序章その二 「御旗の下に・第一章 邂逅」

序章その二・新規登場人物
嶌{シマ}美亜子
大番長本編で最初に仲間に出来る汎用キャラ。
 本作ではメインキャラに昇格。
 少年漫画におけるメガネくんポジションよろしく、
 読者の分身みたいなポジションにいるキャラ。

ジャン=レオン
オリキャラ。エクレールの育った孤児院を経営している神父。
 昔は強盗稼業を営んでおり、悪魔のジャンという異名で
 「殺す奪う喰う飲む」の悪鬼の生活を送っていたが、
 幼い頃のエクレールに出会い、善の資質に目覚める。
実力的には、ジャンヌや死んだジャンヌの夫・ルドルフ将軍
匹敵する程の実力の持ち主。
フランスの某俳優に似ているとかいないとか。

阿寒湖まりも
ぷろすちゅーでんとGoodの主人公、猿藤悟郎が
 魔法で女性化して、細胞レベルから女性化して
 元に戻れなくなった魔法少女。
 両界残高校を中退した事からも学歴は全く無いが、
 かつては姫夜木研究所に属しており、
 半年前に憂国機団の野望を挫き、地球征服にやってきた
 異星人の侵略を退ける等の度派手な戦歴を有している。
 今はそこら辺のワルを〆て君臨している。
5秒CM
阿寒湖まりも「この後は、ぷろすちゅーでんとGRエ……」
 エクレール「大番長AAですわ!!」

<−死魔根−>
(27 All The Time)
  一応、この「御旗の下に」では、エクレールが老夫婦と分かれ、
  レジスタンス「新ホーリーフレイム・オルレアン」の
  旗揚げをするまでを描写する予定である。


