| 【 京夜のドリル日記 】 第15話「海洋学園でガッツ!遭遇編」 著:夕凪 |
| 【前回までのあらすじ】 京夜に一目惚れした普通科の洋子は告白を決意。 同級生の雪之に励まされ、京夜のいる海洋科プールに来た洋子であったが.... ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 昼休み:海洋学園、海洋科プール 海洋科の昼休み。 ”京夜のチ○ポをゲットするぜ!” そんな淡い思いを胸にフェンスを乗り越えて、海洋科プール敷地内に降り立つ洋子。 だが、京夜は、雪之によく嫌がらせをしているスケバン3人組の1人キノコ頭の洋子のらしからぬ振る舞いと言動に本能的に危険性を感じ取っていた。 「さあ、深海く〜〜ん。一緒にイルカ見ようよ〜〜プリ♪プリ♪」 「そんなに見たければ、一人で勝手に見りゃいいじゃねぇか!」 「でも、本当に見たいものがあるの〜〜 わかるぅ〜〜?深海く〜〜ん。キャピ♪キャピ♪」 「知らねぇよ!そんなもん」 「それは.......」 一気に京夜に飛びつき、京夜の海パンに手をのばす洋子! !? 京夜の背筋を悪寒が奔る! 洋子の手を手刀で払いのけ、同時にサイドステップでかわす。 ”こいつ、今、俺の海パンを狙いやがった!?” 瞬時に京夜はTシャツに海パンという軽装を後悔した。 京夜が水に入れなくなっている事を知る者は少ない。 一時的なものだろうとの希望的観測から、相変わらず何でもないように軽装していたのが裏目に出るとは...... 「てめえ、一体どういうつもりだ?!」 「いや〜〜ン。そんな恥ずかしい事、私言えな〜〜い。ウフフのフ♪」 洋子の言動や突進は冷や汗が出る。 ”あの間合いでもギリギリなのか....” 洋子の不意の突進もさることながら、体が萎縮して自分の反応が遅れている。要するに洋子の殺気に気圧されているのだ。 ”前略、田舎のバァさん......これも丐眞流の習練をサボってるツケか?” 再び、じっくり間合いを詰める洋子。 横の動きを加え間合いを保ち牽制しようとする京夜。 その二人の動きは、プール周辺のギャラリーの注目を集め出していた。 だが、京夜は洋子から目が離せない。 ”隙を作れば、飛びかかってくる”そんな、威圧感が洋子にはあった。 「深海く〜〜ん。雄イルカの”おちんちん”って大きいの?キャピ♪キャピ♪」 「そんなもん!知るか!!」 「え〜〜〜〜?知らないのォ〜〜 じゃあ、深海君のは?ビック?ビックでしょ?ウルルンルン♪」 「くだらねぇ事を言って....」 !!!!? 会話に気を取られ後退する京夜の足がプールサイドの縁に引っかかる。 ”しまった!” ほんの些細な体勢の崩れであったが、洋子は見逃さなかった! 「いっただきま〜〜〜す!!!」 間髪入れずに飛びかかる洋子! ”逃げられない!?” 瞬間的に下に身を投げだし、足をひっかけつつ片手で洋子の腰を払い、洋子の突進を後方への払い投げに転化する京夜! 洋子の体が宙を舞う! さっば〜〜〜〜〜ん!!! 派手な音を立てて洋子はプールに落ちた。 パチパチパチ..... 京夜のとっさの動きに周りのギャラリーからまばらな拍手がおこる。 「危ねぇ.....」 よく今の動きができたものだと、冷や汗を流す京夜。心臓に悪い相手である。 「きゃ〜〜!たすけて〜〜〜深海君!!! あたし、泳げないの〜〜!おぼれるぅ!!」 派手に水面でもがき、叫び声を上げる洋子! しかし、京夜は動かない。 それを、見ていたギャラリーの数人が洋子を助けようとプールサイドに近づいた。 「おい!ちょっと待て!」 京夜はギャラリーを制止すると、ビート板を手裏剣の要領で洋子に投げつけた。 ポコーン! 見事、洋子の頭に当たり跳ね返るビート板。 洋子はニヤリと笑って振り向いた。 「ひっど〜〜〜い。深海君。 助けてくれてもいいのにぃ〜〜ウルルンルン♪」 ビート板には目もくれず、平泳ぎで戻ってくる洋子。 ギャラリーの間にどよめきが奔る! 「おまえら、危ないから離れてろ!」 集まり出している周りのギャラリーに注意をうながし、洋子に備える京夜。 水しぶきをあげプールサイドに上陸する洋子。 「イヤ〜〜〜ン。制服濡れちゃった〜〜〜 深海く〜〜ん。