しかも、日本の特体生勢力と組んで、
 魔族と対抗するとの事。」

「ジャンヌ卿は日本で背教に走っているとの噂がある。
 噂が早々に片を付けなければなるまい。」

「それは真の事でしょうな、ドストン司祭?」

 キシラルがドストンに釘を刺すが如く反論する。

 実際、この二人の間では、
 ドストンが邪智を練ったかと思うと、
 キシラルがそれを未然に釘を刺す事が多く、
 表面上の付き合いでは問題ないものの、
 裏では激しく火花を散らしている。

「とにかく、疑惑の真偽を確かめねばなりませんな。
 憶測や状況証拠、証言といったあいまいな証拠だけで
 討伐隊を派遣する意見には賛成しかねますぞ。」

「そうか……そなたがそこまで言われるなら、
 詰問の為の使節を派遣して、その真偽を
 確かめてから、という事にしておこうかの。」

 キシラルの理にかなった反論には
 流石のドストンも反対出来ず、
 渋々詰問の為の使節、という代替案で
 妥協せざるを得なくなる。

「では、この役目、グレッドにお任せ頂こう。」

 その提案に応ずるかの如く、聖職者とは思えない
 巨躯を持った司祭・グレッドが名乗りを上げる。

「おお、グレッド司祭か。そなたならば間違いはあるまい。」

 そして、ドストンはそのグレッドの耳元で……

「もしジャンヌ卿が取るに足りぬ小物であれば捨て置くといい。
 だが……もし我らの理想に立ち塞がる事があれば……
 お分かりか?」

「心得申した。では、早速……。」

予告
鈴麗蘭「エクレールを探し、旅を続けるマリーシア。
     そこに現れたのは、謎の白翼の少女・麗蘭。
     麗蘭はマリーシアを見初め、朋友の誓いを交わす。
     そして、遂に刻が動き出す……。」
マリーシア「次回大番長AA『序章最終話 第一章 「Noir&Blanc」』」
狼牙軍団全員「立てよ人類!!

今週の特体生
八神ちょこ(ぷろすちゅーでんとG)
体力 経験 距離 信頼 気力 攻撃 命中 回避 治安 収益 給料
70 23 普通 84 107 10 50 20 30
スキル 属性 対属性
食いしん坊 普通 機械・魔族
食いしん坊(気力2)〜与えたダメージの3分の1ダメージが回復する

後書き
今回の話は、九州同盟締結の話を
中心に書いて見ました。

次回で、やっと序章が終了します。

狼「次でやっと俺の出番か。長かったぜ。」

作「まあ、次はバリバリバトルもので行こうかと思うんだが。」

狼「へっ…腕が鳴るぜ。」

作「よっ、カッコいいぜぃ、主人公!!」


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撤退