  某月某日、死魔根にいたエクレールは
  旧狼牙軍団の嶌{シマ}美亜子と意気投合していた。

 「私、嶌{シマ}美亜子。よろしくね。」

 「私は……エクレールと申します。」

  屈託の無い飄々とした美亜子の自己紹介と、
  少々硬い感じがするエクレールの自己紹介。

 「エクレールね…じゃあ……
  エクちゃんって呼んでもいい?」

 「え、ええ……いいですわよ。」

 「じゃあ、私は美{みっ}ちゃんでいいわ。」

  なぜエクちゃん、美ちゃんなのか判らないが、
  とにかくエクちゃん、美ちゃんらしい。

 「ところで……エクちゃん、これからどうする?
  当てとかはあるの?」

 「さあ……当てと言われましても……特に有りませんわ。」

  戸惑いながら答えるエクレール。

  実際、エクレールにしても当てとかそういったものは
  一切ないのであり、戸惑いながら答えるのも無理は無い。

 「だったら私と組まない?損はさせないわよ。」

 「ええ、よろしいですわよ。」

 「えっと……そうだ。先ずはご飯でも食べましょ。
  腹が減っては何とか、って言うしね。」

  そう言うや否や、
  おもむろに明後日の方向を指差す美亜子。

  そこには一軒の中国系の飯屋が有った。


<−死魔根−とある飯屋>
(18 comical)
  その飯屋は、何十年もの年月を経た古き良き
  飯屋の雰囲気を醸し出していた。

  いや……飯屋というよりはむしろ屋台に近いと言える。

 「さあ、どんどん作るアルよ!」

 「へい、親方!!」

  厨房には所狭しと食材が吊り下げられており、
  一目で中国人とわかる店主が料理を作りながら
  若手の料理人を指導している。

  エクレールと美亜子の座った隣には、
  みすぼらしい服装の老人と二人の子供が
  具のまばらな鍋を突付いている。

 「さあ、こっちぢゃよ。さあ食べよう。」

  子供達に食べさせる為、具をよそう老人。

 「わあ、おいしそう。」

 「おいしいね。」

  嬉しそうに鍋を突付き、数少ない具を頬張る子供達。

(23 silence..)
  それを横目に苦々しげに愚痴を溢{こぼ}す美亜子。

 「ふぅ、嫌な事を思い出すわね……。」

 「嫌な事……ですか?」

 「私も……元々はあの子達とと同じなのよ。」

 「え?」

 「私はそれが嫌で故郷を捨てたの。
  1日に飯は一食、多い日で二食。
  しかも水増しした味噌汁が一杯よ。」

 「……私……絶対に、このまま終わらないわ。
  絶対に故郷に錦を飾るんだ!」

  拳を握り締めながら、低く、しかし力強く呟{つぶや}く。

(32 terrible beat A)
 (SEワァァ……) 

  その時、突然店先が騒がしくなった。

  店先を見ると、巨漢のチンピラが
  飯屋の店主の胸倉を掴んで脅している。