どこか服の乾かせるところで一緒に休みましょ〜〜〜プリ♪プリ♪」 「一人で勝手に校舎裏のゴミ焼却場にでも行け!」 「でも、本当に乾かして欲しいのはこの体。 この冷え切ったボディよ! 見て、深海君。ほら、この豊満な胸も〜キャピ♪キャピ♪」 濡れた制服越しに洋子の乳首が立っているのにビビる京夜。 「おまえ!ノーブラじゃねぇか!?」 「そうよ、深海君の為にノーブラなのよ〜〜 私と深海君の間にはそんなものいらないのよ〜〜 もっとよく見たい?見たい?深海君。 じゃあ、もっと見せてあ・げ・る♪」 制服のリボンを解いて、鎖骨あたりをはだける洋子。 既に第一ボタン外れていて、はみ乳が見える。 ”は....はみ乳” さらに、第二ボタンを外そうと手をかける洋子。 「うおおおっ!」 京夜は焦りまくって、洋子の両手を掴み阻止した。 「ようやくその気になった?深海君。 さあ、遠慮しないで、さわってもいいのよ! そして、揉んでェ〜!舐めてェ〜〜!深海く〜〜ん!」 「何を腐れた事言ってんだ!てめえは? この海洋科でふざけたマネは絶対させねぇからな!」 ぐぐぐぐぐぐぐぐぐっ...... あくまでボタンを外そうとする洋子とその手を引き剥がそうとする京夜。 両者立ち合いでの力と力のぶつかり合い! 「ぐぐぐぐっ!.....も、もっと.....素直になれば..ぐっぐぐぐ......ふ、深海く〜ん......」 「うぐぐ......てめえこそ....うぉぉぉっ.....どこかに消えやがれ!」 だが、純粋な力比べでは、やはり京夜の方に部がある。 徐々に洋子の両手を引き剥がしバンザーイの体勢まで吊り上げる京夜。 「あ、痛タタタタ......わかったわよ。もう降参するから手を離して...」 「何言ってんだ、このまま締め上げて外に放り出してやる!」 洋子は既に腕の力を抜いていたが、京夜は手を離すことなどしない。 ようやく、どうなることかと注視していたギャラリーの間に安堵が広がる。 だが、洋子は京夜を肉食獣の視線で見つめた後、ニヤリと笑った。 そこには、何かをかなぐり捨てたような影が見えた。 「そう、そんなに高坂サンがいいの?深海クンは? あんな、男に媚び売ったカマトトのどこがいいのさ?」 「何ィ?雪之先輩は関係ないだろうが! それに、俺と雪之先輩はそんな関係じゃねぇ!」 「へー高坂とヤってないの? じゃ、深海クンに貢がせでもしているワケ?高坂もなかなかやるねぇ〜」 「言うに事欠いて、何を言ってるんだてめえは!」 「深海クンは高坂に惚れてるの?じゅんじょ〜〜〜 深海クン知らないのォ〜高坂はそんなタマじゃないよ。 あいつは金の為なら何でもヤル女だからね〜」 「て、てめえ!調子に乗ってデタラメ吹いてんじゃねぇぞ!!!」 激怒のあまり、洋子の胸ぐらを掴み上げる京夜。 だが、洋子はそれを待っていた! 「だから.....あんたのチ○ポよこせ!って事だよ!」 自由になった手で腰に抱きつき、そのまま京夜もろともプールへ身をなげだす洋子。 ”しまった!” さっば〜〜〜〜〜ん!!! プールの底に沈みゆく二人。 京夜の腰には洋子が食らい付き、執拗に海パンをはがそうとする。 ”放しやがれ!” ゴン! 水中で洋子の頭に肘打ちを見舞う京夜! だが、水中での運動抵抗と体運動の固定点が無い水中では反作用で打撃威力が拡散する為、ほとんど効いていない。 ”逃がさないわ!深海ク〜〜ン” 京夜を凝視し不気味に笑う洋子。 揺れるキノコヘァー越しに水中に射す光で浮かび上がるその顔は、水中の妖怪そのものだった。 ”ひぁぁぁっぁ!!!” 訳の分からない悲鳴をあげ、一気に空気を吐き出す京夜。 とっさに、洋子に指で目つぶしを入れる! ”ウキョッ!” 思わず洋子が手を放した隙に、蹴りを入れその反動で水面に向かう京夜。 水中に沈んでゆく洋子。 ”息ができない” だが、洋子の顔面恐怖感がかろうじて京夜の意識をつなぎ止める。 水面へ躍り出ると、京夜は一気に水を吐きだした! 「げふっ!.....げふっ!....げぼっ!」 意識が定まらない。体に力が入らない。 しかも、水面に出ると水の恐怖感がじわじわ染みこんでくる。 体が硬直していく。 ”だめだ、浮いてられねぇ....” 