 「何するアルか!ワタシ、この店経営する店主アルよ!!」

  だが、その抗議も虚しく…… 

 「アイヤー!!

  小柄な店主はチンピラの巨腕に投げ飛ばされ、
  老人と子供二人の鍋の上に真上から落ちる形になる。

 「はわぁ!うわぢゃ〜〜〜!!!!

  鍋の熱湯を背中に浴びた店主は、
  余りの熱さに悲鳴を上げる。

 「わぁ!」

  無論、鍋も無事ではなく、
  鍋の中の具が呉服屋を開店したかの如く
  しっちゃかめっちゃかになる。

 「これでもまだ俺様には只で食わせられねぇってか!?」

 「あわわ……」

 「てめぇのものは俺様のもの!俺様のものは俺様のものだ!
  さっさと言う事を聞けぇ!!」

  増長したチンピラは、ガキ大将の様な理論を展開し、
  更に店主を脅す。

  無論、店主は脅え切っている。

 「『うう……冗談じゃないわ。
  こんなところで怪我する訳にはいかないわ。』」

 「エ、エクちゃん……早く逃げよ。」

  チンピラの理不尽な暴力に、美亜子は憤りを覚えるものの、
  自分が何も出来ない事を知っており、
  一刻も早くこの場を立ち去る事をエクレールに忠告する。

 「理不尽な暴力の為に、目の前で人が困っているのに……
  何もしない訳には参りませんわ!」

  だが、元来正義感が強いエクレールはその忠告を非とし、
  その悪行を止めんとチンピラの前に立つ。

 「ちょ、ちょっと…殺されるわよ!!」

  必至に止める美亜子だが、それも空しく、
  傍若無人に暴れていたチンピラは
  目の前のエクレールに気付き、インネンを吹っ掛ける。

 「何だてめぇは?ぺしゃんこにされたくなかったら引っ込んでな!」

 「そうは行きません。
  あなたの悪行を黙って見過ごす訳には参りませんわ!」

  チンピラは鼻であしらわんとするが、エクレールは
  チンピラのその言葉を否定する。

 「何を〜!

 「この店は、この店の店主さんが必死に
  汗水垂らして築き上げた店です。
  それを壊していい権利など、誰にも有りませんわ!」

  至極もっともな正論でチンピラの悪行を咎めるエクレール。

  だが、無論、訳の判らない小娘に咎められたくらいで
  悪行を思い留まるチンピラでは無い。

  むしろ、火に油を注ぐ結果になったのは
  誰が観ても明らかである。

 「それがどうしたよ!」

  倣岸不遜な態度は、とても話を聞きそうに無さそうである。

 「聞く耳無しですか……仕方が有りませんわね……
  では……しかと懲らしめて差し上げますわ!」

  その倣岸不遜な態度を見て説得が困難と判断したエクエールは
  そう言うと、腰のアリスソードを抜いた。

  ただ、鞘に納めたまま抜いたので、殺すつもりは毛頭無いらしい。

 「へっ!!今の世の中、この腕一本ありゃあ、
  Bストーンの方がついてくるのよ!
  てめぇなんざ一発でなにをぱらだぁ!!

"SEドコオッ)

  エクレールに咎められた怒りを示すかの如く、
  裏拳で後ろの柱を壊すチンピラ。

 「あわわ……」

  その柱の惨状を見て、店主と美亜子は震え上がる。

  まあ、当のエクレールは全然動じていないので問題は無いが。

 「捻り伏せてやるわ!へやーっ!!

  チンピラの拳が唸りを上げる!!

(27 All The Time)
"SEメキョッ)

  だが、その拳はのエクレールの正眼に構えた鞘付きアリスソードに
  迎撃され、チンピラの指が複雑骨折してしまう。

 「あいとわ!!

 「あ、あうぎゃへ〜〜〜〜!!」

  エクレールに拳を破壊された……
  というより自分のパンチを剣に叩きつけて
  半ば自滅したと言うべきか。

  チンピラは、複雑骨折した指の痛さに絶叫する。

 「うえふが〜!!ふがもがけだぁ〜あ!!」

 「これに懲りたら……二度とこんな真似はしないで下さいまし……!!」

 「おいへげえ……ひぎ、はげ、ほげ、おご、へげ、ぶっ……。

  目を瞑りながら鞘に納まったアリスソードを腰に納めるエクレール。

  当然拳を潰されたチンピラは激痛に悲鳴を上げながら
  尻尾を巻いてdズラする。

 「『つ、強い……エクちゃん、とんでもなく強い!!』」

アイキャッチ
嶌{シマ}美亜子「汎用キャラだって頑張ってるのよ!」


アイキャッチ
二階堂光弘「エピローグとキャラクリくれー!!」

<−死魔根−とある飯屋・夜>
(18 comical)
  夜の飯屋。店主が助けてくれた礼にと
  エクレール達に夕食を振る舞っている。

  エクレールの目の前のテーブルの脚が折れそうな程に
  乗っかった大量の御馳走は、店主の歓待振りを如実に物語っている。

 「いや〜、アナタ滅茶苦茶強いアルよ。」

 「助けていただいて、
  ホントに何とお礼を言ってよいやら……」

  昼間、店に悪事を働いていたいたチンピラを撃退した事で、
  店主と老人に感謝されるエクレール。

 「そ、そんな事はありません…
  当然の事をしたまでですわ……。」

  そんな感謝の言葉に、
  エクレールはエクレールらしく謙遜している。

 「それでは、失礼致しますわ。」

  食事も終わり、帰ろうとするエクレールだが、
  美亜子が重大な問題を提起する。

 「ところで、何の当てが有るの?」

 「何れ持ちBストーンだって尽きるし……
  宿だって決まってないのにどうやってBストーンを稼ぐのよ?」

  美亜子が泊まるべき宿の無い事をエクレールに指摘する。

  確かに、その指摘の通り、今日の……
  いや、今日のみならず、明日からの宿の保障等全く無いのである。

 「あの〜……あんた達……もし宿が無いなら
  わしのとこへ止まるといい。」

  その状況を見かね、老人が今夜の宿の提供を申し出る。


<−死魔根−スラム街・老人の家>
(21 dash to trush 〜unpluged〜)
  スラム街の一角に、その老人の家は有った。

  だが、家というには余りにも質素な造りであり、
  アバラ屋、と言った方がしっくりくる造りとなっている。

  まあ、周りの住宅郡も同じ様な建物が多く、
  余り浮いた感じがしないが。

 「まあ、汚いとこですが、さっさっどうぞ」


<−死魔根−老人の家の中>
 「只今。」

  家に入ると、中では所狭しと多くの子供達が
  遊んでいた。

  中には風邪を拗{こじ}らせていて
  寝込んでいる子供もいる。

  一見するまでも無く、貧困による
  劣悪な環境である事は察するに余りある。

 「あ!お帰り!」

 「お帰りなさ〜い。」