沈みかけたその時、目の前にビート板が投げ込まれた。 必死にそれにしがみつき一息つく京夜。 見れば、ギャラリーが京夜に向けてビート板を次々投げ込んでいた。 ポコーン! そのいくつかは、京夜の頭に当たり揺らぐ意識を引き戻す。 「まったく....げほっ!.....ありがたい話だぜ......ごほっ!げぼっ!」 とにかく、プールサイドに戻らなくてはならない。 片手で水を漕ぐ京夜。 しかし、体が重い。思うように動かない。 2m程先のプールサイドが遙か遠くに感じる。 級友が掃除用のホウキブラシを差し出しているのが見える。 それに掴まり、プールサイドまで引き寄せられる京夜。 「おい、大丈夫か?京夜」 「げふっ!....ごふっ.........全然大丈夫じゃねぇ.......ごほっ!」 級友が心配そうに声をかけるが、返事が弱々しい。 その時、級友の顔が恐怖に染まった! 「どこ行くのォ!あたしのチ○ポォ〜!」 さっぶ〜〜〜〜〜ん!!! !!!!!!? 水面に躍り出た洋子は京夜を捕まえ、一瞬で水中に引きずりこむ! 視界が水に包まれ、水面が遠ざかっていく。 背後から手足で京夜に絡みつき、動きを封じる洋子。 胸に絡めた手が、京夜の胸板を撫でまわす。 恐怖感と嫌悪感が一気に京夜の脳に流れ込み悲鳴をあげた! ”打撃も目つぶしも無理だ” 京夜は、洋子の右手首をとると両手で力をこめて外側にねじった。 ”ウキャッ!” 洋子の締め付けが一瞬緩む。効いている! ”離れろ!この妖怪!” ”あたしから逃げられると思ってんの!” 左手で京夜の胸板をかきむしり、首筋に噛みつく洋子! うおっっぅッ! ”しまった!空気を吐き出しちまった!” ぼこぼこぼこ〜〜〜〜 無情に水面へ逃げていく体内の空気。 息ができない。体内の生命危機の警報が一気に鳴り出す。 体の感覚が消えていく。 洋子が噛みついている首筋の痛みだけが脳に伝わってくる。 さらに体内に食い込む洋子の牙! 京夜の脳裏に昔の思い出が浮かび、エンデングロールが流れはじめる。 ”死ぬ.......このままでは死ぬ!” 生への渇望!!! 無意識に洋子の右手首をねじ込み切った! ごきっ! !!!!!!!!!!? 洋子の手首の関節が外れる音がして、急に体が軽くなる。 ”急げ!” 視界が白くなりかけている。 手の触感で壁づたいに登り、水面に躍り出て水を吐き出す京夜。 ”ここに居たら死ぬ。 上がれ!プールサイドに上がるんだ!” 京夜は思考を無にした。強い自己暗示をかけ力の尽きかけている体に無理矢理活力を流し込む! 一気にプールサイドに飛び上がり、転がる京夜。 「げぼっ!.......げぼ!............ぐほっ!....うぇえぇ.....」 体が要求する空気に呼吸が追いつかない。 プールサイドに横たわり、激しく息つく京夜。 もう体に力など残ってはいない。 級友が駆け寄るが、どうすることもできない。 京夜は級友に離れるように弱々しく手を振った。 「ぐほっ!........あ、あいつが来るぞ........げぼっ!」 海洋科のギャラリーが静まりかえる中、 ざぶりと水をしたたらせ、洋子がゆっくりプールサイドに上がって来る。 忌々しげに右手首を押さえていたが、京夜の様子を見るなり舌なめずりする。 「ふへへへへ..... どうしたのォ〜〜?深海君。顔色が悪いわよ〜〜〜 これから、二人のラブラブタ〜イムだから、がんばってもらわなきゃ困るわ〜〜」 京夜に外された右手首の関節を左手でゴキリと戻す洋子。 ”なんて女だ......” 「深海く〜〜ん。早くもマグロ状態?せっかちね〜 でも、そーいうの嫌いじゃないわ。ふへへへへ.....」 京夜に歩み寄る洋子。 ”だめだ、力が入らねぇ...” 体を動かそうとするが、全ての力が水に流れ出たごとく上体をおこすのもままならない。横たわったままゴロゴロ転がろうとするも、洋子は京夜に馬乗りになりその動きを封じてしまう。 「つ〜か〜ま〜え〜たっ♪ アハハハ、やっぱりいいわ男に乗る感触は..ハァハァ.... いいわ〜この厚さ!この肌触りィィィイ!! 高坂には勿体ないわ〜〜ァハハハッハハ!」 Tシャツの下から右手で京夜の胸板を嬉々としてまさぐりまくる洋子。 