  劣悪な環境にも関らず、子供達は明るい挨拶で
  老人を迎える。

 「さあ、薬を買ってきたぞい。これで熱も下がるじゃろう。」

  ボロボロの袋の中からビン入りの薬を取り出し、
  風邪で寝込んでいる子供に見せる。

 「うん。」

 「ちょっと狭いですが寝るには困りますまい。」

  そして、そう言ってエクレールと美亜子を
  寝る場所にまで案内する。

 「ふぅ…今日も布団無し、か……」

  そうボヤく美亜子。それを聞いて……

 「すいませんね、子供が多いもので……わしの毛布ですがよければ……」

  自分の布団を渡そうとする老人。

 「いいよ、布団が無くても。」

  だが、美亜子はその申し出を断る。

 「そう言わずに…客人に風を引かせる訳には行きませんから……」

  そう言って、飽くまで美亜子に布団を手渡そうとする老人。だが……

 「子供達に風邪を引かせたらどうするのよ?」

  と遠まわしに美亜子の子供達を気遣う言葉を聞き、
  布団を手渡す事を断念する。

 「お客人……」

(25 Warm glow)
 「お爺さん、この子達は?」

  すやすやと寝息を立てて寝ている子供達を見ながら、
  老人に子供達の事を問うエクレール。

 「は、はあ…皆、両親に先立たれた孤児達です。」

 「病気の子もいまして面倒を見ておるんですが…薬代にも事欠く次第で……。」

 「そうですか……。」


<−死魔根−スラム街・ならず者のアジト>
(32 terrible beat A)
  ところは死魔根一帯を荒らしまわっているならず者達のアジトである。

  ならず者に限らず、悪者のアジトというのは、
  どうも決まって暗くてじめっとしていや〜な、
  ダークな雰囲気を醸し出している、と相場が決まっているらしい。

  そこで、そのならず者集団の頭目である阿寒湖まりもとその子分達が
  対立するならず者集団を蹴散らし、そのボスを取り囲んでいる。

 「くそっ!俺達のシマで好き勝手しやがって!」

  ボスはそう強がっているものの、既に手下は全て逃げ去り、
  残る戦力は自分一人、そして手に持っている山刀一本という有様である。

 「フフフ、これからはこの一帯は俺達のシマだぜ。」

 「悔しかったらかかってきな!」

  まりもの子分の一人が味方の圧倒的優勢をいい事に
  調子に乗って挑発の言葉をかけ、ボスを嗾{けしか}ける。

 「死ね矢コラー!!」

  無謀にもボスは、その挑発に乗って山刀でまりもに斬りかかる。
  が……

"SEガシャーン)

 「〜〜〜ッ!!!!」

  まりもの左拳が山刀を粉々にし、
  そして、右拳がボスの顎を捉え、
  その一撃はボスを瞬時に戦闘不能に導く。

 「どをぇへぷ!!

  戦闘不能になったボスは、
  見事に錐揉みしながら壁に叩き付けられ、
  そのまま病院送りとなった。

"SEバァン)
 「まりもの姐御!」

  その時、いきなり乱暴にドアを開けて子分達が入ってきた。

  その様子から、かなり急いできたらしいという事が推測される。

 「どうした?」

 「見つけましたぜぇ!!兄貴をやっつけた女を!」


<−死魔根−飯屋>
(32 terrible beat A)
  ところは再び飯屋に戻る。

  まりもの手下が大勢飯屋を取り囲んでいる。

  これらはエクレール達が飯屋から逃げられない様にする
  人の壁も兼ねている。

  もっとも、エクレールが本気になれば
  無傷で飯屋から逃げる事などは朝飯前ではあるが、
  無論、正義感の強いエクレールが飯屋の中の人々を
  見捨てて逃走を図る様な真似をする筈が無い。