生理的嫌悪感と恐怖感だけが京夜の脳に伝達する。 「うおぉぉぉぉぉ!!!」 反射的に順突き(右手突き)を繰り出す京夜であったが、力の失ったそれはただ洋子に右手をスローに伸ばした動きにしかならなかった。 「ハァハァハァ......慌てなくても..... ハァ.........邪魔者が居ないトコロで....縛り上げて... ハハハ........24時間た〜っぷり絞りとってあげるわ、深海く〜〜ん」 あっさり、掴まえた京夜の右手指をベロベロ舐め回す洋子。 !!? 京夜の脳裏に絶望感が広がっていく。 「ハァハァ......でも、これだけ手こずらせてくれたんだらから....ハァ....先にチ○ポの味見してあ・げ・る♪」 !!!!!!? 海パンの下に手を伸ばす洋子。 太陽の逆光を浴びて浮かび上がる洋子の顔は勝者の優越感と残虐性に満ちあふれていた。 ”前略、田舎のバァさん......俺の丐眞流は破れちまった。すまねぇ” 京夜は覚悟を決めた...... その瞬間!黄金色の髪が舞う。 ドコッ!! !!!!!!? 不意に延髄に蹴りを食らい、洋子の視界がフラッシュバックする。 泳ぐ体勢で振り向く。 誰かが立っている......白いビキニの女。 ”なに?このオンナ.....何してんの..........信じられねぇ.....” 泳ぐ目つきで、洋子は焦点を合わせようとする。 ふらつく洋子の頭を片手で押さえ、結衣は瞬きもせず、体重をのせた返しの膝蹴りを洋子の顔面にブチ込んだ! ゴキッ!!! !!!!!!........... 洋子は壊れた人形のように、そのまま後ろに崩れ落ちた。 体が痙攣してピクピク跳ねている。 瞬殺!完全失神!!完全KO!!! おおおおおぉぉぉぉぉっ!!! 一瞬の間を置いて、ギャラリーから歓声と拍手が巻き起こる。 海洋科プール敷地内に乱れ飛ぶビート板! 「ハイ!これで騒ぎはお終い。みんな、散って散って。 それから誰か?”これ”外に出してきて!」 結衣が手を叩いて声を張り上げる。 男子数人が顔を見合わせ駆け寄り、京夜の上から洋子をひきずり降ろす。 おそらく、これが『帆波ファンクラブ』の面々なのだろう。 テキパキ指示を出す結衣の姿は、既に女組長の風格さえ漂わせていた。 まだ、ざわめきが残るプールサイドで、京夜はようやく体を起こした。 体が宙に浮いている感じがして、頭がクラクラする。 そんな京夜を結衣は何も言わず険しい目つきで見下ろしていた。 「結衣、すまん。助かったよ.......」 「......................。」 結衣の視線が痛い。京夜は思わず目をそらす。 「あのな、あの女は俺の知り合いでも何でもなくてな...」 「そんな事、見ればわかるわよ! それより.........雪之先輩って誰?」 「え?」 「そんな人、私、聞いた事がないけど、”あれ”みたいなの?」 結衣の指さす先に、その”あれ”がイルカの陸上運搬用キャスターに乗せられ運ばれていくのが見えた。 「まさか!普通科の先輩でな.... その、もっと普通と言うか....優しくてかわいい人だよ.....」 「へぇー、優しいの? ほぉ〜、かわいい人なの。 ふ〜ん、それはよかったね〜お兄ちゃん。 普通科の先輩ねぇ〜〜...........一応、憶えておくわ」 結衣の言い方が妙に刺々しい。 「結衣。何か怒ってないか?」 「別に........ ただ、従兄妹として学園でこんな事をされると恥ずかしいでしょ!」 「............面目ない」 結衣にそう言われては返す言葉がない。 「それから、お兄ちゃん。 こんな程度で、田舎に帰ろうなんて考えているんなら、辞めといた方がいいよ。お兄ちゃん武術の才能ないよ」 「あ....ああ、そうだな。そうかもしれねぇな.....」 言いたい事だけ言うと、結衣は何事もなかったように歩き去った。 残された京夜は、暫しぼーっとたたずむ。 ”頭クラクラして、細かい事考えられねぇ....” 感覚が戻ってくると、洋子に噛まれた首筋の痛みに気付く。 「とりあえず、保健室......いや、残りのあんパンでも食うか!」 京夜は膝を叩いて、気合いを入れて立ち上がった。 日差しはまだまだ高い。 海洋科に日常が戻った午後の出来事だった。 |