 「オメェか、おれの舎弟を倒したってエクなんたらってのは……
  百倍にして返してくれるぜ!」

  そう言って指をゴキゴキと鳴らしながら、
  まりもはエクレールに一騎打ちを申し込んでくる。

 「貴方は……どなたですか?」

 「おれの名は阿寒湖まりも、
  この街を裏から仕切っているモンだ!」

  エクレールの問いに、
  威勢良く啖呵を切りながら名乗り上げるまりも。

 「そうですか……ところで……」

 「貴方は……何の為に戦っているのですか?」

  一息ついて、エクレールが戦う理由を尋ねる。

 「な、何言ってんだ?」

  見当違いなエクレールの問いに、
  「ハァ?」な顔を浮かべるまりも。

 「腕に自信がお有りの様ですが、何の為に戦っているのですか?」

  再び同じ質問を繰り返す。

 「ハァ?何訳を判らない事を言ってやんだ!!」

  だが、その質問の意図と内容を把握出来ていないまりもは、
  怪訝な表情で毒づく。

 「……どうやら、何も考えておられない様ですわね。」

 「どうですか、貴方の力を私達に貸して頂けませんでしょうか?」

  エクレールのいきなりの青田刈り、即ちヘッドハンティング。
  余りにも唐突な申し出に、一瞬困惑の表情を禁じ得ないまりも。

 「何だぁ!?いきなりそんな事言われてハイって言うと思ってんのかよ!!」

  当然、まりもはそのいきなりの青田刈りを拒否し、
  エクレールをブン殴る。

 「うわぁっ!」

  まりもの鉄拳でエクレールが吹き飛ばされたものと早合点し、
  両手で目を覆い隠す美亜子。

  だが、その拳は虚しく宙を切っていた。

 「どうしました?そんな事では私は倒せませんわよ!」

  珍しくエクレールが挑発のセリフを述べる。

 「う、うるせえ!!」

  その挑発セリフがまりもの鶏冠に来て、
  力任せの大振りの一撃を繰り出す。

  そこへアリスソードによる首への
  カウンターの斬撃が迎え撃つ。

 「くっ!」

  アリスソードの鋭刃がまりもの首を捉えるが、
  その刃は首筋で寸止めされた。

 「これ以上戦うのは意味が有りませんわ。」

  そう言うと、アリスソードを鞘に収める。

 「おのれぇ!」

 「よくも姐御を!」

  まりもが負けた事に飯屋を囲んでいた手下達が激昂し、
  エクレールを倒さんものと店屋の中に乱入する。

 「やめろ!!」

  だが、それらの暴挙はまりも自身によって
  制止される。

 「こいつはオメェらの敵う相手じゃあねぇよ。」

  まりもは、そう言って手下達の行動の愚を諭す。

 「し、しかし……」

  だが、手下達は納得しないらしく、
  異議を申し立てる。

 「この喧嘩はおれの完敗だ!
  これ以上グダグダ言いやがるとぶっ飛ばすぞぉ!!」

  まりもは、更に異議を申し立てる手下達に、これ以上の異議は
  実力を持って阻止する、と言い、断念させる。


<死魔根ー街外れ−>
(27 All The Time)
  死魔根の街外れ、
  エクレールと美亜子、そして黄昏れているまりもがいる。

 「おれは今まで力だけを頼りに生きてきた。
  ……ある程度欲しいものも手に入れてきたし、
  その辺の奴には無論、そこいらの魔族にも負けた事が無かった。」

  まりもはそう言うと、拳を握り締め、更に続けた。

 「分っていた……」

 「満たされていたさ。だけど……満たされてはいたが、
  心のどこかで虚しさも感じていたんだ。」

 「どんなに仲間内で……狭い街中で力を誇示したところで
  所詮は井の中の蛙……。」

 「だが如何すれば大海にを出られるのか、それすら判らねぇんだ。」

 「俺って馬鹿だからな……。」

 「そんなおれの心の隙間を…目を見ただけで一発でアンタは見抜いちまった。
  しかもおれには見えない何かをあんたの目は見てやがる。」

 「一体、アンタは何をしようとしているんだ?」

 「私ですか……。」

 「私も……。」

  一瞬空を見て、間を置いた後、エクレールはおもむろに話し出す。

 「私も、かつてはあなたと同じですわ……。
  そんな私でも、一人の女性に出会った事で、
  変われたんです。」

 「私は、彼女と再会した時に、誇れる様な私になっていたい……
  だから、私は彼女の為に世界を変えて見せますわ。」

 「へぇ……一人の女の為にねぇ……。」


 <−死魔根−爺さんの家>
  再び爺さんの家。

  だが、爺さんの家の中は何故か人っ子一人おらず、
  外にはジャン神父と爺さんと子供達がいた。

 「おお、エクレールさんに美亜子さん。」

 「お姉ちゃ〜ん!」

  爺さんと子供達が嬉しそうに挨拶する。

 「お爺さんに……ジャン神父!!」

 「エクレール……久し振りだね。」

  ジャン神父が会釈し、
  エクレールは深く頭を下げる。

 「一体、これはどういうでしょうか?」

 「神父様が子供達を引き取ると申し出て下されましてな……。」

 「神父が……。」

 「孤児院は施設もしっかりしてましてな。
  これなら病気の子でも安心ですじゃ。」

(32 terrible beat A)
"SEギャルルルルッ)

 「うわぁ!」

  その時、突然降って沸いてきた様な魔族の襲来。

(07confront the enemy)
 【デスマッチ 阿寒湖まりも、エクレール、ジャンvs魔族】

  当然、まりも一人倒せなかった魔族にこの三人を倒せる訳が無く、
 全匹倒される。だが……

(SEゲェゲボォッ)

 魔族の最後の一匹が最後の力を振り絞って
 妖気弾を吐き、子供達を襲う。

  「危ない!!

(32 terrible beat A)

  その瞬間、エクレールの全身の毛という毛が逆立り、
  エクレールの周囲の空気が鉛の如く重くなる。

  これぞ疾風{ヴィート ヴァン}!!!!!
  
  初速からいきなり最高の速さに達する足の運びで、
  一瞬の内に間合いを詰める幻の体技。
  日本では神速と呼ばれる絶技。

  絶対無音にして白黒の世界の中、
  背中に黒い翼を宿し、エクレールは疾走りだす。
  絶対に届くはずの無い距離を一気に詰めていく。

  そして、自らを盾にしてにして
  妖気弾の餌食になろうとしていた子供達を助ける

 「エクレール!!」

(27 All The Time)
  幸いな事に、黒い翼が盾となって
  子供達は無傷で済み、エクレール自身も
  さして傷を負っていなかった。

 「……間一髪……ですわ。」

 「ふぅ〜……普通なら死んでるわよ。」

  エクレールの無事を確認し、
  どっと冷や汗をかく美亜子。

 「な、何故こんなムチャな事を!!?」

  当然ではあるが、まりもが何故こんな事をしたのかを聞く。

 「ええ、そうですわね。全く……自分でも匹夫の勇だと思いますわ
  でも、性分なんです……こういうのを見ると放っておけなくて……。」

  その問いに、はにかみの微笑を浮かべながら
  そう答えるエクレール。

  その答えを聞いて、まりもの心には
  言いようの無い昂揚感が湧き出てくる。

 「『判ってた?この女、判っててこんな事を……』」

 「『何かよォ……こんな女に出会えるなんて
  何だか無性にうれしいぜ!』」

 「『この女が何処までいけるわからねえ。だが……』」

 「『だが、んな事ぁどうでもいい!おれは……
  おれは無性にこいつに着いていきたくなったぜ!!』」

 「やっぱりスゴイ……エクちゃん、ホントに凄いわ!」

 「エクレール……アンタに見せたいものがある。」


<−死魔根−スラム街・ならず者のアジト>
(30 Big Bang Age)
  スラム街のまりも達のアジト。

  まりもの後ろには、子分達が
  全員勢揃いしていた。

 「こ、これは……」

  その光景に圧倒され、
  口をパクパクさせる事しか出来ない美亜子。

 「こいつらはおれの子分だ。ざっと二百人はいる。
  エクレール……おれはアンタに命を預ける!!
  こいつらも一緒にだ!!」

  まりもがそう言うと、まりもの後ろの子分達が
  一斉に頭を下げた。

 「おれ達は一人一人じゃ何も出来ねえ……
  どうしようもねぇ落ち零れだ……。」

 「だが、そんな食み出し者のおれ達でも
  こんだけ集まればきっと何が出来ると思うんだ。」

 「おれ達はアンタにかけたんだ。
  おれ達の……おれ達の夢の代表になってくれ!!」

 「まりもさん……。」

 「おっと、おれの事はまりもでいいぜ。」

 「ええ……解りました……貴方方の気持ちは、
  ありがたく頂戴致しますわ。」

  エクレールはまりもと契りの握手を交わす。

 「アンタに託したいものが有る。」

  まりもは、そう言うと懐のポケットからメモ帳を取り出す。

  そのメモ帳は、とても古びていて、
  数々の修羅場を潜り抜けてきた事を如実に語っていた。

 「……おれは1年前、Bストーンの採掘で
  一山当てようとした事があった。」

 「おれが発見したその場所には、
  おそらく膨大なBストーンが眠っている。」

 「確かなの?」

  美亜子が事の真偽を確かめるべく質問を投げ掛ける。

 「ああ、間違いはねえ。だが、そこは冬となると厳寒の地となって、
  とても人が留まる事は出来ねえ。
  そんな土地でも夏の暖かい時から開発すれば、成功は確実だった。
  だが、あと一歩というところで……」

 「だがアンタなら出来るかもしれん。このメモをアンタにやろう。
  それをアンタの……そしておれ達の夢の為に役立ててくれ!!」

 「まりも……ありがとうございます……!!」

  こうして、
  新ホーリーフレイム・オルレアンの旗揚げに一歩近付いた。
予告
斬真豪「早川家に財政的支援を求めにいくまりも。
     だが、早川家では重大な事件が勃発していた.
     まりもは果たしてどう動くのか!?」
阿寒湖まりも「次回大番長AA『序章その二 「御旗の下に・第二章 再会」』」
狼牙軍団全員「立てよ人類!!

今週の特体生
ジャン神父(オリジナルキャラ)
体力 経験 距離 信頼 気力 攻撃 命中 回避 治安 収益 給料
200 70 90 130 50 99 50 80
スキル 属性 対属性
神の拳 白魔 黒魔・魔族
神の拳(気力3)〜攻撃力1,5倍・絶対回避・絶対命中

後書き
エクレールがジャンヌの後を継ぐ、というコンセプトは、
安彦良和先生の「ジャンヌ」の主人公エミリーから取りました。

この「御旗の下に」は3〜4話位で納めようと思います。


ジャンヌ 安彦良和著
“奇蹟の少女”ジャンヌ・ダルクが火焙りに処せられてから10年。
新たなる分裂の危機に頻していたフランスにあって、ジャンヌに
あこがれる少女エミリーは、ジャンヌの幻にみちびかれ、
彼女の跡をたどるかのように、人と歴史の苛酷な宿命に巻きこまれていく……。
鬼才・安彦良和がオールカラーで描き下ろした歴史ファンタジー・コミックの
傑作が1冊の愛蔵本になって再登場。  


苦情などの感想はここへどうぞ。
また私の妄想に満ちたサイトは
http://homepage3.nifty.com/shin-yaminokai/
となっております。
よろしかったら是非遊びに来て下さいませ。


撤退